元園長監修【5歳児・7月】月案/週案の文例(ねらい・子どもの姿・養護・教育・ふりかえりの書き方)


暑さが厳しくなる7月、子どもたちは元気いっぱいに夏の遊びを楽しむ時期です。水遊びや戸外遊びを通して、夏ならではの発見をしながら快適に過ごしましょう。それでは5歳7月の月案文例を解説していきます。

この記事の監修者

Aki 園長歴6年

保育士歴18年、園長歴6年。これまで多くのカリキュラム添削や、保育士さんたちの悩みに寄り添ってきました。この記事では園長として多くの月案・週案をチェックしてきた経験を活かし、 効率よく質が高い月案・週案を仕上げられるようサポートします。

最初に月案作成のポイントをご紹介します。
ただ、いち早く例文をご確認したいという方は「こちらのリンク」を押してください。

目次

元園長が教える月案・週案の重要ポイント

大前提、月案を作る上でどんなことが重要なのか?

実際に保育士さんたちの数々の月案をチェックしてきた元園長先生に、重要ポイントを伺いました。

意識してほしいポイント
  • 年間カリキュラムに基づく計画を立てる
  • まずは「前月の子どもの姿」から考え始める
  • 「今月のねらい」と「具体的な内容」は連動して考える

この3つが、年齢・時期関わりなく月案を作成する上で意識してほしい点です。

要するに、「保育園での活動を通して、子どもたちにどんな姿になってもらいたいのか」を考えると良いということですね。

5歳児・7月の月案のポイント

次に、「5歳児・7月」ならではの月案のポイントを紹介します。

5歳児・7月の月案を考える上でのポイント
  • 熱中症を予防しながら暑い季節を快適に過ごす為に、自分のペースで水分補給や休憩をとることができるよう配慮する。
  • 決まりを守りながら安全に楽しく水遊びができるよう、水遊びの危険性を理解し、約束する機会を作る。
  • 夏の行事や活動に、子ども達が主体的に参加して楽しめるような工夫や環境作りを行う。

7月は、七夕やプール遊び、お泊り保育、夏祭りに向けての準備など、5歳児の子ども達にとって楽しい行事が盛りだくさんです。

子ども達の気持ちや興味に寄り添いながら、行事をより楽しめるよう工夫を凝らし、意欲を引き出す環境づくりを意識しましょう。保育者も子ども達と一緒に、行事や活動の一つ一つを大切に取り組んでいきたいですね。

それではここから、具体的な月案の例文をまとめていきます。

STEP1》 前月の子どもの姿を思い出す

  • 虫歯予防デーをきっかけに自分の歯を大切にしようという意識が高まり、歯磨きを丁寧に行っていた。
  • 雨の日が続き室内での活動が多かったが、異年齢児や他クラスの保育者とも交流を深めながら、広いホールでのびのびと体を動かしよく遊んでいた。
  • 夏野菜の世話を当番制で行い、水やりなどの世話をしながら生長を喜んでいた。
  • 梅雨時期の自然に親しみ、友だちと一緒に触れたり観察したり調べたりして楽しんでいた。

STEP2》 今月のねらいを決める

養護のねらい

教育(5領域に対応)のねらい

養護のねらい①の具体的な月案

ねらい

体調や気温・活動に合わせて必要な水分補給や休息をとり、健やかに過ごす

養護・内容

  • 暑い夏の過ごし方が分かり、必要な水分補給を自分でとる。(生命の保持)
  • 疲れたら休息をとり、疲れを溜めず健やかに過ごす。(生命の保持・情緒の安定)

養護・予想される子どもの姿

  • 夏の水分補給の大切さが分かり、喉が渇いたり暑いと感じた時に自ら水分補給を行う。
  • 日陰や風通しの良い涼しい場所でを探し、移動したり腰かけたりして休息をとる。

養護・環境構成/保育者の配慮

  • 水筒を常に近い場所に置き、自分のタイミングで自由に水分補給ができるようにする。一人一人の体調に目を配りながら、水分補給ができているかを確認する。
  • 暑さの中で遊ぶ時は、日陰や涼しい場所で休息をとりながら遊ぶよう、声かけや配慮を行う。

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養護のねらい②の具体的な月案

ねらい

お泊り保育を意識し、身の回りのことを意欲的に行う

養護・内容

  • 自分のことを意欲的に行い、自信を持って生活する。(生命の保持・情緒の安定)

養護・予想される子どもの姿

  • お泊り保育に参加する嬉しさから、すすんで身の回りのことを行おうとする。
  • 次の行動に見通しを立てて、自分からやってみる。

養護・環境構成/保育者の配慮

  • 一人一人の意欲的な姿を認めながら、ほめたり励ましたりして自信へと繋げていく。
  • 子どもが見通しを立てやすいよう、一日の大まかな流れを事前に伝えておく。
  • 自分の荷物の管理や整頓、着替えがしやすいよう、個々の荷物回りのスペースを広めに設定する。

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教育のねらい①の具体的な月案

ねらい

水遊びの危険性を理解し、ルールを守りながら楽しく遊ぶ

教育・内容

  • 水遊びの危険性を知る機会を持ち、安全に気をつけようという気持ちを持つ。(健康・環境)
  • プール遊びでのルールを守りながら、楽しく遊ぶ。(人間関係・健康)

教育・予想される子どもの姿

  • 水遊びの危険性を知り、約束を守りながら気をつけて遊ぼうとする。
  • 友だちと一緒に水の感触や気持ち良さを味わいながら、思い切りプール遊びを楽しむ。

教育・環境構成/保育者の配慮

  • プール開始前に水の危険性についてクイズ形式で出題したり、絵で提示するなどして、子どもたちが安全について自分で考えていけるようにする。
  • 子ども達が水の様々な遊びを考え、発展させて楽しめるよう、様々な道具や廃材(ペットボトル・カップなど)を準備しておく。

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教育のねらい②の具体的な月案

ねらい

友だちと意見を出し合い協力し、楽しみながら行事の準備を進める

教育・内容

  • 自分の思いを話し、友だちの意見も受け入れる。(人間関係・言葉・表現)
  • 一つの目標に向かって友だちと協力し合うことに、喜びや楽しさを感じる。(人間関係・表現)

教育・予想される子どもの姿

  • 自分の主張をするだけでなく、相手の声にも耳を傾ける姿勢を示す。
  • 友だちと一緒に工夫しながら、行事の準備物の製作に取り組む。

教育・環境構成/保育者の配慮

  • 一人一人が自分なりに友だちとやり取りしながら活動する姿を認め、応援し、楽しめるような声を掛けていく。
  • トラブルが起きたり、子ども同士の意見が平行線の時は、保育者の援助が必要な場面かどうかをしっかり見極めながら、アドバイスや仲立ちを行う。

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教育のねらい③の具体的な月案

ねらい

経験したことや好きな思い出を描いたり作ったりして表現する

教育・内容

  • 経験したことを話したり、絵や製作物で表現して楽しむ。(言葉・環境・表現)
  • 様々な素材や道具を使い、自由に表現することを楽しむ。(環境・表現)

育・予想される子どもの姿

  • 楽しかったことや心に残っている場面について、思い出しながら保育者や友だちに話す。
  • 製作活動に気分が乗らない子どももいる。

教育・環境構成/保育者の配慮

  • 子どもの声によく耳を傾けて反応し、子どもが自分から話したくなるような雰囲気作りをする。
  • 製作活動に気持ちが乗らない時は、無理して取り組まなくても良いことを伝え、時間をおいてから「先生と一緒にやってみる?」と声を掛けたり、日を改めて再び誘ってみたりし、様子をみる。

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教育のねらい④の具体的な月案

ねらい

お泊り保育に期待感を持ち、楽しく参加する

教育・内容

  • お泊り保育に保育者や友だちと一緒に楽しく参加する。(人間関係・環境)

育・予想される子どもの姿

  • お泊り保育でしかできない様々な体験に、ワクワクした気持ちで意欲的に参加する。
  • 保護者と離れることを不安に思う子どももいる。

教育・環境構成/保育者の配慮

  • お泊り保育でしかできない夏の楽しい活動を考え、子ども達と心待ちにしながら一緒に準備を進めていく。
  • 不安そうな子どもには保育者が1対1で寄り添い、不安な気持ちに共感しながら一緒に活動することで、少しずつ安心感や自信を持ち、楽しい時間が過ごせるようにする。

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行事・遊び・食育・職員との連携・家族や地域との連携・自己評価の月案例

今月の行事

  • 七夕
  • お泊り保育
  • 海の日
  • 土用の丑の日
  • 誕生会
  • 身体測定
  • 避難訓練

今月の遊び

  • 泥んこ遊び
  • プール遊び
  • 散歩
  • 運動遊び
  • リズム遊び
  • 七夕の製作
  • 海の日の製作
  • 7月の歌「たなばたさま」「うみ」「アイスクリーム」
  • 7月の手遊び「いわしのひらき」「カレーライス」
  • 絵本・紙芝居「ようかいしりとり」「にじいろのさかな」

食育

  • 自分で栽培し収穫した夏野菜を、自分で調理して味わう喜びを感じる。
  • 夏野菜を育ててきた過程を振り返り、食べ物への感謝の気持ちを持つ。

職員との連携

  • プール遊びの準備の仕方や保育者の配置、流れを確認し合い、安全で衛生的に行えるようにする。
  • お泊り保育の準備や打ち合わせをしっかり行い、職員同士で連携して進める。

家庭や地域との連携

  • 送迎時のやり取りを通して密にコミュニケーションを図り、子どもの様子を伝え合う。
  • お泊り保育についての内容を伝え、どこに何を入れてきたかが分かるよう、準備を子どもと一緒に行ってもらうようお願いする。

自己評価

  • 熱中症の予防や疲れを溜めないようにする為、月初めは休息や水分補給を促す声かけを行っていたが、夏の生活に慣れていくと同時に、だんだんと自分のペースで水分補給や休憩をとることができるようになってきた。
  • 安全に楽しく水遊びができるよう、水遊びの危険性を理解し、約束する機会を作った。遊びに夢中になると思わず忘れてしまうようなことがあったので、8月も注意していきたい。
  • お泊り保育を通して、子ども一人一人の成長した姿が見られた。友だちとの関係も、より深まった様子。個々の成長を家庭とも共有し、喜び合うことができた。

まとめ

7月はお泊り保育やプール遊びなど、子ども達が心待ちにしている行事や活動が盛りだくさんでしたね。

子ども達が主体的に参加して楽しめるような、関わりや環境作りができたでしょうか。

振り返りをしながら、8月も、子ども達と一緒に行事や活動の一つ一つを大切に取り組んでいきたいですね。

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この記事を書いた人

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