保育士として働く中で、施設によっては「いじめ」があると聞いて不安を感じたことはありませんか?
実際、保育の現場では子どもや保護者とだけでなく、保育士同士の人間関係のトラブルが起こることもあります。
本記事では「保育士のいじめ問題」をテーマに、実際のいじめの体験談から実態や原因、対象になりやすいタイプ、対処法、そして安心して働ける保育施設に出会うための転職サイトまで詳しく解説します。
- 保育業界の中でのいじめはある
- いじめが起こる背景には保育士の劣悪な労働環境が原因のひとつ
- いじめられやすい人には特徴がある
- もしいじめられたときは抱え込まないで然るべき機関に相談を

保育士として働く人が少しでも安心できるよう、現場の声と具体的な対処法をまとめました。働く環境は選べます。一人で悩まず、ぜひ本記事を参考にして情報を力に変えてくださいね。


ちあき
認可保育園で勤務後退職して留学。その後は英語の幼稚園で働く。結婚を機に派遣保育士に転身し、さまざまな園で経験を積む。保育士歴は通算7年ほど。
子どもが重度アレルギー児になったことでライターに転身した2児の母。
保育士のいじめは本当にある?
環境の良い職場で働いている人からすると「保育士の世界にいじめなんてあるの?」と思う人もいるかもしれませんが、現実には存在します。
先輩後輩の立場の差、保育観の違い、忙しさによる心の余裕のなさが原因となり、職場の人間関係がギクシャクするケースは少なくありません。
ときには無視や陰口、過剰な指導など、いじめと感じられる行為に発展することもあるのです。
保育士は子どもや保護者と向き合う仕事ですが、職場の人間関係のストレスが強ければ長く続けるのは難しいでしょう。
保育の現場で起きた保育士のいじめ体験談
保育の現場では、子どもや保護者との関わりだけでなく、保育士同士の人間関係が大きなストレス要因になることがあります。
中には「いじめ」と感じざるを得ないような理不尽な対応に苦しむケースも少なくありません。
本章では、実際に寄せられた体験談を紹介し、背景や受け止め方について考えていきます。
先輩保育士からの無視と差別



保育士1年目だった頃のことです。
とても気分屋な先輩保育士がいて、常に何かに怒っており、少しのことでも敏感に反応していました。
仕事の効率が悪かった私はその人に嫌われていたようで、挨拶をしても私だけ明らかに無視されるのに、数分後に入った先輩保育士や園長にはにこやかに挨拶をしていました。
まるで私の存在そのものを無視されているようでした。
さらに、私が声をかけても冷たい返事か無視なのに、他の先輩が私に声をかけると、普段呼ばないあだ名で私を呼び、笑顔で会話に入ってくるなど、露骨に態度を変えられました。
こうした対応が続き、その先輩に合わないよう早めに出勤していました。
無視や差別は、いじめを受けている人に強い孤独感や無力感を与えます。
私自身も似た経験があり、すぐ怒る先輩保育士がいたのでなるべく顔を会わせないように意識しながら保育を行い、消耗していた時期がありました。
理不尽な態度は新人保育士の自信や信頼を奪い、成長意欲を削いでしまう典型的ないじめの形です。
園長がターゲットを決めていじめる



初めて行った公立保育園の園長は、職員間でも部下をいじめる事で有名で、その時々でターゲットを決める人でした。
次第に新人の私に矛先が向き、はじめは「先生ははつらつとしていて素敵やわ」と言っていたのが、廊下で会っただけで「アンタのその笑顔がこわいわ」と言われるようになり、何をしても怒られるようになりました。
クラスだよりを書いても毎回、前回と違う箇所を直されて終わりませんし、機嫌の悪いタイミングで提出してしまうと「人の気持ち考えたことないの?」と叱責され、委縮してただただ謝る日々でした。
次第に園長のターゲットが別の人に向いて私へのいじめは終わりましたが、その後何事もなかったかのように「私たち仲良しよね」と笑顔で言う園長に呆れました。
権力を持つ園長からのいじめは、特に精神的負担が大きいものです。
ターゲットを次々と変える行為は職員全体を萎縮させて、健全な労働環境ではなかっただろうと考えられます。
上記の状況では、良い保育を行おうとする気持ちさえ失われてしまいます。
権力のある立場の人の言葉や態度がどれほど影響力を持つか、改めて考えさせられる体験談でした。
お局保育士による新人保育士いじめ



保育士1年目だった頃、クラスにお局の非常勤保育士がいました。
その方は1年目に嫌がらせをすることで有名で、同じクラスになった私はその対象となりました。
「使えないね」「また◯◯やってるよ」と嫌味を言われることが多く、ある日分からないことがあって質問した際には「教えない」と冷たく突き放されました。
仕方なく他の先輩保育士に同じ質問をしたところ、「学校で何を学んできたのかね」と子どもに聞こえるように私を批判していました。
新人として必死に学びたい気持ちを踏みにじられ、強い屈辱感と無力感を覚えました。
当時は早く辞めたい気持ちでいっぱいでした。
新人いじめはたびたび「指導」と称されがちですが、行き過ぎれば立派ないじめです。
特に、質問に答えず突き放す態度は、新人保育士の学びたい気持ちを奪う先輩保育士として恥ずかしい行為です。
施設にいる子どもたちに聞こえる批判は、新人保育士が居場所をなくし孤立するきっかけにもなります。
新人保育士を育てるより追い詰めてしまう現場の空気は、改善されるべき大きな課題です。
保育士の世界でいじめが起こる理由
なぜ保育士の職場でいじめが起きてしまうのでしょうか。
背景には、業務の忙しさや職場の人間関係、ストレスや慢性的な人手不足による労働環境の厳しさがあります。
ときには「指導」が過剰な言動となり、いじめにつながることも少なくありません。
本章では、保育士の現場でいじめが発生する代表的な理由を整理して解説します。
忙しくて心に余裕がなくなっている
子ども一人ひとりに寄り添う責任感が強い保育士は、日々の業務で時間に追われがちです。
さらに慢性的な人手不足が重なり、休憩も十分に取れず、心に余裕がなくなることも少なくありません。
結果、小さな言動が気に障ったり、保育観のズレにイライラしたり、無視や攻撃的な態度につながる場合があります。
心理的ストレスが積み重なることで、いじめが起こりやすい土壌を作ってしまうのです。
同じメンバーで閉鎖的な環境
保育施設は会社と比較すると小規模な組織が多く、毎日同じメンバーで働きます。
閉鎖的な環境は信頼関係を深める一方で、人間関係が悪化すると逃げ場がなくなります。
陰口や派閥が生まれると、孤立する職員が出てしまうことも少なくありません。
視野を広げる機会が少ないため、固定された人間関係がトラブルの温床となるケースが多いのです。



私は正社員保育士が5人しかいない小さな施設で働いたことがありますが、人間関係が悪化するたびに職場全体が息苦しい環境になっていました。
指導のつもりで行き過ぎてしまう
新人指導や後輩育成の場面で「指導」と「いじめ」の境界線が曖昧になるケースがあります。
しっかりした良い保育士に育てたい気持ちが強すぎて、過剰な叱責や否定的な言葉が続くと、受け手は精神的に追い詰められ、いじめられていると感じてしまいます。
最初は愛から始まった指導が、新人や後輩が思うように成長しなかったり、自分に意見をすることに対して苛立ちに変化してしまう場合も保育士間のいじめでよく聞く話です。
労働環境が劣悪
慢性的な長時間労働や低賃金といった保育士を取り巻く厳しい労働環境も、いじめを助長する要因のひとつです。
人間は体力的にも精神的にも限界に近い状態が続くと、ちょっとしたことで感情が爆発しやすくなります。
いじめの現状を紐解くと、最終的には待遇や労働環境への不満が形を変えて立場の弱い人間への攻撃となって現れることもあります。
保育士の労働環境が根本的に改善されなければ、保育施設で働く職員が安心して働ける環境づくりは難しいでしょう。


いじめの対象になりやすいタイプは?
保育士の世界でいじめが発生する時、ターゲットにされやすい人には共通点があります。
もちろん誰もが被害者になり得ますが、性格や立場によって狙われやすさが増すこともあるので注意が必要です。
本章でいじめの対象になりやすいタイプをチェックし、当てはまっていたらできる範囲で工夫し防衛していきましょう。
真面目で責任感が強い
意外にもいじめのターゲットになりやすいのが、真面目で責任感が強い人です。
「完璧にやらなければ」「先輩や主任からの期待に応えたい」という意識から、過剰な業務を頼まれても、周囲に弱みを見せず頑張ってやりきろうとする傾向があります。
そのため、周囲からは「何を言っても受け止めてくれる」と思われやすく、過剰な要求や厳しい指摘の対象になりがちです。
おとなしく控えめ
おとなしい性格の人は、自己主張をあまりしないため周囲から軽く見られてしまいがちです。
意見を出さないことで「仕事に消極的」と誤解され孤立してしまうケースや、控えめなために「何を頼んでも断れないだろう」と過剰な業務を頼まれるケースもあります。
何か思い当たることがあっても発言につながりにくいので、結果としていじめの標的にされやすい立場になってしまうのです。
空気を読みすぎる
周囲の雰囲気に合わせすぎる人も要注意です。
A保育士と一緒にいるときはAの意見、B保育士と一緒にいるときはBの意見に合わせるなど相手に合わせた行動をしているうちに、周りから「矛盾している人」「うそつき」というレッテルを貼られるケースもあります。
また、自分の意見を持たない人と見られることもあります。
自信がなさそうに見える
仕事に慣れていなかったり、自分の意見に自信が持てない様子を見せると、強い立場の人から軽視されやすくなります。
特に経験豊富な先輩保育士の中には、そうした態度を弱みと捉えて必要以上に厳しく接する人もいるため、いじめにつながることがあります。
考えたくはないですが、中には「いじめるターゲット」を探している人もいるので、注意しましょう。
新人・若手
新人や若手の保育士は、まだ職場に馴染んでいないことからターゲットになりやすい存在です。
仕事を覚える過程で失敗が多いことも重なり、過剰に叱責されるケースもあるでしょう。
また「学びになるから」「これも経験」という言葉で過剰な業務を押し付けられるケースも聞きます。
経験が浅いこと自体が弱みとなり、いじめにつながってしまう場合があるので注意してくださいね。
保育士いじめが起きた場合の対処法5つ
いじめの被害に遭ったとき、「我慢するしかない」と思ってしまう保育士さんも少なくありません。
しかし、適切な対処を取ることで状況を改善できる場合があります。
本章では、保育士いじめが起きた際に実践できる具体的な対処法を5つ紹介します。
無理をせず、自分の心と体を守ることを第一に考えましょうね。
嫌な時ははっきり断る
職場のいじめの始まりは「ちょっとした頼まれごと」や「理不尽な押し付け」から始まることも多いです。
何でも相手に従い続けると、次第にエスカレートしてしまう恐れがあります。
できないことやルールから逸脱していることなどには、勇気を出して「それはできません」「困ります」とはっきり伝えることが大切です。
毅然とした態度を見せることで、相手に「この人は簡単には従わない」と認識させられる可能性があります。
日記や録音などいじめの証拠を取る
もし職場でいじめを受けた場合、悲しいことに主任や園長に口頭で訴えても「証拠がない」と取り合ってくれないケースがあります。
発言やいじめの内容を日記や記録として残したり、可能であれば録音するなどいじめの証拠を残しましょう。
いじめられている内容を振り返ることはつらいですが、具体的な日時・内容を示せることは、相談をするときに非常に有効な武器になるうえに、後に別の機関へ相談する際にも役立ちます。
信頼できる人へ相談する
いじめられていることを一人で抱え込むと精神的に追い詰められ、悪い方に考えてしまいがちです。
園長や信頼できる保育士、または身近な友人や家族に打ち明けて相談するとよいでしょう。
話すことは自分の状況を客観的に整理する手助けにもなり、ひとりで悩んでいるときよりも気持ちが軽くなることもあります。
相談したことで、アドバイスをもらったり、次に取るべき行動が自然と見えてくることもありますよ。
外部の専門機関に相談する
もし園内でいじめの相談が難しい場合は、外部の専門機関に相談することも検討しましょう。
例えば、労働基準監督署や労働相談窓口、保育士支援センターなどは、いじめや労働環境の悩みに対応しています。
匿名での相談も可能なケースが多く、中には電話相談に対応しているサービスもありますよ。
第三者に相談することで、自分の置かれている状況を冷静に判断してもらえるのが大きなメリットです。
転職する
どうしても状況が改善せず、心も体にも影響が出ているなら、限界を迎える前に転職をするのも選択肢のひとつです。
いじめが横行している職場に長く身を置くことは、自分を傷つけ続けることにつながります。
保育士の転職市場は比較的活発で、たくさんの求人の中には条件の良い職場やあなたの強みを活かせる環境も数多く存在します。
思い切って働く場を変えることで、心から安心して働ける職場に出会えるでしょう。
いじめのない職場へ…おすすめの転職サイト3選
「いじめに悩んで転職を考えたいけれど、どのサイトを使えばいいの?」と迷う保育士さんは多いものです。
転職サイトによって求人数やサポート体制、エリアの強みが異なります。
ここでは、保育士が安心して利用できるおすすめの転職サイトを3つ紹介します。
職場環境の改善を目指す第一歩として、信頼できるサービスを選びましょう。
保育士ワーカー


運営会社 | 株式会社トライトキャリア |
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求人数 | 29,665件(2025年8月25日時点) |
対応エリア | 全国 |
雇用形態 | 正社員、アルバイト・パート |
公式サイト | https://hoikushi-worker.com/ |
全国規模に展開していて、求人数が豊富な大手転職サイトです。
専任のキャリアアドバイザーがつき、園の内部事情や人間関係についても可能な範囲で教えてくれるため、いじめの少ない職場を探したい保育士さんに向いています。
また、保育園や幼稚園以外にも認定子ども園や院内保育所、学童施設などのさまざまな施設形態の求人を取り揃えているので、「いじめで疲れたから、ちょっと保育園で働くのはお休みしたい」という気持ちにも寄り添ってくれます。


マイナビ保育士


運営会社 | 株式会社マイナビ |
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求人数 | 20,505件(2025年8月25日時点) |
対応エリア | 全国 |
雇用形態 | 正社員、契約社員、パート・アルバイト |
公式サイト | https://hoiku.mynavi.jp/ |
大手人材会社マイナビが運営する保育士専門サイトで、保育施設から児童発達支援センターやプリスクールなどの幅広い保育士求人の取り扱いがあります。
保育士からの異業種への転職もサポートしていて、保育業界からまったく違う世界に挑戦したい人に特に向いています。
また、アプリもあるので通勤時間にスマホで少しずつ転職の準備を進めたい人にとって便利です。
保育のニュースから職務経歴書の書き方、日々の保育に役に立つ製作や遊びのヒントなども学べますよ。


保育エイド


運営会社 | 株式会社サクシード |
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求人数 | 会員のみに公開 |
対応エリア | 会員のみに公開 |
雇用形態 | 会員のみに公開 |
公式サイト | https://www.hoiku-aid.jp/ |
登録しないと求人数や対応エリアがわからないのが難点ですが、「いじめ」「パワハラ」「モラハラ」にNoを掲げ、保育士がストレスフリーで働ける保育園を紹介するのが特徴です。
大手にはない、女性アドバイザーが利用者一人ひとりに寄り添い、丁寧なヒアリングを行ってくれ、きめ細やかなサポートが期待できます。
園の人間関係や雰囲気を重視した求人紹介に力を入れているため、安心して働ける職場を探すのに適しています。


まとめ
保育士の世界でいじめは残念ながら存在しますが、対処法を知り、必要なら環境を変えることも可能です。
自分を守るために行動することは決して甘えではありません。
信頼できる転職サイトを活用すれば、人間関係に悩まされずに働ける職場へ近づけますよ。
ひとりで抱え込まないで、一歩を踏み出し安心して保育に専念できる環境を選び取っていきましょう。
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