子どもたちと一緒に園で製作をするのであれば、季節のイベントを感じられるものにしたいですよね。
1月のイベントといえば正月で、家庭によっては縁起物を飾って新年を迎えます。
縁起物の中でも子どもたちに身近なのは、絵本などにも登場するだるまではないでしょうか。
本記事では、年齢別におすすめするだるま製作を紹介します。
他にも製作を通じて日本の文化を子どもへ伝えられるように、だるまの由来についても解説しているので、ぜひ最後までお付き合いください。
- だるまの由来
- 1月にだるまを製作するねらい
- 年齢別のおすすめだるま製作
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1月にぴったり!だるま製作のねらい
日本の文化を学ぶ【だるまとは?】
だるまは、達磨大師(だるまだいし)という禅宗の開祖が赤い衣をまとい座禅している姿を現しています。
そのため、だるまといえば赤くて丸いイメージが連想されますが、実は地域によって色や形はさまざまです。
日本では願いをかなえてくれる縁起物として扱われており、お願いをするときに片方に黒目をかいて、叶ったらもう片方に黒目をかく風習があります。
江戸時代に作られてから各地で縁起のよい物として扱われるようになり、日本を象徴する縁起物になりました。
だるまの由来
だるまは、「天然痘」という病気が流行したときに、邪気を払う赤色の縁起物として誕生しました。
だるまのモデルとなった達磨大師(だるまだいし)は、厳しく長い修行をしたという言い伝えがあり「困難にもくじけない」というイメージを持たれている人です。
そして、既に親しまれていた起き上がり小法師の「何度失敗しても奮い立つ」という意味もだるまは兼ね備えています。
当時の人々はだるまをつくり、はやり病の困難を乗り越えようとしたのでしょう。
だるまはなぜ1月製作にぴったりなの?
正月には良い年になるよう縁起物を飾る習わしがあり、だるまは縁起物の中の一つです。
そのため、だるまの製作は子どもたちが日本の文化に触れられる貴重な機会となります。
「他の縁起物には何があるのか」「どのような意味が込められているのか」など、製作をしながら子どもたちに正月の風習やだるまの由来について伝えてみましょう。
だるまにちなんで新年の目標を聞いてみても良いですね。
【0〜1歳向け】おすすめのだるま製作3選
0歳なら、指に絵の具を塗ってスタンプをするフィンガーペンティングができます。
月齢6ヶ月になると物を掴めるようになるため、クレヨンなどを持たせて自由にかかせてみましょう。
1歳になるとシールを貼れるようになる子がでてきます。
ただしシールをはがすのはまだ難しいので先生がお手伝いをしてください。
分からずに口に物を入れてしまう年齢でもあるため、誤飲に注意です。
簡単でかわいいだるまさん
子どもたちがシールやクレヨンで好きに装飾するので、まだ手が上手く使えない0~1歳の子どもでも作れる製作です。
クレヨンやシールの代わりにフィンガーペンティングにアレンジしても楽しめます。
小さいシールやクレヨンを使用するので子どもたちが誤って口に入れないように気をつけましょう。
- 赤と白の色画用紙
- 白の丸いシール
- 黒インクのペン
- はさみ
- のり
- シール数種類(色や形はお好みで)
- クレヨン
- 赤の色画用紙からだるまの体、白の色画用紙からだるまの顔のパーツをつくる
- だるまの体と顔をのりで貼り合わせる
- 白の丸いシールに黒いペンで目をかいておく
- 作っただるまにシールやクレヨンで自由に装飾をする
- 最後に目がかかれたシールをだるまさんに貼って完成
折り紙を貼ってつくるだるま
装飾を金色の折り紙にすることでより縁起物らしいだるまが作れます。
金色だけではなく、さまざまな色の折り紙を使うことで、より華やかなアレンジが可能です。
動画のように、絵本に出てくるだるまの表情に似せるなどの工夫をしても良いですね。
折り紙の貼り付けが難しい場合は、先生がサポートしてあげましょう。
- 赤と白の色画用紙
- 金色の折り紙
- 白とピンクの丸いシール
- はさみ
- のり(必要であれば両面テープ)
- 黒インクのペン
- 赤の色画用紙からだるまの体、白の色画用紙からだるまの顔をはさみで切りだす
- 金色の折り紙を細かく切る
- 細かく切った折り紙をだるまのお腹部分に自由に貼る
- だるまの顔をだるまの体にのりで貼りつける
- 白の丸いシールを目の位置、ピンクの丸いシールをほっぺの位置に貼る
- 最後に黒インクのペンでだるまの顔をかいて完成
干支の福笑い風だるま
干支風にだるまをアレンジするので、干支についても学べる製作です。
福笑い風にしても楽しく作れますが、難しければ目隠しせずに貼っても問題ありません。
先生が貼るのをサポートする時も、貼る位置を子どもの自由にしてあげると世界に一つしかないかわいい作品がつくれます。
- 赤と干支に使う色の色画用紙
- 白の折り紙
- 白の丸いシール
- はさみ
- のり(または両面テープ)
- 黒インクのペン
- だるまの体の形となるように赤の色画用紙をはさみで切る
- 干支のパーツを他の色画用紙を使ってつくる
- 干支のパーツのうち、鼻・口以外のパーツをだるまの体に貼り付ける
- 白の丸いシールに黒インクのペンで目をかく
- 目・鼻・口のパーツを顔に貼り付ける
【2〜3歳向け】おすすめのだるま製作4選
2歳はクレヨンでなぐり書きができるようになり、3歳ははさみやのりを使えるようになります。
他には紙を折ったり色を理解してきたりするので、製作の工程を0~1歳より少し増やしてみましょう。
子どもたちが「自分の手で作れた」という達成感を得られるような製作がおすすめです。
ちぎり紙でつくるだるま
はさみではなく紙を手でちぎるので、はさみが上手く使えない子でも製作できます。
ただし、紙をちぎるのが難しい子もいるので先生が切り込みを入れてあげるなどサポートしてください。
動画では黄色の折り紙を使用していますが、色がわかってくる年齢なので子どもたちに選ばせても良いでしょう。
- 赤と黄色の折り紙
- 紙皿
- のり
- 黒の油性ペン
- 紙皿にだるまの顔を黒インクのペンでかく
- 赤の折り紙をちぎって細かくしていく
- だるまの顔部分を避けるように細かくちぎった折り紙を紙皿にのりで貼る
- 黄色の折り紙を細長い形にちぎる
- 細長くちぎったの折り紙をだるまのお腹部分にのりで貼り付ける
ビー玉でゆらゆらだるま
ビー玉がおもりとなるため、押しても倒れずに起き上がるユニークな動きのだるまがつくれます。
赤いテープを巻くのが難しそうな年齢であれば、カプセルの色を工夫して作業工程を減らすことも可能です。
完成した作品の動きから、だるまの由来についても子どもに教えられる製作となっています。
- カプセル
- ビー玉3個
- 赤のビニールテープ
- 白の色画用紙
- 黒の油性ペン
- ボンド
- カプセルを開いてビー玉を3つ入れて閉じる
- 赤いテープを一定の長さに切り、隙間がなくなるまでカプセルに巻いていく
- 白い色画用紙を顔の形になるようにはさみで切る
- 切りだした顔に黒インクのペンで描く
- 顔とお腹のパーツをボンドでつける
紙皿でかわいい横ゆれだるま
紙皿をつかってゆらゆらと横に動きのあるだるまを作ります。
パーツや工程がシンプルなため、年齢に合わせたアレンジが可能です。
2歳なら折り紙の色を数種類用意して選ばせたり、紙皿を折る工程を子どもたちにさせたりしても良いでしょう。
3歳ならお腹の模様を好きに切ってもらえば、はさみの練習にもなります。
- 赤、薄オレンジ、白、黄色の色画用紙
- 紙皿
- 鉛筆
- はさみ
- のり
- 黒インクの油性ペン
- 赤い色画用紙に紙皿を置いて、紙皿の形に沿って鉛筆で線を書く
- 線に沿って赤い色画用紙をはさみで切り、だるまの体のパーツをつくる
- 薄オレンジの色画用紙でだるまの顔、白い色画用紙でだるまの目の形、黄色い折り紙でお腹の模様の形にそれぞれ切る
- 目をのりで貼り付けて、黒インクのペンで黒目をかく
- 顔とお腹の模様をだるまの体にのりづけする
- 半分に折った紙皿に、つくっただるまを貼り付ける
十人十色のだるまの壁紙
子どもによって表情が変化するだるま製作です。
全てのパーツを動画のように紙で作成しても良いですが、細かいパーツはシールで代替しても問題ありません。
だるまの顔に個性が出るため、子ども同士で最後に見せ合いっこをしたり、壁一面に並べたりして、表情の違いを楽しみましょう。
- 厚紙
- 赤、黒、白、薄オレンジの色画用紙
- 好きな色の折り紙
- のり
- はさみ
- えんぴつ
- 厚紙にえんぴつで各パーツの形を書き、はさみで切って型をつくる
- 型を使って各色画用紙でパーツをつくる
- だるまが十分に貼れる大きさの厚紙にだるまの体をのりづけする
- 顔をだるまの体にのりづけする
- 顔のパーツを自由に貼る
- 好きな色の折り紙をちぎりながらだるまのお腹にはる
【4〜5歳向け】おすすめのだるま製作5選
4~5歳になると工程数が多い製作をつくれるようになります。
折り紙で簡単な作品をつくったり、ハサミで形を切り出したり、さらには複数の色を使って上手にお絵かきしたりもできます。
お手本を用意すれば見て触って確かめて、「お手本どおりにつくるにはどうすればよいか」と考えながら製作をする子もいるでしょう。
他の子どもと会話をしたり交流をしながら製作を楽しんでくれますよ。
だるまさんのまゆ玉転がし
製作できるのは、ボールとは違う動きで転がるミニサイズの可愛いだるまです。
のりを部分的に塗る工程が難しそうであれば、両面テープで代用するなどの工夫をしてください。
丸い形を立体でつくったり、みんなで転がして遊べる4~5歳にぴったりの製作となっています。
- 赤の色画用紙
- 白の丸いシール
- ビー玉
- のり
- 白・赤・黒インクのペン
- えんぴつ
- カッター
- カッターマット
- 定規
- 10cm×1.5cmの長方形を3枚つくるために、赤の色画用紙に線を引いてさみで切る
- 3枚の長方形が雪の結晶の形になるように貼り合わせる
- 1枚の長方形の端をのりづけして輪っかをつくる
- 2~3枚目は両端にのりをつけて輪っかとなるように重ねてはる(最後の1枚を貼る前にビー玉を入れる)
- 白の丸いシールにペンでだるまの顔をかいて貼る
- 白インクのペンでだるまのお腹の模様をかく
紙コップでゆらゆらだるま
身近にある紙コップを使うことで横に揺れるだるまが作れます。
4~5歳のおすすめする他の作品と同様に平面だけでなく立体的な作品づくりができる製作です。
手で紙をちぎる工程では、ただ紙を割くのではなく形をつくる難しさを子どもたちが経験できますよ。
顔をかく工程では実際にだるまの写真などのお手本を用意してみましょう。
- 赤と白の色画用紙
- 金の色紙
- 紙コップ
- はさみ
- のり
- セロハンテープ
- 黒の油性ペン
- 赤と白の色画用紙にだるまの体と顔の形をかく
- だるまの体ははさみで切り、だるまの顔は手でちぎってそれぞれのパーツをつくる
- お腹部分に貼る模様を金の色紙からはさみで切りだす
- 顔とお腹の模様のパーツをだるまの体にのりづけする
- 黒インクのペンでだるまの顔をかく
- だるまの裏面下部に紙コップをセロハンテープではりつける
切ってはって揺れるだるま
2~3歳へのおすすめで紹介した製作と似ていますが、厚みのある紙皿を切る作業があるなど難易度が上がっています。
「2枚の紙を重ねてはさみで切ると同じ形が2枚つくれる」という体験ができる製作です。
ただし、切るのが難しい子には1枚ずつ切るなどのフォローをしましょう。
- 赤と白の色画用紙
- 金の折り紙
- 紙皿
- はさみ
- のり
- 黒と赤の油性ペン
- 紙皿を一回り小さい丸にはさみで切って半分に折って軸をつくる
- 赤の色画用紙を半分に折って紙皿を置き、形に沿って線をかく
- 赤の色画用紙を半分に折った状態で2枚重ねてはさみで切る
- 白い色画用紙にだるまの顔をかく
- 金の折り紙でお腹の模様をつくる
- 顔とお腹の模様をだるまの体にはりつける
- 折り曲げた紙皿の両面にだるまをのりづけする
牛乳パックdeぶんぶんゴマ
正月らしいだるまのコマを牛乳パックで作り、製作後は作品で遊べます。
「家庭にあるものでも工夫をすれば工作ができる」と子どもたちに経験させてあげられる製作です。
キリで穴をあけたり、タコ糸を通す工程は難しい場合があるので必要に応じてフォローしてください。
色塗りはクレヨン以外にも絵の具などにアレンジが可能です。
- 牛乳パック
- 黒の油性ペン
- クレヨン
- 両面テープ
- キリ
- タコ糸
- 開いた牛乳パックの底と飲み口部分を切り取る
- 内側を表にして半分に折り、だるまの体の下書きをかいてはさみで切る
- 黒インクのペンでだるまの顔やお腹の模様をかく(反対側にもかく)
- 牛乳パックの外側を両面テープを使って貼り合わせる
- クレヨンでだるまに色をつける
- だるまの体の中心にキリなどで穴を2カ所あけてタコ糸を通して端を結ぶ
厄落としだるま
他の4~5歳におすすめする製作と異なり、完成後の作品に動きはありませんが複雑な工程となっています。
製作のときは、先生が見本を作って丁寧に作り方を説明してあげると、子どもたちも戸惑いにくいでしょう。
日本で昔から親しまれているだるま落としの遊びについても子どもたちに教えられる製作です。
- ペーパーの芯
- 4色の折り紙
- 白と銀の折り紙
- はさみ
- のり
- 黒い油性ペン
- 8×15cmの折り紙を1枚、長さを8分の1にした細長い折り紙を3枚を用意する
- ペーパーの芯を上から押して平らにする
- 1.6cm程度の間隔で端から3カ所に印をつけて、端が少し残るようにはさみで切る
- ペーパーの芯にのり付けして切った折り紙を貼る
- 大きい折り紙を貼った方の形を整え、白と銀の折り紙で作っただるまの顔やお腹の模様のパーツを貼る
- 積み木を模した部分をずらす様に形を整える
まとめ
正月の雰囲気を感じられるだるま製作について紹介しました。
動画の内容をそのまま使っても良いですが、園の子どもたちにあわせてアレンジするとより楽しい製作になります。
ただ製作をするだけではなく「だるまがなぜ縁起物として扱われているのか」など交えて日本の文化をぜひ子どもたちに紹介してください。
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