元園長監修【5歳児・6月】月案/週案の文例（ねらい・子どもの姿・養護・教育・ふりかえりの書き方）

梅雨を迎える6月、雨の音や季節の自然に触れる中で、子どもたちは元気に過ごしています。
友達と協力する楽しさを感じながら、梅雨ならではの遊びや発見を楽しみましょう。
それでは5歳6月の月案文例を解説していきます。

最初に月案作成のポイントをご紹介します。
ただ、いち早く例文をご確認したいという方は「こちらのリンク」を押してください。

元園長が教える月案・週案の重要ポイント

大前提、月案を作る上でどんなことが重要なのか？

実際に保育士さんたちの数々の月案をチェックしてきた元園長先生に、重要ポイントを伺いました。

この3つが、年齢・時期関わりなく月案を作成する上で意識してほしい点です。

要するに、「保育園での活動を通して、子どもたちにどんな姿になってもらいたいのか」を考えると良いということですね。

5歳児・6月の月案のポイント

次に、「5歳児・6月」ならではの月案のポイントを紹介します。

梅雨入りし、季節の変わり目を感じられる時期です。梅雨の自然の事象に興味・関心を持ちながら、様々な経験ができるといいですね。

また、年長児に進級して2カ月が経ちクラスにも慣れ、生活にも気持ちにもゆとりが出てくる頃です。自ら見通しを持ち、考えて行動する姿を、応援していきましょう。

それではここから、具体的な月案の例文をまとめていきます。

《 STEP1》 前月の子どもの姿を思い出す

• 年長児クラスでの生活に慣れ、気の合う友だちとやり取りを喜びながら伸び伸びと過ごしている。
• GW明け、多くの子ども達が体調を崩すことや疲れている様子もなく、元気に登園していた。
• 野菜の苗を植え、様子を見に行ったり世話をするなど、生長を楽しみにしている。
• 過ごしやすい気候の中、異年齢の子ども達とも一緒に、戸外で春の自然に触れたり、体を思い切り動かしてよく遊んでいた。

《 STEP2》 今月のねらいを決める

養護のねらい

• 梅雨時期の衛生面に気をつけながら、元気に過ごす
• 保育者や友だちとの関わりを深め、安心して気持ちを伝え合いながら生活する
• 歯の健康の大切さを知る

教育（5領域に対応）のねらい

• 友だちと一緒に戸外遊びを伸び伸びと楽しむ
• 夏野菜の世話を通して、生長や収穫を楽しみにする
• 梅雨の自然に興味を持ち、触れたり観察したり調べたりする

養護のねらい①の具体的な月案

ねらい

梅雨時期の衛生面に気をつけながら、元気に過ごす

養護・内容

• 梅雨の時期の衛生面に気をつけ、手洗い・うがいを丁寧に行う。（生命の保持）
• 汗をかいたら着替えたり、体を拭いたりするなど、快適になれる行動を自ら行う。（生命の保持）

養護・予想される子どもの姿

• 梅雨のジメジメした気候により、体調を崩しやすくなる。
• 身の回りを清潔に保つ為に、着替えや手洗い・うがいを自らすすんで行う。

養護・環境構成/保育者の配慮

• 保育環境を清潔に保てるよう、掃除や消毒をこまめに行い、家庭と連携して子どもの健康状態もしっかり把握しておく。
• 空調を利用して室温や湿度の調節を行い、快適な環境に整える。
• 身の回りを清潔に保つ為に子ども自身が自ら行動する姿を、大いに褒め、認める声かけをする。

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養護のねらい②の具体的な月案

ねらい

保育者や友だちとの関わりを深め、安心して気持ちを伝え合いながら生活する

養護・内容

• 保育者や友だちに自分の気持ちを受け入れてもらい、安心する。（情緒の安定）
• 相手の気持ちを受け入れたり寄り添うことで、仲が深まることを知る。（情緒の安定）

養護・予想される子どもの姿

• 自分の思いを素直に伝えたり、相手の思いを受け入れながら、やり取りを楽しむ。
• なかなか自己を発揮できない子どもも、特定の保育者や気の合う友だちには正直な思いを伝えられることがある。

養護・環境構成/保育者の配慮

• 保育者が子どもの思いに向き合い、共感する姿勢を見せることで、いつでも安心して話せる雰囲気を作る。
• 友だち同士で思いを伝え合う機会を大切にし、場面に応じて言葉を補いながら優しく見守る。

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養護のねらい③の具体的な月案

ねらい

歯の健康の大切さを知る

養護・内容

• 歯を健康に保つことの大切さが分かり、歯磨きを丁寧に行う。（生命の保持）

養護・予想される子どもの姿

• 歯科検診の受診や歯の健康の話しを聞き、自分の歯を大切にしようという気持ちになる。
• 早く済ませたいという気持ちや面倒な気持ちから、歯磨きがおろそかになる。

養護・環境構成/保育者の配慮

• 歯の健康の大切さや虫歯についての絵本や紙芝居を一緒に読む。
• 実際に歯ブラシを持ちながら、正しい歯磨きの仕方を分かりやすく丁寧に説明する。
• 歯磨きのイラストや装飾を壁に掲示したり、「上手に磨けたね」「スッキリして気持ちがいいね」などの声かけをし、意欲的に取り組めるような雰囲気づくりをする。

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教育のねらい①の具体的な月案

ねらい

友だちと一緒に戸外遊びを伸び伸びと楽しむ

教育・内容

• 気の合う友だちやグループとの集団遊びを楽しむ。（人間関係・言葉・表現）

教育・予想される子どもの姿

• 友だちを誘い合い、鬼ごっこ・色鬼などルールのある遊びや、ままごと・砂遊びなどを楽しむ。

教育・環境構成/保育者の配慮

• 戸外遊びの時間を十分にとり、子ども達が満足いくまで遊びこめるようにする。
• ルールのある遊びでのトラブルの際は、子ども同士で解決できるよう、必要に応じた声かけや仲立ち・援助を見極めながら行う。

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教育のねらい②の具体的な月案

ねらい

夏野菜の世話を通して、生長や収穫を楽しみにする

教育・内容

• 夏野菜の当番活動を通して、役割を守ることの大切さを知る。（環境・表現）
• 夏野菜の世話をしながら、喜びや楽しさを味わい、期待感を持つ。（環境・表現）

教育・予想される子どもの姿

• 夏野菜の当番を任されることを喜び、意欲的に世話をする。
• 植物の日々の変化に驚きながら、生長や収穫を楽しみに待つ。

教育・環境構成/保育者の配慮

• 当番の活動を通して、子ども達が意欲的に責任感を持って取り組む姿を育んでいけるようにする。
• 子ども達と水やりや草取りなどの世話を行い、一緒に観察しながら、植物の変化に気づく機会を作る。

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教育のねらい③の具体的な月案

ねらい

梅雨の自然に興味を持ち、触れたり観察したり調べたりする

教育・内容

• 梅雨時期特有の天気や自然現象に興味を持ち、特徴に気づく。（環境・表現）
• 自然に触れながら感じたことを言葉にして伝え合う。（人間関係・言葉・環境・表現）

教育・予想される子どもの姿

• 雨の日に戸外へ出たり散歩に出かけ、梅雨の天気の中で感じたことや疑問に思ったことを言葉にする。
• 梅雨時期の動植物に興味を持ち、調べたり飼育したりする。

教育・環境構成/保育者の配慮

• 雨の日に戸外へ出たり散歩に出かける為のレインコートや長靴を、家庭から準備してもらうようお願いする。
• 図鑑や絵本を準備し、気になることや疑問に思うことをいつでも調べられるようにするなど、探求心が満たされる環境を作る。
• 子どもが気づいたことや驚きの気持ちを、素直に表現する姿を大いに認める。

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行事・遊び・食育・職員との連携・家族や地域との連携・自己評価の月案例

今月の行事

• 歯科検診
• 歯の健康週間
• プール開き
• ファミリーデー（父の日）
• 時の記念日
• 夏至
• 誕生会
• 身体測定
• 避難訓練

今月の遊び

• 泥んこ遊び
• 雨天での遊び
• 散歩
• 運動遊び
• リズム遊び
• ファミリーデー（父の日）の製作
• 時の記念日の製作
• 虫歯予防の製作
• 6月の歌「にじのむこうに」「あめのゆうえんち」「むしばけんせつかぶしきがいしゃ」
• 6月の手遊び「ねずみのはみがき」「三ツ矢サイダー」
• 絵本・紙芝居「かさどろぼう」「すてきなあまやどり」

食育

• 野菜の特徴や栽培方法に興味を持ち、図鑑などで調べたり考えたりする。
• 食べ物を大切にする気持ちを持つ。

職員との連携

• 梅雨時期の感染症の予防や健康管理について、職員間で話し合い対策を考えておく。
• 夏野菜について、育成方法や子どもの役割分担などについて話し合い、共通の認識で取り組めるようにしておく。

家庭や地域との連携

• 進級からこれまでの子どもの日々の様子を伝え、成長を喜び合うと共に、不安や疑問には丁寧に答え、引き続き信頼関係を築いていけるようにする。
• 水・プール遊びに必要な物を伝え、準備してもらうようお願いする。
• お泊り保育の案内を配布し、目を通してもらうよう声を掛ける。

自己評価

• 歯の健康の大切さについて、子ども達と改めて振り返り確認する機会を作ったことで、普段の歯磨きや虫歯予防に対する意識を高められたようだった。
• 梅雨時期の特徴を伝えると子ども達が理解し、自ら手洗い・うがいなど、衛生面に気をつけながら生活することができていた。
• 夏野菜の世話を当番制にしたことで、皆が興味・関心を持ち、取り組むことができた。
• 様々な活動を通して子ども同士の繋がりも深まってきている。引き続き、子ども同士のやり取りを大切にしながら、介入し過ぎないよう気をつけ、見守っていきたい。

まとめ

梅雨時期の気候の特徴を子ども達が理解しながら、着替えや手洗い・うがいなど、衛生的で健康に過ごすために子ども自身ができることを、自発的に行えるような働きかけができたでしょうか。

また、歯の衛生週間や夏野菜のお世話など様々な体験によって、子ども達にどんな影響や学びがあったかについても、振り返ってみましょう。

6月・ほかの年齢の月案

5歳・ほかの月の月案