夏の日差しがまぶしい7月、子どもたちは元気いっぱい体を動かして過ごす時期です。水遊びや涼しい遊びを取り入れながら、暑い日も楽しく過ごせるようにしましょう。それでは3歳7月の月案文例を解説していきます。
Aki 園長歴6年
保育士歴18年、園長歴6年。これまで多くのカリキュラム添削や、保育士さんたちの悩みに寄り添ってきました。この記事では園長として多くの月案・週案をチェックしてきた経験を活かし、 効率よく質が高い月案・週案を仕上げられるようサポートします。
最初に月案作成のポイントをご紹介します。
ただ、いち早く例文をご確認したいという方は「こちらのリンク」を押してください。
元園長が教える月案・週案の重要ポイント
大前提、月案を作る上でどんなことが重要なのか？
実際に保育士さんたちの数々の月案をチェックしてきた元園長先生に、重要ポイントを伺いました。
- 年間カリキュラムに基づく計画を立てる
- まずは「前月の子どもの姿」から考え始める
- 「今月のねらい」と「具体的な内容」は連動して考える
この3つが、年齢・時期関わりなく月案を作成する上で意識してほしい点です。
要するに、「保育園での活動を通して、子どもたちにどんな姿になってもらいたいのか」を考えると良いということですね。
3歳児・7月の月案のポイント
次に、「3歳児・7月」ならではの月案のポイントを紹介します。
- 暑い時期を、活動と休息のバランスを取りながら健康に過ごせるよう、1日の流れにゆとりを持たせ、子ども達の様子に合わせて休息の時間を取り入れる。
- おむつが外れ、トイレでの排泄が確立するよう、トイレに誘うタイミングや声の掛け方など、個々への必要な配慮を考える。
- 水遊びなどの、夏ならでは遊びを楽しめる活動を多く取り入れる。
- 友だちとの関わりの中で相手にも気持ちがあることを知る経験が積めるような、保育者の仲立ちの仕方を考える。
子どもが大好きな水遊び・泥んこ遊びが楽しめる季節です。
初めての遊びに戸惑う様子がある時は無理のないよう配慮したり、体調や安全に留意しながら、水に触れる心地よさを十分味わえるようにしていきたいですね。
それではここから、具体的な月案の例文をまとめていきます。
《 STEP1》 前月の子どもの姿を思い出す
- ３歳児クラスでの生活に慣れ、保育者に甘えてみたりと自我が出せるようになってきた。
- 汗をかいて着替えを行った際、洋服の前後や裏返しに気づいたり直したりできるようになった。
- 友だちと同じことをして喜び合う姿が見られる反面、自分の気持ちを上手く伝えられず、ぶつかり合うこともあった。
- 雨の日が続いたが、室内でリズム体操や大型積み木で体を動かす遊びをしたり、紐通しや塗り絵などに集中して取り組んでいた。
《 STEP2》 今月のねらいを決める
養護のねらい
教育（5領域に対応）のねらい
養護のねらい①の具体的な月案
ねらい
暑い時期の特徴を知り、健康に過ごす
養護・内容
- 休息をとりながら元気に過ごす。（生命の保持・情緒の安定）
- 水分補給の大切さを知り、自ら行う。（生命の保持）
養護・予想される子どもの姿
- 疲れや暑さの不快感から機嫌が悪くなったり、だるそうになる。
- 喉が渇いたら自分の水筒の所へ行き、水分補給をする。
養護・環境構成/保育者の配慮
- 夏の水分補給の大切さについて話す機会を設けたり、各自の水筒をいつでも手に取れる場所に置くなどし、子ども達が自発的に水分補給が行えるようにする。
- 冷房を使用する際は外気温との差が大きくなり過ぎないよう注意し、換気も適宜行う。
- 子ども一人一人の体調の変化を見逃さないよう視診を十分行い、活動の合間に休息の時間を入れる。
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養護のねらい②の具体的な月案
ねらい
おむつが外れ、トイレでの排泄が確立する
養護・内容
- 尿意を感じたら、自分からトイレに行き排泄する。（生命の保持）
- トイレでの一連の流れが身につく。（生命の保持）
養護・予想される子どもの姿
- 遊びの途中でトイレに行くことが億劫になり、我慢してしまう。
- トイレに行きたいことを自分から保育者に伝えに来る。
養護・環境構成/保育者の配慮
- 園外でもトイレでの排泄ができるよう、公園のトイレの場所・数・和式か洋式かを事前に確認しておく。
- 遊びの前にトイレに行く時間を設ける。遊びの途中でも自発的にトイレに行く姿を大いにほめる声かけをする。
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養護のねらい③の具体的な月案
ねらい
保育者に自分の気持ちを安心して伝える
養護・内容
- 保育者との信頼関係を深め、自分の気持ちを伝えながら安定した気持ちで過ごす。（情緒の安定）
養護・予想される子どもの姿
- なかなか自分を表現できずにいる。
- 保育者からの声かけや働きかけにより、自分の気持ちを話す。
養護・環境構成/保育者の配慮
- ゆったりとした気持ちで接しながら、子どもが話しやすい雰囲気を作る。
- 気持ちに寄り添ったり、スキンシップを図り、保育者が安心できる存在となれるようにする。
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教育のねらい①の具体的な月案
ねらい
夏ならではの遊びを存分に楽しむ
教育・内容
- 水や泥に触れ、感触を楽しみながら開放的に遊ぶ。（健康・環境・表現）
- 夏の植物や昆虫に興味を持ち、触れ親しむ。（環境・表現）
教育・予想される子どもの姿
- たらいでの水遊びやプール遊び、色水遊びや泥んこ遊びなど、様々な水遊びを楽しみながら、水の感触や面白さを存分に味わう。
- 水や泥が苦手な子どもがいる。
- 身近な植物や生き物に触れたり、持ち帰って観察したりする。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 水が苦手な子どもも無理なく慣れていけるよう、いろいろな水遊びを用意し、楽しめるようにする。
- 子どもが自分で水着の着替えをしやすいよう、個々にかごを用意したり、着替えスペースを広めにとる。
- 夏の身近な生き物や植物に触れる機会を作り、興味を広げていく。植物を持ち帰る袋や、網や虫かごを準備しておく。
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教育のねらい②の具体的な月案
ねらい
友だちとのやり取りを楽しみ、関係が深まる
教育・内容
- 同じ遊びを通して味わえる楽しさを共有し、友達との関わり合いを深める。（人間関係・言葉）
- 自分と違う意見を知り、受け入れようとする。（人間関係・言葉）
教育・予想される子どもの姿
- 子ども同士で誘い合い、言葉でやり取りをしながら一緒に遊ぶことを嬉しいと感じる。
- 関係が深まるにつれ自己主張ができるようになり、意見がぶつかり合うことがある。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 子ども同士のやり取りを大切にして見守る。
- 遊びに入りたいがなかなか入れない様子の子どもには、気持ちに寄り添いながら安心できる言葉をかけ、さり気なく遊びの仲立ちをしていく。
- トラブルの際は安全に留意しながら、必要に応じて双方の気持ちを保育者が代弁して伝え、相手の思いに気づき、考えていけるようにする。
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教育のねらい③の具体的な月案
ねらい
七夕について知り、製作活動を楽しむ
教育・内容
- 七夕の話しを聞きイメージを膨らませる。（環境・言葉・表現）
- 様々な道具を使い、製作活動を楽しむ。（環境・表現）
教育・予想される子どもの姿
- 保育者や友だちと一緒に七夕の準備をしながら、楽しみな気持ちで過ごす。
- ハサミやのりを使うことに慣れず、上手くできなかったり時間がかかったりする。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 七夕について絵本や紙芝居などを用いて楽しく分かりやすく伝え、子ども達の中で笹飾りなどの製作のイメージが湧きやすくなるようにする。
- ハサミの使用は保育者の目が行き届くよう少人数ずつ行い、持ち方や人に渡すときの渡し方を丁寧に伝える。
- 個々のペースや興味に合わせてじっくりと取り組めるよう、活動時間にゆとりを持たせる。
行事・遊び・食育・職員との連携・家族や地域との連携・自己評価の月案例
今月の行事
- 七夕
- 海の日
- 土用の丑の日
- 誕生会
- 身体測定
- 避難訓練
今月の遊び
- 泥んこ遊び
- プール遊び
- 散歩
- 運動遊び
- リズム遊び
- 七夕の製作
- 海の日の製作
- 7月の歌「たなばたさま」「うみ」「とんでったバナナ」
- 7月の手遊び「みずあそび」「かみなりどんがやってきた」
- 絵本・紙芝居「こぐまちゃんのみずあそび」「いちにちおばけ」
食育
- メニューの中の夏野菜に興味を持ち、味わって食べる。
- 箸を使用して食べることに慣れる。
職員との連携
- 毎朝、家庭からの水遊びのチェックを確認し、健康状態と共に職員全体で把握しておく。
- 本格的な暑さの日が増えるので、熱中症予防や症状について改めて確認し合い、対策や配慮を行う。
家庭や地域との連携
- 子どもの朝の体調により、水遊びの有無を各家庭で判断し、カード記入や口頭で毎日伝えてもらうようお願いする。
- 熱中症対策や、園での感染症情報など、子ども達の体調管理に繋がる情報を共有し、暑い夏を健康に過ごせるよう、園と家庭とで共通理解を図る。
自己評価
- 今までは保育者の促しで行っていた水分補給だが、夏の水分補給の大切さを伝えることで、個々のタイミングで自分から飲みに来られるようになってきた。
- プールだけではなく、色水遊びや泥遊びなど、様々な水遊びを取り入れることで、水が苦手な子どもも楽しく安心して遊ぶ姿が見られた。
- 友だちとのトラブルを経験しながらも、関わることが嬉しい、楽しいという気持ちは増していっている様子が伺える。まずは子ども同士で解決できるか見守りながら、必要に応じた仲立ちを行い、相手の気持ちに寄り添うことも伝えていきたい。
まとめ
7月は大好きな水遊び・泥んこ遊びが楽しめる季節、初めての遊びに戸惑う様子の子どもにも気を配りながら、みんなで楽しめるような配慮ができたでしょうか。8月も、体調や安全に留意しながら、水に触れる心地よさを十分味わえるようにしていきたいですね。
また、友だちとの関わりの中で相手にも気持ちがあることを知る、という経験を通して、子ども達にどんな変化があったのか、どんな仲立ちの方法が良かったのかなど、振り返ってみましょう。
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