働きやすい保育園の見分け方は、転職や就職を考える保育士にとって重要なテーマですよね。
求人票やホームページだけでは職場の実態が見えにくく、実際に働いてみないとわからないことも多いものです。
そこで今回は、元保育士の経験を活かし、面接や見学の際に必ず確認しておきたい12のポイントを詳しく解説します。
人間関係や労働環境、保育方針など、自分に合った働きやすい保育園の見分け方についてお伝えしますので、園選びの参考にしてくださいね。
- 人間関係や残業の有無、人員配置など労働環境は働きやすさを左右する
- 施設環境の確認は、保育のしやすさや心のゆとりにつながる
- 求人票やホームページの情報は深掘りして、明確に確認しておくことが大事
- 園の保育理念や保育内容を確認することは、自分に合った保育園か見極めるポイントになる
- 自分に合った保育園の見分け方のコツは、自分の価値観や働き方に合った職場環境かどうかを見極めること

今回は「働きやすい保育園の見分け方」について深掘りします!
この記事を参考に転職前のチェックポイント、見学・面接時に聞くべきことを押さえておくと安心ですよ。


Takako 元保育士ライター
保育士歴7年、現在は男女2児の母をしています。保育現場で培った経験や知識を活かし、悩んだり困ったりしている保育士の方、保育士を目指している方の力になれるような記事を心がけています。
働きやすい保育園の見分け方【労働環境】
保育士として楽しく、長く働くためには職場の労働環境はとても重要になります。
過酷な労働環境やストレスの溜まる職場は、心身の健康を害してしまう可能性が高くなり、離職という選択を選ばざるを得ないという状況になりかねません。
ここでは、職場の人間関係をはじめとした働きやすい労働環境について解説していますので、園選びの参考にしてくださいね。
人間関係・職場の雰囲気
人間関係や職場の雰囲気は、働きやすさを左右する大きな要素の一つです。
職員の表情(笑顔があり活き活きとしているか)、声をかけあったり連携しながら保育を行っているのかなどを観察するのも、見分けるポイントです。
また、子どもへの声かけが丁寧かどうかも、職場の余裕や雰囲気を知るヒントになります。
意見が言いやすい環境、困ったときに相談しやすいなど、風通しのよい園では職員が長く続けやすい傾向があります。
職場選びでは人間関係の“空気感”にも注目しましょう。
残業・持ち帰り仕事の有無
日々の業務が多忙な中で、終業後まで仕事が続くようでは心身の負担が大きくなってしまいます。
働きやすい保育園は、業務分担が適切にされており、書類作成や製作準備などの時間が就業時間内に確保されている傾向にあります。
勤務時間内に仕事を終えられるよう配慮されているか、残業が発生した際の手当はあるのかなども確認しておくと安心です。
持ち帰り仕事が常態化していないかどうかは、職員への聞き取りや見学時の質問で把握できるので積極的に質問しましょう。
人員配置の余裕
働きやすさを求める上で、人員配置や職員の人数なども重要なポイントです。
クラス担任を持っていないフリーの保育士や、非常勤などの補助スタッフが配置されている園では、急な欠勤にも柔軟に対応でき、業務の分担もしやすくなり保育を円滑に進めやすくなります。
職員が無理なく働ける体制が整っていると、子ども一人ひとりに丁寧に関わる時間も確保され、保育の質も向上します。
職員の配置や休憩の取り方、フリーの保育士や補助スタッフによるサポート体制について確認しましょう。
働きやすい保育園の見分け方【施設環境】
働きやすい保育園を見極める際、「施設環境」は見落とされがちですが、実はとても重要なポイントです。
保育室やトイレの清潔さ、安全性、保育士が休憩や書類作業をできるスペースの有無といった施設環境は日々の保育のしやすさや、心のゆとりにつながります。
子どもにとっての安全だけでなく、保育士自身が安心して働ける環境かどうかをしっかり確認しておきましょう。
設備の清潔さ・安全性
保育設備が清潔で安全に保たれていると、子どもが安心して過ごせるだけでなく、職員にとっての働きやすさにもつながります。
空調や換気設備の状態も確認ポイントのひとつです。
快適な湿度と温度が保たれていれば、職員も快適に過ごせますし、感染症対策にもつながります。
設備にゆとりがあり、整理整頓がされている保育園は、日常的に丁寧な保育を行っている証拠でもあります。
- 床が滑りやすくないか
- 棚や角の部分に安全対策がされているか
- 危険なものは子どもたちの手の届くところにないか
- 日々の掃除が行き届いているか
- トイレや手洗い場、遊具などが定期的に点検・整備されているか
- 室内の温度管理や湿度が適切か
休憩室・作業スペースの有無
保育士の休憩時間の確保がしっかりできるような休憩室の存在も大切です。
また、書類作成や製作準備に集中できる作業スペースがあると、業務の効率が上がり、持ち帰り仕事の削減にもつながります。
職員室と子どもたちの保育スペースが一体化していたり、常に気を張ったまま休憩を取らざるを得ないような環境では、心身に負担がかかりやすくなるので気持ちが休まりません。
快適な職場環境は、長く働き続けるうえでとても大切な要素です。
見学時には、職員がどのように休憩を取っているか、作業はどこで行っているかなど、具体的に質問してみましょう。
通勤アクセス
家から園までのアクセスのしやすさも確認しておきましょう。
通勤がスムーズだと、出勤前のストレスが減り、気持ちに余裕を持つことができます。
始めは通えていても、負担が積み重なると退職理由になることもあるため、自宅から無理なく通える距離かどうか、電車やバスの本数、駐車場や駐輪場が整備されているかなどがポイントです。
朝の混雑や天候の影響も考慮し、継続して通える環境かどうかを見極めると安心です。
働きやすい保育園の見分け方【給与・待遇】
保育士として長く安心して働き続けるためには、給与や賞与、各種手当などの待遇面も重要な判断材料になります。
自分の納得のいく条件で働けるかどうかを事前に確認しておくことが大切です。
表面上の金額や条件だけでなく、賞与の支給実績や昇給の有無、福利厚生の内容、有給の取得しやすさなど、細かい部分にも注目しましょう。
給与・賞与・手当の明確さ
求人票やホームページには「賞与あり」「手当あり」と記載されていることが多いですが、それだけで判断せず、明確に確認しておきましょう。
よくある落とし穴としては、実際には1年目はでない、ほんのわずかだけ支給(数万程度)、賞与の支給条件が厳しい、手当が基本給に含まれているなどがあります。
支給条件や、どのくらい支給されるかなどは園によって違うので、実際の支給実績や内部の制度を確認することが、後悔しない就職先選びにつながります。
- 賞与は基本給の何ヶ月分の支給か
- 賞与は全職員が対象か
- 処遇改善手当やその他の手当の支給方法
- 手当の内訳や支給条件の確認
福利厚生の充実度
福利厚生が整っている園は、職員が安心して長く働ける環境が整っています。
社会保険や育児休暇はもちろん、退職金制度や健康診断、研修費の補助などがあると将来的にも安心して働けます。
また、定期健康診断やインフルエンザ予防接種の補助、研修費の支援なども園によって異なり、園によって内容に差があるため、求人票だけでなく見学時にも具体的に確認しておきましょう。
福利厚生が充実している園は、職員を大切にする意識が高く、長く働きやすい職場である可能性が高い傾向にあります。
有給休暇の取得率
有給休暇は制度としてあっても、実際に取得しやすいかどうかは園によって大きく異なるので確認しておきましょう。
「休みが取りにくい雰囲気」は、働きづらさの原因になることもあり、離職の原因に繋がることもあります。
働きやすい園は有休が計画的に使われていたり、時間休(半休、2時間休など)を利用できたりと柔軟に対応できる体制が整っています。
見学や面接の際には、有給のとりやすさ、職員の有給取得率など、具体的に確認しておくと安心です。
働きやすい保育園の見分け方【保育内容】
働きやすい保育園を見極めるには、園の保育内容にも注目してください。
どれだけ条件がよくても、自分の保育観とかけ離れていたり、日々の業務に違和感があると、モチベーションの低下やストレスの原因になってしまいます。
園の保育理念や子どもへの関わり方、年間行事の量、職員の成長を支える研修体制などを確認し、自分に合った保育ができる環境かどうかを見極めましょう。
保育理念との一致
保育理念とは、その園が大切にしている価値観や保育方針を示しています。
自分の保育観が園の保育理念が合っていないと、日々の業務に違和感を感じたり、働きづらさにつながることもあるので、長く働き続けるためにはとても大切です。
見学時には掲げられている理念が現場の保育に反映されているか、職員がその理念を大切にしている様子が見られるかを確認すると安心です。
理念に共感できる園は、やりがいを持って長く働きやすい職場になります。
年間行事の負担
保育園では季節ごとの行事が多く、準備や練習に追われることがあります。
行事の内容や規模によっては、職員の負担が大きくなり、残業や持ち帰り仕事の原因になることもあるのでしっかり確認しておきましょう。
働きやすい園では、行事を必要以上に詰め込まず、職員同士で協力しながら準備をするなど、無理のない範囲で進められています。
見学時に行事の年間スケジュールを確認し、「準備はどのように分担しているか」「直前の勤務状況はどうか」などを質問してみると、働きやすさの目安になりますよ。
研修・キャリア支援
定期的な研修や学びの機会があることは、保育士として成長していくためには必要不可欠です。
働きやすい園では、外部研修への参加支援や園内での勉強会、学んだことを保育に活かせる環境などサポート体制が充実しています。
また、キャリアアップに向けた制度や相談の機会がある園は、将来の目標に向かって前向きで働きやすい環境といえるでしょう。
見学時には研修の頻度や参加しやすさも確認してみることをおすすめします。
働きやすい保育園の見分け方のコツは?
求人票やホームページだけでは、実際の働きやすさまでは見えません。
働きやすい保育園の見分け方のコツは、園に足を運び、自分が働く姿をイメージしながら細部まで注意深く観察することです。
しっかりとアンテナを張り、職場の雰囲気や設備、職員同士の関係性を見極めましょう。
園見学時に隅々までチェックする
園見学は、実際の雰囲気や働きやすさを見極める貴重な機会です。
職員や子どもの表情、声かけの様子、職員の動き、清掃状況、保育室の安全性など細かいところまで目を配りましょう。
職員用の休憩室や作業スペースがあるか、職員同士の連携や雰囲気の良さなども働きやすい環境である可能性が高いため、確認しておきたいポイントです。
また、気になることがあれば遠慮せず質問をしてください。
質問に丁寧に答えてくれるかどうかも、職場の風通しの良さを判断するポイントになります。
気になることは面接時に具体的に聞いておく
入職後の後の違和感やミスマッチを防ぐためにも、気になることは具体的に質問しておきましょう。
例えば、「残業は少ないですか?」と聞くのではなく、「月平均の残業時間はどのくらいですか?」「持ち帰りの仕事はどの程度ありますか?」と具体的に確認します。
このように具体的に確認することで、より明確にリアルな情報が得られます。
こうした質問に丁寧に答えてくれるかどうかも、職場の透明性や働きやすさを見極める重要なポイントです。
複数の園を比較して検討する
保育園選びでは、一つの園だけで決めず複数を比較することが大切です。
園ごとに雰囲気や労働環境、保育方針、福利厚生などが異なるため、比較することで自分に合った職場が見えてきます。
また、比較することで各園の強みや課題が見えてきて、より具体的に働くイメージが湧きやすくなります。
見学や面接で得た情報を整理し、働きやすさや将来のキャリアを踏まえて、総合的に判断することで、長く安心して働ける職場を選びやすくなります。
焦らずじっくりと比較検討することが、後悔しない転職成功の鍵です。
口コミや評判を確認する
保育園選びでは、実際に働く人や元職員の口コミや評判を参考にすることもポイントです。
求人情報だけではわからない職場の雰囲気や人間関係、残業の実態などリアルな声を知ることで、働きやすさのイメージが具体的になります。
ただし、個人の感じ方に差があるため複数の意見を比較しつつ、あくまで判断材料のひとつとして活用しましょう。
働きやすい保育園の見分け方-元保育士がアドバイス
長く楽しく働き続けるためには、園の保育理念と自分の保育理念が合うか、労働環境や職場の人間関係を見極めることが非常に重要です。
保育理念が合っていないと、日々の保育で「自分のやりたい保育ができない」「子どもへの関わり方に違和感がある」といったストレスが生じやすくなります。
また、職員同士の連携がうまくいっていない、風通しの悪いといった労働環境では、心身に負担がかかり、モチベーションの低下につながりかねません。
少しでも疑問に感じたことは、積極的に具体的に質問しましょう。
自分の価値観と園の方針、そして働く環境のバランスがとれてこそ、やりがいを感じながら保育士として長く活躍することができるのです。
- 残業や持ち帰り仕事の実態
- 有給休暇の取得状況
- 賞与や手当の支給実績
- 職員の人数と配置
- キャリア支援や研修の体制
働きやすい保育園を探すなら転職サイトを利用しよう
働きやすい保育園を見つけるためには、転職サイトの活用も非常に有効です。
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保育のお仕事


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まとめ
働きやすい保育園か見分けるためには、労働環境や給与・待遇、施設の清潔さや安全性、そして保育内容の相性を総合的に確認することが重要です。
求人情報やホームページだけを信じるのではなく、情報収集を通じて、自分に合った職場を見極めることが、長く快適に働き続けるポイントです。
今回紹介した、働きやすい保育園の見分け方のポイントを押さえて、長く安心して働ける理想の保育園に出会ってくださいね!
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