年齢を重ねると「もう転職は難しいのでは?」「ブランクがあるけど復職できる?」と保育士に戻ることへの不安を抱く方も多いでしょう。
しかし、50代の保育士を歓迎する求人は実際に存在し、これまでの経験で培った力や人柄を評価する園も増えています。
この記事では、50代保育士の求人事情と、転職や復職を成功させるためのヒントを紹介します。
年齢にとらわれず、前向きな一歩を踏み出す参考にしてください。
- 50代で保育士に復職・転職をするなら長年培ってきた経験と、人柄を強みに変える
- 50代保育士が転職を成功させるためには、前向きな姿勢と学び続ける意欲を示すことが成功の鍵
- 実務を学びながら保育士資格を目指すことで、無理のない形で保育士としてのキャリアをスタートできる
- 豊かな経験からくる信頼感や落ち着きが強みで、保護者・子ども・若手職員から頼られる存在として現場で大きな価値を発揮できる

50代からの復職や転職は勇気がいりますよね。
ですが、経験と包容力は子どもや保護者、職場に安心感を与える強みで、若手にはない魅力です。
ぜひ本記事を読んで、転職・復職の参考にしてくださいね!


Takako 元保育士ライター
保育士歴7年、現在は男女2児の母をしています。保育現場で培った経験や知識を活かし、悩んだり困ったりしている保育士の方、保育士を目指している方の力になれるような記事を心がけています。
50代の保育士の求人事情-年収や働き方はどうなっている?
50代保育士の求人では、ブランクOKや扶養内勤務可能な保育園も多くありました。
実際に掲載されている求人内容をもとに、50代で応募可能な求人の一例をピックアップしてみましたので、ぜひ参考にしてください。
- 正社員:月給24万5,000円~28万円+各種手当、小規模、ICT化
- パート:高時給1,500円、ブランクOK、昇給あり、社会保障完備
- 派遣:時給1,450円〜1,600円、交通費支給、即日勤務
上記の正社員のケースの場合、年収は約288万円(賞与は別途支給)ほどになり、安定した給料に各種手当が充実しており、長く安心して働きたい方に向いています。
パート求人では高時給に加えて昇給制度や社会保険完備といった待遇が整っており、ブランクのある方や家庭と両立しながら働きたい方にもぴったりです。
派遣の場合は、時給1,450円〜1,600円と高めの水準で、交通費も支給されるため、しっかりとした収入を求める方に適しています。
50代保育士が転職・復職を成功させるためのヒント
50代で保育士として転職・復職を考える方は、これまでの経験を活かせる一方で、年齢やブランクに不安を感じることもあるでしょう。
ですが、視点を変えれば、人生経験や人間力は大きな強みです
ここでは、50代保育士が自信を持って一歩を踏み出すためのヒントを紹介します。
「経験」を強みにする
50代の保育士が転職や復職を成功させるためには、これまでの「経験」を最大限に活かすことがカギです。
長年の実務経験や子育て経験は、若手保育士にはない大きな強みとなり、保護者にとっても大きな安心感や信頼感につながります。
保護者対応や職員間の連携、柔軟な判断力など、年齢を重ねたからこそ備わった力があるので、応募時にはこれまでの保育観や実績を具体的に伝えていきましょう。
最新の保育知識・制度をアップデート
保育現場では、保育指針の改定(2017年)やICT導入、保育士の処遇改善など制度や環境が日々進化しています。
50代での転職や復職を目指す場合、最新の保育知識や制度を把握しておくことは大きなアピールポイントになります。
自治体の研修やオンライン講座を活用して、ブランクがあっても前向きに学ぶ姿勢を示すことで、現場への適応力や意欲をアピールできるでしょう。
前向きな姿勢を見せることで、採用への後押しとなります。
コミュニケーション力をアピール
保育士にとってコミュニケーション力は欠かせないスキルです。
50代の経験豊富な保育士なら、子どもだけでなく保護者や同僚との円滑な関係構築が強みになります。
また、臨機応変に対応しながらも冷静に周囲と連携できることを伝えるなど、応募書類や面接では、困難な状況での対話やチームでの協力経験を具体的に伝えましょう。
相手の気持ちを理解し、柔軟に対応できる力は、どの職場でも高く評価されるポイントです。
働き方の希望を柔軟に伝える
転職や復職の際は、自分の働き方の希望を率直に伝えることが大切です。
50代の保育士は体力面や家庭の事情も変わるため、時短勤務やシフトの調整、休暇取得の希望など柔軟な働き方を相談してみてください。
無理なく働ける環境を最初に共有することで、双方にとって良い条件が見つかりやすくなるだけでなく、採用側からも前向きに受け止められます。
働きやすさを確保することで、長期的に活躍しやすくなります。
園側も長く続けられる人材を求めているため、信頼感が高まるでしょう。
転職支援サービスや自治体の復職支援を活用
50代での転職や復職には、不安や迷いがつきものです。
そんなときは、保育士専門の転職支援サービスや自治体の復職支援制度を積極的に活用しましょう。
求人紹介だけでなく、履歴書の書き方や面接対策、研修の情報提供など、実践的なサポートを受けることができます。
自分ひとりで抱え込まず、プロの力を借りることで、希望に合った働き方を見つけやすくなります。
情報を上手に活用することが成功の第一歩です。
50代保育士が転職活動する際の実践ポイント
50代の保育士が転職を考える際は、これまでの経験を強みにしつつ、自身の体力やライフスタイルに合った職場選びが重要です。
年齢による不安を感じるかもしれませんが、実は求められる場面も多くあります。
ここでは、50代保育士が転職を成功させるための実践的なポイントを紹介します。
履歴書・職務経歴書
保育経験を中心に、これまでの職務内容や担当した業務を具体的に記載しましょう。
ブランク期間がある場合でも、再就職に向けた準備や学びの姿勢を示すことが大切で、資格取得や研修参加、自己学習の内容を盛り込むことで、意欲や成長意識をアピールできます。
また、地域活動や介護、ボランティアなどの経験がある場合は、人間関係やコミュニケーション力、責任感を示す材料になります。
これにより、ブランクがあっても社会的に積極的に関わってきたことが伝わり、採用担当者の印象が良くなるので、誠実に現在の状況を伝え、前向きな姿勢を示しましょう。
面接対策
面接では「年齢の壁」を感じさせない前向きな姿勢が重要です。
長年の経験を自信に変え、柔軟で意欲的に働けることを伝えると効果的です。
チームでの協調性やコミュニケーション力を強調し、職場の一員としてスムーズに馴染めることをアピールすることで、ポジティブな態度と誠実さが好印象を与え、採用につながりやすくなるでしょう。
また、明るい表情と丁寧な言葉遣いで、礼儀正しく振る舞うことも大切です。
協調性のある人柄が伝わり、職場での信頼感を高めるポイントになり、採用担当者の信頼を得やすくなります。
求人選び
50代の保育士が転職を考える際は、年齢不問やブランク歓迎の園を中心に求人を探すことがポイントです。
小規模保育園や企業主導型保育園は、人数が少なくアットホームな環境で働きやすいだけでなく、残業が少なく時短勤務が可能な職場も多く、体力面の負担を抑えながら長く働ける環境が整っています。
地元で安定した勤務を希望する場合、地域密着型の求人もチェックしてみましょう。
自分に合った条件を重視して選びましょう。
資格・研修
保育士資格は一度取得すれば原則として一生有効です。
ただし、ブランク期間や復職先によっては、復職前研修や実務経験の確認などが求められることがありますので、事前に勤務先の園に確認しておくと安心です。
各自治体や職場によっては、潜在保育士向けの復職支援研修や相談窓口が用意されている場合があるので、うまく活用しながら最新の保育事情を把握しておきましょう。
保育士は、積極的な学びの姿勢が大切です。
キャリアアップのための研修やオンライン講座も積極的に受講すると、最新の保育知識や技術を身につけることで、現場復帰への自信が高まり、採用側からの評価もアップしやすくなりますよ。
自己PR例文
50代で保育士の転職をする際に書く自己PR文を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
約30年の保育経験で、子どもや保護者と信頼関係を築いてきました。
冷静な判断力と柔軟性を活かし、チーム協力や後輩指導にも積極的に取り組んでいて、新しい環境でも経験を活かして貢献したいです。
経験と協調性をバランス良く伝えていて、経験を生かした前向きな姿勢が印象に残るようにしました。
ブランク中も研修や資格更新で最新知識を学び続けており、ICT活用にも対応でき、効率的な保育を目指します。
体力面に配慮しつつ、丁寧な保育を心がけています。
ブランクをカバーする学びと意欲を強調することで、現場で即戦力として活躍できることを表現しています。
人生経験を活かし、保護者対応や職場の調整役を得意としています。
体調管理に努め、無理なく長く働ける環境を重視しており、積極的なコミュニケーションで安心できる職場作りに貢献します。
周囲との調和を大切にしながら働ける人物像をイメージしてもらえるよう、信頼感と丁寧な関わりを重視する姿勢を言葉にしました。
未経験者が50代から新人保育士として働くには?
50代から保育士として働き始めることは、決して遅くありません。
未経験であっても「子どもが好き」「社会に貢献したい」という思いがあれば、保育の現場で活躍することは十分可能です。
体力や環境への不安があっても、無理のない働き方や職場選びがポイントになります。
無資格の保育補助として働く
未経験で50代から保育士を目指す場合、まずは無資格の保育補助スタッフとして働く方法があります。
保育補助は保育士のサポート役として、子どもの見守りや環境整備などを担当し、現場の雰囲気や業務を学べる貴重な機会です。
働きながら保育士資格取得を目指す人も多く、実務経験を積みつつ資格勉強を進められるため、ステップアップしやすい道としておすすめです。
保育士試験を受験する
保育士として働くには、国家資格である保育士試験の合格が必要不可欠になります。
試験は筆記試験と実技試験で構成され、保育の専門知識や技術が問われます。
独学だけでなく、通信講座や専門学校での対策も非常に効果的で、過去問題や模擬試験を活用し、計画的に準備を進めることが合格のポイントです。
資格取得後は、保育現場でのキャリアをスタートしてくださいね。
【元保育士からのアドバイス】50代保育士だからこそ活きる強みとは?
年齢を重ねたからこそ備わる強みが、保育現場では大きな価値になります。
積み重ねてきた経験による落ち着きや包容力、信頼を築く力、コミュニケーション力など、若手にはない魅力がたくさんあります。
ここでは、50代保育士ならではの活かせる力について、元保育士の視点からお伝えします。
保護者との信頼関係構築力
50代の保育士は、長年の経験から保護者の気持ちや相談に寄り添う力が非常に高いのが強みであり、子育て世代の悩みに理解が深く、丁寧なコミュニケーションで保護者に安らぎと信頼感を与えてくれます。
また、経験に裏打ちされた知識と落ち着いた対応力、安心感を感じる言葉使いが非常に大きな武器になります。
信頼関係を築くことで、保護者と連携した保育が実現し、子どもたちの健やかな成長を支えられる重要な役割を担っています。
子どもの発達を長期的に見守る視点
50代の保育士は、豊富な経験から子どもの発達を長期的に見守る視点を持っています。
子どもの発達における多様性を理解し、一人ひとりの個性に合わせた関わり方ができるだけでなく、急な変化だけで判断せず、時間をかけて成長を支える視点は、豊かな経験により培った強みです。
長期間の関わりを通じて、子どもの成長を丁寧にサポートし、保護者とも連携しながら健やかな発達を促す重要な役割を果たしています。
落ち着いた対応力と危機管理能力
50代の保育士は、これまでの経験からトラブルや緊急時にも冷静に対応できる力を備えています。
子どもの体調不良やケガ、保護者対応など、予期せぬ場面でも落ち着いて判断し行動できるのは大きな強みです。
状況を的確に捉え、まわりと連携しながら安全を守る姿勢は、現場の安心感につながり、年齢を重ねたからこそ備わった危機管理力は、保育の現場で高く評価されます。
若手職員のメンター的存在になれる
50代の保育士は、長年の実務経験と人間関係の中で培った知識や対応力を活かし、若手職員の良き相談相手・メンターとしても活躍できます。
メンターは、単に業務を教えるだけでなく、気持ちに寄り添いながら励ましたり、困ったときに相談に乗ったりする「心の支え」でもあります。
50代の保育士は、これまでの豊富な経験から、若手がつまずきやすい場面や悩みを理解しやすく、的確な助言や温かいサポートができるため、まさに理想的なメンターになれる存在です。
50代保育士の本音-体力の問題や辞めたいと思ったことは?
50代で保育士として働いていると、体力の低下や仕事のハードさに戸惑うこともあります。
若い頃とは違う疲れ方や、不安を感じる場面に直面することもあり、「もう辞めたい」と思う瞬間があっても不思議ではありません。
それだけ、保育の現場は体力勝負なのです。
ここでは、50代保育士たちが感じている本音をみていきましょう。
子どもへの思いが支える、保育士という仕事の本質
50代の方にとっても、保育士の仕事は体力的にも精神的にも大変だと感じているようです。
私が保育の短大で保育園に実習に行った時
50代保育士さん「この仕事はお給料も少ないし体力もいるし正直シンドイけど。続けられるのはやっぱ、子どもが好きだからかなぁ」 言われていて私はそこに【真】を見て気がつきました
引用元:X
- 抱っこやおんぶの連続
- 行事や製作準備での残業や立ち仕事
- 外遊びの付き添い・全力で一緒に遊ぶ
- 重たいものを運ぶ、中腰の姿勢が続く
このように、保育士は至る所で体力を必要とします。
身体的にきつくても、多くの保育士が長く働き続けられるのは、「子どもが好き」「子どもの笑顔がみたい」という純粋な気持ちがあるからです。
子ども達の日々の成長や笑顔に触れることで、やりがいや喜びを実感できるのがこの仕事の魅力といえます。
子どもへの深い思いこそが、保育士として働き続ける原動力となっているのでしょう。
保育の現場で見えた責任の重さと向き合う
子どもたちの笑顔に癒される一方で、クラス担任としての重責に不安を感じる保育士も少なくありません。
出勤2日目です。 楽しくて仕方なくて出勤してますよ
子供達もかわいすぎて♡ て言いたいとこだけど、もう辞めたいわ
2歳児クラス担当になったんだけど、責任と合わない、たぶん、きっと絶対… 1年間は無理よ
引用元:X
- 書類や行事の準備など業務量の多さにプレッシャーを感じる
- 子どもや保護者からの期待に応えられるかプレッシャーを感じる
- 担任としての責任感から「失敗できない」と思い込んでしまう
- 子ども一人ひとりの発達や性格に合わせた関わりができるか不安
- トラブルやケガが起きたときに適切に対応できるか心配
保育の仕事には楽しさと同時に大きな責任が伴うことを痛感し、理想と現実のギャップに葛藤することがありますよね。
保育の仕事は楽しいだけではなく、子どもの命を預かる重圧や、保護者・職員との関係構築など多くの壁があるのも事実です。
ですが、その壁とどう向き合うかが、成長と継続のカギになります。
体力も心も試されるけど、笑顔で変わる毎日
保育士になってみると、予想以上に体力とメンタルの両方が試されることに気づきます。
50代で保育士になってみたら、予想以上に、体力とメンタルを試されてる 笑っても動いてみたら世界が変わったのも事実
引用元:X
今日も頑張りすぎず仕事行ってきます
- 泣き止まない子どもを長時間あやし続けるとき
- 人手不足で休憩が取れず、気を張ったまま1日が終わるとき
- 保護者対応でプレッシャーを感じたり、言葉を選び続けるとき
- 業務時間外に書類や行事準備が重なり、休む暇がないとき
- 自分の不調を後回しにして頑張り続けてしまうとき
- 職員間の関係に気を遣い、気軽に相談できない状況のとき
想像以上に体力とメンタルが必要とされる保育現場は、ときに厳しい試練となることがあるでしょう。
しかし、子どもたちの純粋な笑顔や成長に触れることで、日々の疲れも吹き飛び、前向きな気持ちが湧いてきますよね。
無理をせず、できる範囲で頑張ることで、毎日が新鮮で充実したものになっていますよ。
焦らず自分のペースで続けることが、心身のバランスを保つ秘訣です。
まとめ
50代でも保育士としての転職・復職は十分可能で、その長年の経験や周囲の人に安心感を与える人柄を求める園も多く、年齢を強みに変えることができます。
50代での転職・復職は求人の選び方や支援制度の活用、柔軟な働き方の検討が成功のカギです。
自分らしい保育を続けるためにも、焦らず一歩ずつ前に進んでいってくださいね。
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