【すぐ分かる】保育士の退職金相場〜条件や年度ごとのシミュレーションつき〜

保育士_退職金相場

「保育士はどのくらい退職金がもらえる?」と、疑問に感じる保育士さんも多いのではないでしょうか。

退職した後の生活費や、次の仕事までの準備として、退職金があると助かりますよね。

しかし、残念ながら、すべての保育士さんが退職金を受け取れるわけではありません。

退職金が出るかどうか、どのくらいもらえるかなどは、運営形態や雇用形態、勤続年数などによってそれぞれ異なります。

今回は、保育士さんが受け取れる退職金の相場や条件、運営母体によっての違いなどについて詳しく解説します。


1年目の退職金相場
3年目の退職金相場
5年目の退職金相場
7年目の退職金相場
10年目の退職金相場
20年目の退職金相場
30年目の退職金相場

目次

【年数別】退職金の相場(早見表ですぐ分かる!)

前述した通り、保育士の退職金は、雇用形態や勤続年数などの諸々の条件によって大きく変動します。

基本給が高い、長年勤務しているなどの条件を満たしていれば、それだけ大きな金額を受け取れることになります。

ここでは、保育士としての勤務年数別に受け取れる金額の相場を解説しますので、自身の勤続年数を照らし合わせてご覧ください。

参照:退職手当金計算シミュレーション

保育士1年目の退職金相場…0~10万円未満

たとえ正社員として雇用されていたともしても、勤務先が定める一定の条件を満たさないと、退職金の支給を受けることができません。

保育士1年目の自己都合退職の場合は、退職金の支給はなしと規定する園は多くあります。

そのため、支給されたとしても、退職金共済への加入期間が短いため、10万円未満が相場となります。

保育士3年目の退職金相場…約30万円

保育士3年目の退職金は、およそ30万円前後です。

これは、退職手当金計算シミュレーションを元に、月給205,000円~219,999円であると仮定して算出しています。

勤続3年目は、転職を考える一つの目安となる時期です。

退職金のだいたいの金額も視野に入れながら次の道を検討しましょう。

保育士5年目の退職金相場…約60万円

保育士5年目の退職金は、およそ60万円前後です。

これは、退職金手当計算シミュレーションを元に、月給235,000円~249,999円であると仮定して算出しています。

保育士5年目となれば、クラスリーダーなどのリーダー職を任される時期です。

任される仕事に沿って月給が上がれば、退職金もおのずと高くなるでしょう。

保育士7年目の退職金相場…約90万円

保育士7年目の退職金は、およそ90万円前後です。

これは、退職金手当計算シミュレーションを元に、月給250,000円~264,900円であると仮定して算出しています。

保育士7年目では、副主任などの役職を任される人もおり、現場の保育だけではなくマネジメントを学んでいく時期です。

与えられる職務と責任により給与もアップするため、人によっては相場より高い金額になるかも知れません。

保育士10年目の退職金相場…約140万円

保育士10年目の退職金は、およそ140万円前後です。

これは、退職金手当計算シミュレーションを元に、月給265,000円~279,999円であると仮定して算出しています。

保育士10年目は、ベテラン保育士として他の職員の模範となる存在であり、人によっては主任保育士として園をまとめていく立場になっているのではないでしょうか。

主任保育士として活躍している人は、相場よりも多く受け取れる可能性もあり、10年目以降が退職金がアップする節目と言えるでしょう。

保育士20年目の退職金相場…約600万円

保育士20年目の退職金は、およそ600万円前後です。

これは、退職金手当計算シミュレーションを元に、月給300,000万円~319,999円であると仮定して算出しています。

保育士20年目となると、多くは役職者として活躍し、中には副園長として園長の補佐をしている時期です。

勤務年数と請け負う職務の責任の重さで、人によって受け取れる退職金にも大きく差が出るでしょう。

保育士30年目の退職金相場…約1,300万円

保育士30年目の退職金は、およそ1,300万円です。

これは、退職金手当計算シミュレーションを元に、月給360,000円以上であると仮定して算出しています。

保育士30年目は、園長として園運営に携わる方が多いのではないでしょうか。

勤続30年の退職金は1,000万円を超え、長年の保育業界への貢献度が金額として表れます。

【より詳しく】保育士の退職金をシミュレーション

冒頭でお伝えした通り、雇用形態や勤務年数だけでなく、勤務している施設の運営形態によっても、退職金の金額や条件は変わります。

特に、公立保育園と私立保育園では明確な違いがあり、私立保育園の中でも、運営母体が社会福祉法人か株式会社かによって変動します。

それぞれの退職金の相場について見ていきましょう。

公立保育園に勤める保育士の退職金

退職手当 = 基本額(退職日の俸給月額×退職事由別・勤続期間別支給率)+調整額

公立保育園の保育士は、地方公務員という位置付けのため、各自治体の条例によって支給額が定められています。

支給対象は勤続年数1年以上と決められており、公立保育園にて1年間勤めれば退職金が支給されます。

公務員の退職金を算出する際に必要となる調整額とは、調整月額のうちその額が多いものから60月分の額を合計した額です。

また、勤務年数が長いほど退職金の「基本額」は高くなりますが、退職理由(自己都合・定年・整理退職など)によって「支給額」が変動することも覚えておきましょう。

参照:地方公務員の退職制度について(総務省)



■基本給20万円で自己都合退職の場合のシミュレーション

3年勤めた場合…200,000円(退職日の月給)×1.5(支給率)=300,000円

5年勤めた場合…200,000円(退職日の月給)×3.0(支給率)=600,000円

10年勤めた場合…200,000円(退職日の月給)×6.0(支給率)=1,200,000円

上記で算出した金額以外に、調整額が加算されます。

ただし、勤続6ヶ月未満の退職者、勤続9年未満で自己都合での退職者、違法行為を行い退職から3ヶ月前までにそれを理由に処分された退職者などには調整額は支給されません。

調整額は自治体によって異なり、また退職月の職員区分によっても変動します。

参照:退職金の調整額

社会福祉法人に勤める保育士の退職金

多くの場合、社会福祉法人が運営する私立保育園では、福祉医療機構の退職手当共済制度に加入しています。

これは、福祉施設に勤務する職員向けに作られた退職手当事業であり、勤務する園が退職手当共済制度に加入していれば、公式ホームページの早見表から支給額を確認できます。

退職金についての詳細は、ホームページをご確認ください。

参照:退職手当共済事業(独立行政法人福祉医療機構)

社会福祉法人の退職金早見表

福祉医療機構のホームページには、自分がどのくらい退職金を受け取れるかを確認できる「退職手当金額早見表」が掲載されています。

早見表の縦軸「被共済職員期間」と、横軸「計算基礎額」が重なった箇所が支給額です。

「計算基礎額」は、退職前6か月間の平均本俸月額から算出されます。

参照:退職手当金額早見表

社会福祉法人のシミュレーション

前述の早見表のほか、福祉医療機構のホームページから、「退職手当金計算シミュレーション」を使って退職金の支給額の計算が可能です。

「退職手当金計算シミュレーション」では、共済加入年月、退職年月、計算基礎額、退職理由の4点を入力し算出します。

あくまで一定条件での算出となるため、計算額は目安として参考にしてください。

参照:退職手当金計算シミュレーション

株式会社運営の保育園に勤める保育士の退職金

株式会社などの企業が運営する保育園では、企業ごとに対応が異なります。

社会福祉法人と同じ退職手当共済制度に加入している企業もあれば、各企業が独自に設けている退職金制度を利用する場合とがあり、対応は様々です。

そもそも退職金制度を設けていない園もありますので、各園の就業規則を確認しましょう。

保育士の退職金について知っておくべきこと

退職金は、退職を控える人にとってとても重要ですが、人生で何度も受け取るものではないため、不明点が多くありますよね。

お金に関する話は、何となく周りに聞きにくいと感じる人もいるのではないでしょうか。

ここでは、保育士の退職金について、よくある疑問に回答します。

いつ支払われる?

公立保育園の場合、原則退職後1ヶ月以内に申請者が指定する口座へ振り込まれます。

公務員の退職金の支給に関しては、各自治体の条例で定められているため、基本的に遅れることなく確実に振り込まれます。

私立保育園の場合は、運営事業者の規定によりますが、退職手当共済制度に加入している場合は、退職後2~3ヶ月以内に支給されるのが一般的です。

しかし、年度末などの退職者が集中する時期には、支給手続きが遅れる可能性がありますので注意しましょう。

税金はかかる?

退職金には、他の収入と同様、所得税や住民税などの各種税金がかかります。

しかし、勤続年数に応じて設定されている一定の金額までは非課税となり、源泉徴収前の退職金が控除額を下回る場合は、支払う税金は0です。

退職金は、「長年の功労に報いるもの」という位置付けで設定されているため、他の税よりも優遇されているのが特徴です。

退職所得控除は、勤務年数によって変動し、勤続20年未満は40万円×勤務年数、勤続20年以上は800万円+70万円(勤続年数-20年)で計算ができます。

参照:退職金を受け取ったとき(国税庁)

パートや非正規でも退職金はもらえる?

保育士の退職金は、正社員が対象となっている場合が多いため、パートや非正規社員は受け取れない可能性が高いです。

ただし、各運営事業者の就業規則にて別途規定されている場合はその限りではありません。

運営事業者によっては、パートや非正規社員でも寸志程度の退職金が出るケースがありますが、退職金は必ず支給しなければならないものではないため、受け取れないと思っておいた方が無難です。



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