保育の仕事をしていると、なかなか休みが取れずに疲れてしまうことはありませんか。
「休みが取れないから、友人や家族との予定を諦めることになった」
「人手不足で休みが取りづらい」
仕事にやりがいを感じていても、体を休められないのは辛いですよね。
保育士の休み事情に詳しくなれば、自分の現状を客観的に分析できるので、そのまま維持するか、改善に向けて行動するか判断可能になるでしょう。
本記事では、保育士の休み事情と休みを増やす方法について紹介します。
- 保育士の休日の取得パターン
- 保育士の年間休日の日数
- 保育士の有給休暇の取得率
- 保育士が休みを増やすの方法
保育士の休日の取り方をパターン別に解説!
保育士の休日の取り方は2パターンあり、完全週休2日制と週休2日制があります。
保育園がどちらの制度を採用しているかは、求人情報をみれば確認可能です。
名称が似ていますが、1ヶ月で取れる休日の日数が異なるため、混同しないように注意しましょう。
本章では、具体的に取得できる休みについてパターン別に解説しています。
完全週休2日制
完全週休2日制とは1週間のうち、必ず休みが2日確保される制度のことです。
ほとんどの保育園は日曜・祝日に閉じていますが、土日に休めるとは限らず、保護者の仕事時間に合わせて土曜に出勤する場合もあります。
土曜出勤をしたら平日に振替休日を取得して、1週間のうち休みが2日になるよう調整します。
一方で、日曜・祝日も保育をしている園は曜日に関係なく出勤となるため、休みの曜日も固定されません。
週休2日制(日曜+平日1日)
週休2日制とは、1週間に2日休める週が1ヶ月に1回以上あり、他の週は休みが1日の制度です。
日曜・祝日が休みの保育園で勤務する場合、毎週日曜といずれかの週で日曜日以外の曜日に1日休みます。
基本が月〜土曜日の6連勤となるため、土曜出勤があっても振替休日の取得ができるとは限りません。
とはいえ、週休2日制と求人に記載されていても毎週2日休める園もあるため、職場の実態を確認するようにしましょう。
正社員の保育士はシフト勤務の場合も多い
保護者の勤務時間に合わせて子どもを預かるため、保育園の開園時間は長く、開園から閉園まで働き続けるのは体力的にも困難です。
そのため、多くの保育園では早番・中番・遅番に分けて正社員のシフトを組んでいます。
職場全員の希望を確認した上で、最終的にシフトを決定するのは園長または主任です。
シフト勤務には保育園の業務をトータルで覚えられるメリットがある一方で、シフトが決まらないとプライベートの予定が組めないデメリットもあります。
保育士の年間の休日数はどのくらい?
事業者を対象としたアンケート結果によると、保育士の年間休日数の平均は約110日です。
最も割合が多い年間休日の日数は「101日以上106日未満」で、月平均にすると「8〜9日」、週2日程度となります。
完全週休2日制の年間休日数120日と比べると少ないものの、週2日は休めている状況です。
しかし、アンケート結果を詳しくみると年間休日が101日未満、121日以上の回答も一定数あり、保育園によって差があると言えます。
平均日数の110日や完全週休2日制と同等の120日を目安にして、理想と現状の年間休日数に大きな差がないか判断すると良いでしょう。
保育士が取得できる有給やその他休日とは?
就業規則で決められている休みを公休と呼びます。
保育園によって異なりますが、日曜日、祝日そして年末年始を公休にしている保育園が多い印象です。
公休以外で休む場合は、有給休暇や園独自の休暇制度を利用しましょう。
本章では保育士が取得できる有給休暇と公休以外の休日について紹介します。
保育士が取得できる有給休暇の日数
職業に関係なく有給休暇の付与日数は労働基準法で定められており、2019年には労働者に年5日の有給休暇を取得させることが義務化されています。
ただし、年5日の取得義務化は有給休暇が10日以上付与されている下記条件を満たした労働者が対象です。
- 雇用日から6ヶ月継続して雇われている
- 全労働日の8割以上、出勤している
有給休暇の付与日数は勤続年数によって増加していきます。
義務の年5日の有給休暇を取得した後も、付与された日数を積極的に取得していきましょう。
公休以外で休めるタイミング
- 夏季休暇
- 年末年始休暇
- 産前産後休暇・育児休業
お盆期間中でも保育園は営業していますが、仕事が休みになる保護者もいるため、預かる園児数は通常時より少なくなるのが通例です。
そのため、急な出勤要請はゼロではないものの、保育士はシフトを調整して3〜5日程度の夏季休暇を取得します。
年末年始は12月30日〜1月3日ごろまで閉園する保育園が多く、閉園期間に合わせて休むことが可能です。
また、産前産後休暇は労働基準法、育児休業は男女共に取得可能で育児・介護休業法で定められている休みであり、保育士も取得できます。
「保育士は休めない」と言われる理由を徹底調査
公休や有給休暇があるにも関わらず「保育士は休めない」と言われています。
しかし、全ての保育士が休めていない訳ではなく、有給休暇をしっかり消化している園もあります。
休めない理由を調査したところ、業務量の多さと人手不足が要因だと分かりました。
本章では、保育士が休めない理由と有給休暇の消化率について解説していきます。
休みでも持ち帰りの業務で結局仕事している
保育士は保育以外にも事務や製作など多くの業務を抱えており、保育の合間をみて仕事を片付けるのは容易なことではありません。
特に入園・卒園シーズンの年末年始や運動会・お遊戯会などの大型イベント前は仕事が一気に増え、残業しても仕事が終わらず、持ち帰る保育士がいる現状です。
また、残業時間の管理が厳しくなってしまい、残業ができず業務を持ち帰る保育士もいます。
せっかく休んでも持ち帰り業務に追われるため、保育士は休めないと言われています。
人手不足でお休み返上しても代休がない
同僚の急な欠勤や土曜出勤に対応しても、人手不足が深刻だと代休の取得はできません。
保育士が投稿した口コミでも人手不足で代休が取れないという声を多く見かけます。
また、同僚の勤務時間に影響がでてしまうという気持ちから、代休だけでなく休み自体を取るのを諦める保育士もいるようです。
人手不足の職場ほど、急な出勤が発生するのに休めないという悪循環に陥りやすいでしょう。
保育園によっては近隣園からヘルプを呼んで代休を取得するなどの工夫をしています。
園によっては有給を完全消化できないことも…
事業者にアンケート調査をした結果、有給休暇の平均消化率が「100%」と回答したのは全体のわずか3.6%でした。
また、一番多い割合は「40%以上60%未満」で34.0%、次に多いのは「60%以上80%未満 」で25.5%です。
有給休暇を全く取得できない訳ではありませんが、取りやすい職場環境が完全に整っているとは言いづらい状況です。
しかし、有給休暇を80%以上消化できているのは全体の約20%となっており、5施設に1施設は休みが取りやすい環境が整っています。
保育士が休みを増やすための方法
人手不足などが要因で休めないと、体力が回復せず疲労がたまり、いずれは保育の仕事自体に支障がでてきます。
休みが少なく辛いと感じたら、休暇制度や職場環境に力を入れる保育園に転職するのがおすすめです。
転職の際には本章で紹介する保育園の特徴を参考にして、理想の職場を選びましょう。
休みが多い保育園に転職する
週休2日制より完全週休2日制を選ぶなど、公休が多い保育園に転職しましょう。
また、産休、育児休業はもちろん、介護休暇、生理休暇といった休暇制度の種類が豊富であれば、状況に合わせた休みが取得可能です。
他にも半休や1時間単位で休みを取得できる保育園もあります。
短時間の休暇であれば同僚への負担が最低限で済むため、気楽に休めますね。
保育園によってさまざまな休暇制度があるので、自分にあった休暇が取得できるか確認してみましょう。
有給休暇がきっちり取得できる保育園に転職する
該当の保育園で有給休暇を取得できるか判断するための指標として、有給休暇の取得率があります。
求人や公式サイトで確認ができますが、掲載されていない場合もあるため、不明な時は採用担当者に確認すると良いでしょう。
有給休暇の取得率が高ければ休みを取りやすい職場環境であり、低ければ人員不足などの不安要素があると言えます。
保育士の仕事は体力勝負のため、休みが取りやすい職場環境は保育の仕事を続けていく上で大切な要素です。
まとめ
- 保育士の休日パターンは完全週休2日制と週休2日制がある
- 保育士の年間休日の平均日数は110日
- 人員が充足していれば休暇を取得できる
- 転職する際には休みの多さと有給休暇の取得率を確認する
保育士の休日は保護者の仕事に合わせて開園するという保育園の特性上、自由に取得するのは難しいと言えます。
しかし、人員が充足している保育園は上手く助け合い、休みが取れているのも事実です。
休みが取得できず辛いと感じているなら良い条件の保育園への転職を視野に入れましょう。
転職時は完全週休2日制など休みが多く、さらに有給休暇の取得率が高い保育園を選ぶと後悔しづらくおすすめです。
保育の仕事に前向きに取り組むためにも、積極的に休みを取得していきましょう。
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