暑さが増してくる7月、子どもたちは汗をかきながら元気に遊ぶ時期です。水遊びや夏ならではの遊びを楽しみながら、体調に気をつけて過ごしましょう。それでは4歳7月の月案文例を解説していきます。
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Aki 園長歴6年
保育士歴18年、園長歴6年。これまで多くのカリキュラム添削や、保育士さんたちの悩みに寄り添ってきました。この記事では園長として多くの月案・週案をチェックしてきた経験を活かし、 効率よく質が高い月案・週案を仕上げられるようサポートします。
最初に月案作成のポイントをご紹介します。
ただ、いち早く例文をご確認したいという方は「こちらのリンク」を押してください。
元園長が教える月案・週案の重要ポイント
大前提、月案を作る上でどんなことが重要なのか?
実際に保育士さんたちの数々の月案をチェックしてきた元園長先生に、重要ポイントを伺いました。
- 年間カリキュラムに基づく計画を立てる
- まずは「前月の子どもの姿」から考え始める
- 「今月のねらい」と「具体的な内容」は連動して考える
この3つが、年齢・時期関わりなく月案を作成する上で意識してほしい点です。
要するに、「保育園での活動を通して、子どもたちにどんな姿になってもらいたいのか」を考えると良いということですね。
4歳児・7月の月案のポイント
次に、「4歳児・7月」ならではの月案のポイントを紹介します。
- 暑い季節を快適に過ごせるよう、水分補給や休息のタイミングを知り、自ら行えるような配慮を考える。
- 水について深く知る機会を作る。
- 自分で身の回りの後始末をすることで、自信を持って取り組もうとする姿勢や意欲を育てていけるようにする。
- 友だちに親しみを持ち、イメージを共有して遊ぶ経験がたくさん積めるような配慮、活動設定を考える。
水遊び・プール遊びの季節が到来し、子どもたちは期待に胸を膨らませています。その楽しみな気持ちに十分応え、友だちと一緒に楽しんでいけるようにしていきたいですね。
また、熱中症対策や一人一人の体調にも十分配慮し、保育者間でしっかりと連携を取っていきましょう。
それではここから、具体的な月案の例文をまとめていきます。
《 STEP1》 前月の子どもの姿を思い出す
- 梅雨の不快な時期でも、大きく体調を崩すことなく元気に過ごしていた。
- 大型ブロックやマットなどを使い、自分たちで工夫してアスレチックを作り、運動遊びを楽しんでいた。
- 異年齢児との交流では、いつもと違う雰囲気の中で遊びを一緒に楽しみ、新鮮な気分を味わえたようだった。
- 梅雨の生き物・植物・気候に興味を持ち、積極的に触れたり観察したり、調べたりして楽しんでいた。
《 STEP2》 今月のねらいを決める
養護のねらい
教育(5領域に対応)のねらい
養護のねらい①の具体的な月案
ねらい
水分補給や休息をとり、暑い季節を快適で健康に過ごす
養護・内容
- 水分補給のタイミングが自分で分かり、自ら行う。(生命の保持)
- 休息をとりながら、心身共に元気に過ごす。(生命の保持・情緒の安定)
養護・予想される子どもの姿
- 保育者に促され、日陰へ移動したり、座って休憩したりする。
- 保育者の呼びかけ以外の時も、喉が乾いたら自分から水分補給をする。
養護・環境構成/保育者の配慮
- 戸外では、日陰や風通しの良い涼しい場所で遊ぶようにする。
- 暑い夏を元気で過ごす為には休息が必要であることを子ども達に伝え、ゆったりと十分な休息がとれる場所・時間を確保する。
- 子どもがいつでも自由に水分補給ができるよう、活動や場所に合わせて水筒の準備をしておく。
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養護のねらい②の具体的な月案
ねらい
自分の身の回りの後始末を行う
養護・内容
- 水遊びの着替えや後片付けを自ら行い、自信を持つ。(生命の保持・情緒の安定)
- 自分の持ち物は自分で大切に管理する。(生命の保持)
養護・予想される子どもの姿
- 水遊びを楽しみにしながら、意欲的に着替えや準備を行う。
- 自分の持ち物を紛失したり、友だちの物を誤って持ち帰る。
養護・環境構成/保育者の配慮
- 身の回りの後始末まで意欲的に取り組む姿を大いに認め、自信へと繋げていく。
- 自分の持ち物を入れる袋や場所を分かりやすくするよう、かごを個々に準備したり、スペースを区切ったり、マークなどで表示する。
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養護のねらい③の具体的な月案
ねらい
水の危険性について知り、気をつけようとする
養護・内容
- 水の危険性についての話を聞き、安全に気を配ろうとする。(生命の保持)
養護・予想される子どもの姿
- 普段何気なく利用している水についての危険な場面を知り、水遊びの際には注意しようという気持ちになる。
養護・環境構成/保育者の配慮
- 水遊びやプール遊びでの危険について子ども達に分かりやすく説明し、安全に遊ぶ為の約束を一緒に行っていく。
- 保育者自身も、職員間の配置や水遊びの進め方について確認し合い、安全に努める。
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教育のねらい①の具体的な月案
ねらい
水遊び・プール遊びを楽しむ
教育・内容
- 水遊びやプール遊びを通し、水の感触や特性に興味を持つ。(健康・環境)
- 友だちと一緒に水中でたくさん体を動かして遊び、楽しさを共有する。(人間関係・健康・環境・表現)
教育・予想される子どもの姿
- 様々な道具を使って水遊びを楽しみながら、水の不思議さや新たな発見を楽しむ。
- 水中に潜ってにらめっこをしたり、手を繋いで歩いたり、バタ足をしてみるなど、友だちと水中で体を動かしながら楽しさを共有する。
教育・環境構成/保育者の配慮
- お玉ですくう、ジョウロでかける、バケツに汲むなど、様々な水の動きが観察・体験できるいろいろな道具を準備しておく。
- 子どもの気づきに共感した声を掛け、興味・関心を更に広げていく。
- プール遊びが苦手な子どもには、保育者と一緒にプールサイドで友だちの様子を眺めたり、手を繋いだりして、気持ちに寄り添いながら無理なく参加できるよう、配慮する。
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教育のねらい②の具体的な月案
ねらい
夏野菜の生長に興味を持ちながら収穫を楽しむ
教育・内容
- 夏野菜について興味を持ち、気になることを自分で調べたり、変化を観察する。(環境・表現)
- 夏野菜の収穫を喜び、感謝の気持ちを持つ。(環境・表現)
教育・予想される子どもの姿
- 夏野菜の生長について気になることを、図鑑や絵本を使ったり保育者に聞くなどして、自分なりに調べてみる。
- 食べられるくらいに夏野菜が無事生長したことを喜びながら、収穫作業を楽しむ。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 野菜についての図鑑や絵本などを保育室の本棚に用意しておく。
- 収穫を一緒に喜び楽しみながら、食べ物への感謝の気持ちが芽生えるような言葉をかける。
- 給食室と連携し、収穫した野菜が実際に調理され、メニューとして味わって食べる経験ができるようにする。
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教育のねらい③の具体的な月案
ねらい
友だちと気持ちを伝え合いながら工夫して活動する
教育・内容
- 友だちと一緒に工夫しながら夏祭りの準備を楽しむ。(人間関係・言葉・環境)
- 互いの意見に折り合いをつけながら活動を進める。(人間関係・言葉)
教育・予想される子どもの姿
- 自分のやりたいことやイメージを友だちに伝え、活動に取り入れようとする。
- 自分と違う意見があることを知り、受け入れようとする時と、なかなか受け入れられない時がある。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 夏祭りの準備では、夏祭りの出店やおみこしなどについてみんなで話したり、様々な素材や道具を準備しておき、イメージが膨らむようにする。
- 子ども同士のやり取りを大事にしつつ、互いが素直な気持ちを伝い合えるような雰囲気や場面を、保育者が仲立ちとなり作っていく。
- 自分と違った意見があることに対し、受け入れる姿勢を保育者自身が示して見せたり、折り合いをつけることで活動が進む経験が積めるようにする。
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行事・遊び・食育・職員との連携・家族や地域との連携・自己評価の月案例
今月の行事
- 七夕
- 海の日
- 土用の丑の日
- 誕生会
- 身体測定
- 避難訓練
今月の遊び
- 泥んこ遊び
- プール遊び
- 散歩
- 運動遊び
- リズム遊び
- 七夕の製作
- 海の日の製作
- 7月の歌「たなばたさま」「うみ」「かもめのすいへいさん」
- 7月の手遊び「さかながはねて」「そうめんつるつる」
- 絵本・紙芝居「こわめっこしましょ」「なつのおとずれ」
食育
- 自分で収穫した野菜を食べる喜びを感じる。
- 食事中の姿勢に気をつけながら食べる。
職員との連携
- 子ども達の健康チェック・水遊びの可否の確認と共に、プール遊びの際の流れや時間、保育者の配置を保育者同士で確認し合い、安全に行えるようにする。
- 夏祭りに向け、他クラスとも連携しながら準備を進める。
家庭や地域との連携
- 夏祭りについてお知らせを配布し、子ども達の準備の取り組みの様子を伝えたり、保護者の参加も呼び掛けておく。
- 子どもが自分の持ち物を把握できるよう、プール遊びの持ち物の準備を子どもと一緒に行ってもらうようお願いする。
自己評価
- 水分補給や休息のタイミングは活動の合間にとることが多かった。特に水分補給については、自らの喉が渇くタイミングでも自由に行えるような配慮をこれからもしていきたい。
- 水について深く知る機会を作ることにより、プールでの約束事を守ろうとする意識が高くなったように感じられた。
- 夏祭りの準備を通して、友だちと意見が異なり時には揉めることもあったが、折り合いをつけることも学べたようす。イメージを共有しながら取り組み、少しずつ進めているので今後も必要に応じて仲立ちをしながら見守っていきたい。
まとめ
水遊び・プール遊びの季節が到来し、子どもたちは期待に胸を膨らませている中、気持ちに十分応え、友だちと一緒に楽しんでいけるような活動や配慮ができたでしょうか。
また、熱中症対策や一人一人の体調に十分配慮し、保育者間でしっかりと連携を取ることができたかどうかも振り返り、まだまだ厳しい暑さが続く8月の保育にも生かしていきたいですね。。
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