意向調査とは、保育士の今後の進退や園に対する希望などを聞き取ることです。
本記事では意向調査への対処法を詳しくお伝えしますので、参考にしてくださいね。
- 意向調査は保育士の進退や人事の希望、またその他の意見などを聞き取る機会である
- 意向調査では、相手に分かり易くポジティブに伝えるように配慮するのが良い
- 事前に自分の意見を具体的に把握して整理しておくと考えを伝えやすい
- 転職を決めたら、保育士転職サイトを活用するのが便利

意向調査は実施する園としない園があるようですが、実施される場合は今後の働き方を見つめ直し、自分の思いを上司に伝える絶好のチャンスです。
意向調査についての情報を得た上で準備をして、貴重な機会を活かしましょう!


あん 元保育士ライター
保育士歴11年、現在は2児の母です。公・私立園それぞれで正規・非正規保育士として働いた経験を活かし、役立つ情報をわかりやすくお伝えします。
保育士の意向調査とは?
保育園で実施される意向調査とは、「今後も仕事を続ける予定なのか」「次年度はどのクラスを担任したいと思っているのか」などといった保育士の考えを、保育園側が把握する為のものです。
保育園を円滑に運営していく為のものであると同時に、保育士が自分の思いを伝える大切な調査です。
本章では意向調査の目的や時期、形式についてお伝えします。
意向調査の目的
保育園が意向調査をする目的の1つが、職員の進退についての確認です。
退職する職員がいる場合、園としては職員の採用や後任の育成等の必要がある為、把握しておく必要があります。
また、次年度にどのクラスの担任を希望しているか、どのような働き方をしたいかを聞くことで人員配置の参考になります。
その他にも職員が職場で困っている事や普段言えない思いを聞くことは職場環境の改善につながり、保育園として大変意義のあるものです。
- 職員の進退確認
- 人員配置の調整
- 職場環境の改善
意向調査の時期と形式
シフトや人員配置の計画、欠員が出た時の職員採用準備などの理由から、意向調査をする時期としては9月~12月頃が多いようです。
心づもりをしておいて、焦らずに対応したいものですね。
また意向調査は、アンケート形式や個別面談といった方法で行われます。
本人の真意を聞き取る為に、面談は1対1で行われることが基本です。
園によっては事前に行ったアンケートを元に個別面談をする場合もあるようです。
- アンケート形式
- 個別面談
意向調査の書き方や伝え方のポイントは?
意向調査はアンケートや個別面談を通して行われるとお伝えしましたが、どのような伝え方をするのが良いのでしょうか。
同じ内容でも、伝え方次第では相手に与える印象が大きく変わります。
誤解のないように、また相手に分かりやすいように自分の考えを伝えるにはどうすればよいのか、それぞれのポイントについて解説します。
ポジティブな表現を心がける
職場に対する不満や困り事を伝えたいときには、ポジティブに伝えるよう心掛けることで、相手に受け入れられやすくなります。
- OK例:「時間内に仕事を終えられる工夫をみんなで考えていきたいと思っています」
- NG例:「持ち帰りの仕事が多くて困ります」
例えばより良い職場環境を希望していても、上記の様に「〇〇が困る(嫌だ)」という事をそのまま伝えてしまうと、ただ単に不満があるとかやる気が無いといった印象を持たれてしまいかねません。
「こうしていきたい」や「やり方を相談させてください」という前向きな姿勢で伝えることが大切です。
希望時期を明確にする
退職や雇用形態の変更の希望がある際は、時期を明確にしましょう。
職員採用や他の職員のシフト変更等に関わるので、園としては早めの準備が必要です。
円滑な保育園の運営のために職員の確保は大変重要ですので、なるべく迷惑を掛けないためにも希望時期をはっきり伝えることが大切です。
退職や働き方の変更は3月末にすることが一般的ですが、それより早い時期を考えている場合は意向調査で伝えても遅いことがありますので気を付けましょう。
簡潔かつ具体的に伝える
意向調査では、簡潔に具体的に伝えるように心掛けましょう。
- NG例:「仕事から帰って子どもと関わる時間が少ないです。小学校に入るので勉強も見てあげたいですし…。」
- OK例:「今フルタイムで働いていますが、来年度の4月からは子育てとの両立を考えて時短勤務を希望しています。」
OK例では簡潔に希望を述べており、どのように働きたいのかが分かりやすいですね。
自分の気持ちを相手にきちんと理解してもらえるような伝え方をすることが大切です。
前向きな言葉で伝える「保育士の円満な退職・異動理由」
退職したい事を伝えるのは気を遣いますし、難しいですよね。
特に職場に対するネガティブな気持ちが退職の理由である場合、退職の意思を何と言って伝えればいいのか悩んでしまうことが多いです。
職場で気まずくなってしまうことも避けたいですよね。
本章では円満に退職や異動できるような、前向きな言葉での伝え方をご紹介します。
新しい環境で挑戦したい
例えば「職場の人間関係が悪い」というのが退職の理由である場合、そのままは伝えにくいですし、解決策を提示されて引き止められてしまう可能性もあります。
解決策を出してもらうことを希望していないかぎり、そのままの気持ちを伝えるのは得策とは言えないでしょう。
言い換えとして、「新しい環境で挑戦したい」と伝えると角が立ちません。
今とは違う新しい環境で働きたいという気持ちは嘘ではないので、後ろめたさを感じずに伝えやすいですね。
より専門性を高められる職場で経験を積みたい
「保育の理念が合わない」「やる気になれない職場である」という気持ちが転職の理由であることも少なくないですが、そのまま伝えると保育園批判と捉えられる恐れがあります。
そこで、「より専門性を高められる職場で経験を積みたい」と伝えると前向きな印象を与えます。
保育園で保育士として働く以外にも、資格を活用してできる仕事は色々あります。
“今の職場も良いが、今後もっと違う働き方をしてみたい”というスタンスで伝えると良いですね。
安定した働き方を探す必要がある
「体力的・精神的にきついと感じている」「今の雇用形態では不安」等、現在自分が置かれている状況をこのまま続けていくことに不安を感じている場合に、退職や異動を希望することがあるでしょう。
ですが、上記の様にネガティブな言い方では職場に対する愚痴を言っているようで印象が良くありません。
「安定した働き方を探す必要がある」という伝え方をすると、“必要に迫られた選択”という風に受け止められやすくなりますのでおすすめです。
長期的に働ける職場を希望したい
「職場が遠いので辞めたいと思っている」「非正規雇用では不安」等と思っている場合は、「長期的に働ける職場を希望している」と言い換えられます。
言い換える前は仕事に対してやる気が感じられず消極的な印象を受けますが、前向きな伝え方にすると、“仕事に対する意欲があるが故にこれからも働き続けられる方法を探している”という印象になります。
意欲を汲んで、希望の異動先や雇用形態を検討することにも繋がるかもしれませんね。
自身の適性をより活かせる分野を見つけたい
保育の仕事自体が合わないと感じた時に「自分には保育士が向いていないので辞めます」等と消極的な伝え方をすると、悩みがあると捉えられたりアドバイスをしてくれたりして、辞めにくい雰囲気になるかもしれません。
ですが「自身の適性をより活かせる分野を見つけたい」という伝え方をすることで、確固たる意志を持っていると捉えられやすくなり、思いが伝わりやすいです。
さらに、これまでの感謝を添えることで円満退職(異動)につながります。


意向調査に向けて準備しておくことは?
意向調査では自分の考えをきちんと伝えたいですよね。
考えをまとめて伝えるのは意外と難しいので、戸惑わずに答えるために事前に準備をしておくと安心です。
本章では、意向調査までにどのような準備をしておけばいいのかを解説します。
自分の気持ちと向き合うことで、今後の自分について改めて考える機会にもなりますよ。
自身の意向を整理しておく
- 仕事を続けるかどうか
- 異動を希望するかどうか
- どのような働き方(雇用形態)を希望しているか
- 次年度担任するクラス等の希望
はっきりと希望がある場合もあれば、特に考えていないという場合もありますよね。
自分の考えを確認したいときは、まず紙などに書き出してみると自分の気持ちを客観的に見て整理できるのでおすすめです。
また、「まだ経験が浅いので色々なことを経験したい」といった抽象的な希望でももちろんOKです。
希望理由を前向きにまとめる
ネガティブな気持ちから生まれた希望であっても、それを前向きな言葉にすることによって伝えやすくなりますし、相手にも受け入れられやすくなります。
また前向きな意見は建設的な話し合いに発展しやすいので、結果として問題解決につながりやすくなります。
困り感があるという事を伝えることは必要なことですが、ただの不満と捉えられない為にも考えを冷静に伝える為にも、希望理由は前向きにまとめるのが良いでしょう。
希望時期を決めておく
退職や働き方の変更等を考えている場合は、希望の時期を決めておく必要があります。
保育園側は意向調査の内容をふまえて次年度の採用準備やクラス編成などの人事を考えるので、希望の時期を伝える事はとても大切です。
「聞いていない」といったトラブルを避け、職場といい関係を保つ為にも大切な事は確実に伝えましょう。
もし3月よりも早い時期の退職などを考えている場合は、意向調査を待たずに早めに知らせる必要があります。
職場環境の改善点を考える
職場環境の改善点など、普段はなかなか言いにくい事も意向調査の場では伝えるチャンスですので、考えておくと良いですね。
園側にとって職員が働きやすい環境を作る事は大切ですが、現場で働いている本人にしか気付けないことはたくさんありますので、意向調査における保育士の意見は貴重です。
人間関係や施設の修繕箇所など内容は多岐にわたりますが、職場環境をよくする為に改善点を伝えることで、働きやすい職場作りにつながります。
意向調査の書き方を確認する
書く内容が決まったら、今度はどのように書くかを確認しておきましょう。
だらだらと書くと言いたい事が伝わりにくいので、以下の事を意識して書くと分かりやすいです。
- 要点をおさえる
- 前向きな言葉で書く
- 簡潔かつ具体的に書く
アンケートではなく個別面接の場合も何をどうやって話すかを考えておくと、限られた時間内で考えを伝えやすくなります。
話す内容を忘れてしまうのが心配なら、メモを書いておくと安心ですね。
退職を決めたら保育士転職サイトを活用しよう
退職を決めたら転職先を探す必要がありますが、そんな時には保育士転職サイトを活用するのがおすすめです。
ここでご紹介するのはどれも転職のプロであるキャリアアドバイザーが無料で転職のサポートをしてくれますので、参考にしてみてくださいね。
忙しい中で効率的に就職活動をするために、保育士転職サイトを上手に活用しましょう。
保育士ワーカー


- 年間3万人以上の転職成功実績がある(2020年4月~2021年3月)
- 全国10か所の営業拠点がある
- 履歴書サポートや入職後のサポートもしてもらえる
保育士ワーカーは、株式会社トワイライトキャリアが運営している転職サイトです。
年間3万人の保育士が転職を成功させており、保育士特化の転職サイトの中では1番人気です。
独占求人が多数ある上に全国10か所の営業拠点があり、職場の様子を細かく情報共有できます。
また、一般の求人情報ではわからない残業時間や有休消化率、職場の人間関係の情報も得られます。
履歴書対策が手厚く、入職後の悩み相談なども受け付けているところも人気の秘訣です。


保育士人材バンク


- 求人数が多く、特に首都圏の求人に強い
- 他のサイトにない独占求人がある
- 求人マッチング率が高い
保育士人材バンクは、業界でも数少ない一部上場企業(株式会社エス・エム・エス)が運営している転職サイトです。
全国のエリアに対応していますが、特に首都圏の正社員向け求人が充実しています。
また、一般には知られていない好条件の非公開求人が多いので、待遇の良い求人を紹介してもらえる確率が高いです。
質の高いマッチング力があるという事で、厚生労働省の適性事業者として認定されたことがある点も安心ですね。


レバウェル保育士


- 3か月以内の短期間の転職サポートに強い
- 求人の質が高い
- 履歴書添削・面接対策・待遇面の交渉等はすべて無料で相談できる
レバウェル保育士は、3か月という短い期間で転職を実現することが可能です。
求人開拓はアドバイザー自ら実施しているため、職場の雰囲気や人間関係の情報も得やすいのが特徴となっています。
求人の質が高く転職後のミスマッチが少ないですが、取り扱っている求人数は少ないので他の転職サイトと併用するのがおすすめです。
また、履歴書の作成や面接日程調整のサービスも無料で利用できる上に、就業後のアフターフォローもあります。


まとめ
本記事では基本的な意向調査に対する情報や対策についてお伝えしましたが、意向調査のやり方に決まりはないので方法が異なることもあります。
また異動や次年度の担任クラスの希望は必ずしも通るわけではないので、あくまで参考程度と思っておくと良いでしょう。
意向調査で必要なことを適切に伝えるお手伝いができれば幸いです。
コメント