保育士の仕事では、どんなに誠実に向き合っていても保護者からクレームを受けることがあります。
クレームは保育者と保護者の認識のズレや、誤解がきっかけになることも多く、事前の対策や適切な対応が重要です。
ここでは、保育士に生じるよくあるクレームの事例と対応のポイントを紹介します。
- クレームは保護者の期待と不安のズレが原因
- 日々の丁寧な関わり方でクレームを未然に防ぐことが可能
- よりよい保育園への転職でストレスのない職場が見つかるチャンス

どんなに気をつけていても、保護者からクレームをいただくことがあります。
ですが、クレームは見方を変えれば「よりよい保育の提供」につなげるヒントにもなります。
クレームをうまく活かして、保護者との信頼関係を深めたり、保育の質を向上させたりできるといいですね!


Takako 元保育士ライター
保育士歴7年、現在は男女2児の母をしています。保育現場で培った経験や知識を活かし、悩んだり困ったりしている保育士の方、保育士を目指している方の力になれるような記事を心がけています。
保育士へのクレームはなぜ起こる?
クレームは保育士と保護者の認識の違いや、情報伝達不足が主な原因で起こります。
大切な子どもを預けている保護者は、小さな認識のズレや情報伝達不足にも不安を感じてしまうことがあり、それがクレームにつながることがあります。
ここでは、クレームが起こる背景と予防策を紹介しているので、参考にしてください。
保護者からの期待や不安
保護者が子どもを預ける際には、「安全に楽しく過ごしてほしい」という「期待」を持っています。
その一方で、「怪我なく楽しめているのか」といった「不安」も抱えています。
保護者の不安や期待が強いほど、伝え方や対応のわずかなズレが不満やクレームにつながりやすくなるでしょう。
その結果、些細なことでも過剰に心配したり、保育士の対応に敏感に反応したりすることがあります。
子どもが保育園で楽しく過ごせている様子を具体的に伝えること、笑顔や丁寧な言葉づかいなどが信頼感を生み、保護者は安心感を抱きやすくなります。
保育士自身の問題
保育士自身の問題は、個人の対応やスキルに関するものが多くあります。
報告や連絡が不十分なこと、対応の一貫性がないことやスキル不足などが、保護者に不安を与える原因となります。
これらの対応の積み重ねは、保護者との信頼関係の低下を招き、結果としてクレームやトラブルにつながることがあるでしょう。
些細なことでも保護者に連絡をし、園やクラスのルールを明確にして園内で一貫性を持って対応すること、日々の保育や研修を通してスキルアップをすることが重要です。
対応に困った際は無理をせず、上司やクラスリーダーと相談し対応をしていくと適切に進めやすくなります。
保育園の運営や環境の問題
保育園の運営や環境の問題は、保護者の不安や不満につながりやすく、それがクレームとして表れることがあります。
例えば、人員不足だと保育士が一人ひとりに十分に関わる時間がとれず、保護者は「ちゃんと見てもらえない」と感じます。
また、職員間での情報共有や方針・対応の統一ができていないと、「園の対応が不安定」だと感じ、クレームにつながりやすくなるでしょう。
職員間で情報を共有し、対応の方針やルールを統一するよう心がけることが大切です。
安全面で気づいた点は早めに報告し、改善につなげることで、トラブルやクレームの予防になります。


保育士へのよくあるクレームの種類
保育士へのクレームは、子どもたちに関するものから、保育園の運営に関するもの、保育士の対応など幅広くあります。
保護者は大切な子どもを預けているからこそ、些細なことにも敏感になりやすいのです。
ここでは、現場でよくみられるクレームの種類とその対策について紹介します。
保育士の対応に関するもの
保育士の対応に関するクレームは、報告や連絡の不足、子どもへの配慮不足、対応スキルの未熟さなどが原因で発生することが多いです。
保護者は、子どもの園での様子や成長を知りたいと考えています。
そのため、些細な情報不足や対応のズレは、不安を感じやすくなるでしょう。
その結果、保育士の対応に対して不満や疑問が生まれ、クレームにつながります。
日々の観察や保護者への丁寧な報告、スキル向上が信頼関係の維持に重要です。
送迎に関するもの
送迎時の保育士の対応も、クレームにつながる原因のひとつです。
送迎時に子どもを受け渡す際、保育士の挨拶や対応が雑だと保護者は不信感を抱きます。
時間帯によっては担任以外の職員が対応にあたる場合もありますが、怪我の有無や連絡事項など職員間で子どもの情報共有がしっかりされていないと保護者は不安を感じるでしょう。
送迎時の短い時間ですが、保護者と直接関わる重要な場面でもあります。
保育士の丁寧な対応が保護者との信頼関係を育む鍵です。
保育園のイベントや行事に関するもの
保育園のイベントや行事に関するクレームは、保護者の期待や要望が十分に満たされないときに発生しやすいです。
例えば、「プログラムがわかりにくい」「準備や説明が不十分」などといったことが挙げられます。
その他にも、三脚の使用など撮影や見学のルールが曖昧だと、トラブルに繋がることもあります。
ルールを明確にし、事前に保護者に丁寧に説明することで安心して、イベントや行事に参加してもらいやすくなるでしょう。
騒音に関するもの
保育園での騒音に関するクレームは、主に周囲の住民や保護者から寄せられます。
子どもたちの遊び声や歌声、行事での音楽、戸外での活動の際の音などが原因となり、クレームが発生します。
保育士は、防音対策として活動時間帯の配慮・活動内容の工夫・近隣住民や保護者への事前説明を行い、理解をしてもらうことが大切です。
歌や掛け声の大きさを調整する、同時に遊ぶ人数を制限し、音量を分散させるなど関わり方や遊び方を工夫することで、騒音対策をしつつ楽しく遊ぶこともできるでしょう。
理不尽なクレーム
理不尽なクレームとは、保育士や園の対応に問題がないにもかかわらず、保護者の過剰な期待や誤解、感情的な反応によって生じます。
具体例としては、以下のようなケースがあります。
- 発表会で自分の子が主役じゃないから、配役を変更してほしいと言ってきた
- 虫に刺されないように気をつけてほしいと言われた
- 特定の保育士を指名して「つきっきりで担当してほしい」と言われた
- 保育士の声かけや指導方法が保護者の好みに合わないとして批判された
このような理不尽なクレームに対しては、できる範囲内で受け入れ、適切な対応や説明で理解を得ることが重要です。
【理不尽クレームもよくある?】実際に保育士が体験したクレーム事例を紹介
保育現場では、理不尽に感じられるクレームに直面することも少なくありません。
保護者の不安や過剰な要望からくるクレームは、個人的な好みや保護者同士のトラブルによって生じる場合もあります。
ここでは、実際に保育士が体験したクレーム事例と、その背景や具体的な対処法を紹介しています。
男性保育士への理不尽な一言
保育士2年目の頃、男性保育士として認可保育園に勤務していました。
朝や夕方の時間帯は、子どもの人数と職員の人数の関係から、複数クラスを合同で保育することがありました。ある日、私が0歳児のオムツ交換をしている最中に保護者がお迎えに来ました。
いつも通り「おかえりなさい」と挨拶したところ、保護者は別の女性保育士を呼び、「男性保育士にオムツを替えさせないでほしい」と伝えてきました。
性別だけを理由に一方的に拒否される理不尽さに戸惑いと悲しみを覚えました。
なおゆきさん(ほいポケ編集部独自アンケートより)
この方は男性保育士として、日々子どもたちと誠実に向き合いながらも、保護者からの信頼を得にくい現実に直面しています。
保護者の不安も理解できますが、同じ専門性を持ちながら信頼を得られない現実には大きな壁があります。
こうした経験は、保育現場における性別への偏見や課題を改めて考えさせられるのではないでしょうか。



誰もが安心して子どもを預けられるためには性別ではなく、保育士としての専門性や人柄で評価される環境づくりが必要不可欠ですね。
保護者同士の喧嘩がクラス編成に影響



私が保育園で働いていた時のことです。
こども園だったため、各学年でクラスがいくつかありました。
理由は分かりませんが、ある日仲がよかった保護者同士にトラブルが起こり、子ども園側に「〇〇ちゃんのお家と喧嘩したから、同じクラスにしないでほしい」と言われました。
園としては子どもたちの性格や、発達の差を考慮してクラス編成を行なっていたので、対応に困ってしまいました。
この経験から、保護者の理不尽な要求に直面する難しさを実感しました。
このような場合まずは、保護者の言い分に耳を傾け気持ちを受け止めつつも、「対応は難しい」といった旨を説明しましょう。
クラス編成をする際に考慮している点も合わせて説明すると、保護者も納得しやすくなります。
曖昧な表現を避け、園の方針を丁寧に伝えることが、保護者に理解をしてもらうためのコツです。
保護者からのクレームを未然に防ぐために心がけること3つ
クレームの多くは、子どもへの不安や心配といった「子どもを思う気持ちの強さ」からきています。
日々の丁寧な対応や関わり方を通して、保護者との信頼関係を築くことで未然に防ぐことも可能です。
ここでは、クレームを未然に防ぐために心がけること3つに絞って紹介していきます。
挨拶など日々のコミュニケーションを丁寧に行う
保護者からのクレームを未然に防ぐためには、日々の丁寧なコミュニケーションは欠かせません。
挨拶や笑顔、短い時間の会話も大切にし、信頼関係を築きましょう。
その積み重ねが保護者の安心感や信頼関係につながります。
信頼関係が築けると、ちょっとした不安や疑問も気軽に相談してもらいやすくなり、誤解や不満が大きくなる前に解決できることもあります。



保護者が「何でも話せる」と感じられる雰囲気づくりが、トラブルの芽を減らしますよ。
情報共有をこまめに、分かりやすく行う
こまめでわかりやすい情報共有も、クレームを未然に防ぐためには効果的です。
子どもの様子や体調の変化、怪我の有無、状況説明などをその日のうちにしっかりと伝えることで保護者は安心します。
また、良い出来事や成長のエピソードを合わせて伝えると、信頼関係がより深まり不安や誤解を防ぐ大切な土台になります。
緊張してうまく言えない場合は、メモを活用したり、クラスリーダーに相談して話すことをまとめるのも有効です。
保護者の声に耳を傾け、対応する姿勢を見せる
言葉だけでなく、表情や態度からも「寄り添う気持ち」が伝わるよう意識することが大切です。
保育士自身が負担にならない範囲で構わないので、丁寧に関わることを意識すると保護者は信頼を感じやすくなりますよ。
ちょっとした声かけや相手の話に耳を傾ける姿勢を続けることが、安心して子どもを預けてもらえる環境づくりにつながるでしょう。
こちらが丁寧に関わることで、保護者も園の姿勢を理解してくれるようになります。
クレーム対応に疲れた…そんなときは転職も検討してみて
どれだけ丁寧に対応しても園の方針や体制によってクレームが絶えない場合があります。
繰り返される対応に疲れ、自分だけが努力しても改善が難しいと感じることもあるでしょう。
そんなときは、無理に我慢せず転職を検討し、ストレスの少ない環境で働くことも一つの選択肢です。
転職は、自分の理想に合った保育園を見つけるきっかけになるかもしれません。
保育士ワーカー


運営会社 | 株式会社トライトキャリア |
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求人数 | 非公開 |
対応エリア | 全国 |
雇用形態 | 正社員・アルバイト・パート |
公式サイト | https://hoikushi-worker.com/#topSearch |
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マイナビ保育士


運営会社 | 株式会社マイナビ |
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求人数 | 15,000件以上 |
対応エリア | 全国 |
雇用形態 | 正社員・契約社員・非常勤・パート |
公式サイト | https://hoiku.mynavi.jp/ |
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運営会社 | 株式会社エス・エム・エス |
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求人数 | 35,949件(8月19日現在) |
対応エリア | 全国 |
雇用形態 | 正社員・契約社員・パート・アルバイト |
公式サイト | https://hoiku.jinzaibank.com/ |
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忙しい方でも無理なく転職活動が進められるため、安心して次のステップに挑戦できるでしょう。


まとめ
保育士へのクレームは、保護者の不安や期待のズレが原因で生じることが多く、誰にでも起こり得ます。
その場合は、感情的にならず、冷静に対応することが大切です。
クレーム対応に疲れてしまうこともありますが、1人で悩まずに先輩保育士に相談しながら、クレームを前向きに捉え、改善のヒントに活かしてよりよい保育に繋げていきましょう!
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