最初に月案作成のポイントをご紹介します。
ただ、いち早く例文をご確認したいという方は「こちらのリンク」を押してください。
元園長が教える月案・週案の重要ポイント
大前提、月案を作る上でどんなことが重要なのか?
実際に保育士さんたちの数々の月案をチェックしてきた元園長先生に、重要ポイントを伺いました。
- 年間カリキュラムに基づく計画を立てる
- まずは「前月の子どもの姿」から考え始める
- 「今月のねらい」と「具体的な内容」は連動して考える
この3つが、年齢・時期関わりなく月案を作成する上で意識してほしい点です。
要するに、「保育園での活動を通して、子どもたちにどんな姿になってもらいたいのか」を考えると良いということですね。
逆によくあるダメなパターンは、ねらいと内容が連動していないものです。
いったい何のための月案なのか考えられていないと、作り直しとなってしまいます。
0歳児・中月齢・10月の月案のポイント
次に、「0歳児・中月齢・10月」ならではの月案のポイントを紹介します。
- 朝夕と日中の寒暖差が大きく、体調を崩しやすくなるため、健康に過ごせるような配慮を考える。
- つかまり立ちや伝い歩きが十分に楽しめるよう、安全な環境設定をする。
- 保育者と、言葉や触れ合いのやり取りを楽しむ関わりを考える。
- 戸外に出て、自然のものに触れて遊ぶ計画を取り入れる。
10月は寒暖差により体調を崩しやすくなる時期。
一人一人の体調や気候に留意しながら、戸外で秋の自然に触れる活動を取り入れ、楽しんでいきたいですね。
それではここから、具体的な月案の例文をまとめていきます。
《 STEP1》 前月の子どもの姿を思い出す
- 気温差によって、鼻水が出たりと体調が優れない子がいた。
- つかまり立ち・伝い歩きをよくするようになり、転倒することもあった。
- お気に入りの玩具を見つけると、手に取りじっくり何度も遊ぶ姿があった。
- 伝えたいことがあると、指差しや身振り手振り・喃語で保育者に訴える姿が増えてきた。
《 STEP2》 今月のねらいを決める
養護のねらい
教育(5領域に対応)のねらい
養護のねらい①の具体的な月案
ねらい
気温差に留意し体調を整えながら、安定した気持ちで健康的に過ごす
養護・内容
- 体調に留意しながら、食事・睡眠を十分にとり、生活リズムを整えていく。
(養護の場合…生命の保持)
(3つの視点の場合…健やかに伸び伸びと育つ) - 保育者に生活の欲求を満たしてもらい、安定した気持ちで過ごす。
(養護の場合…情緒の安定)
(3つの視点の場合…健やかに伸び伸びと育つ・身近な人と気持ちが通じ合う) - 気温差に合わせた衣服・室温の調節で快適に過ごす。
(養護の場合…生命の保持)
(3つの視点の場合…健やかに伸び伸びと育つ)
養護・予想される子どもの姿
- その日の体調によって、食欲や睡眠時間に差がある。
- 眠気や空腹の不快な気持ちを、保育者に満たしてもらい安心する。
- 気温の変化に合わせ、衣服や室温の調節・水分補給などを行い、元気で快適に過ごす。
養護・環境構成/保育者の配慮
- 個々のリズムを大切にしながら、慌てずゆったりと関わるようにする。
- 子どもが満足できる一定の食事量・睡眠時間を見極め、無理の無いよう満たしていく。
- 寒暖差に対応できるよう、調節のしやすい衣服を家庭から用意してきてもらう。
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養護のねらい②の具体的な月案
ねらい
安全な環境の中でつかまり立ちや伝い歩きを十分に楽しむ
養護・内容
- つかまり立ちや伝い歩きで移動することを楽しむ。
(養護の場合…生命の保持)
(3つの視点の場合…健やかに伸び伸びと育つ)
養護・予想される子どもの姿
- 段差や棚・固定遊具などを見つけると、自ら近寄り、つかまり立ちや伝い歩きをする。
- つかまり立ち・伝い歩きの足元がまだ安定せず、転倒することがある。
養護・環境構成/保育者の配慮
- 好きな場所へ自由に移動し、つかまり立ち・伝い歩きが楽しめるよう、安全で十分な広さのスペースを確保する。
- 転倒に備えて保育者が常にそばにつくようにして見守る。
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教育のねらい①の具体的な月案
ねらい
喃語や仕草で保育者とのやり取りを楽しむ
教育・内容
- 遊びながら自ら喃語を話したり、仕草で気持ちを訴えようとする。
(5領域の場合…人間関係・言葉・表現)
(3つの視点の場合…身近な人と気持ちが通じ合う)
教育・予想される子どもの姿
- 保育者からの語りかけに対して嬉しそうに反応し、喃語や仕草でこたえようとする。
- 「いないいないばあ」遊びなど、気に入った触れ合い遊びを保育者と一緒に楽しむ。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 喃語や仕草には言葉にして丁寧にこたえ、子どもの気持ちを汲み取った関わりをする。
- 子ども一人一人のお気に入りの遊びを覚えておき、一緒に楽しむ。
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教育のねらい②の具体的な月案
ねらい
秋の自然物に興味を持ち、触れてみようとする
教育・内容
- 戸外の自然に興味を持ち、自ら触れてみようとする。
(5領域の場合…環境)
(3つの視点の場合…身近なものと関わり感性が育つ) - 触れたり握ったりして、自然物の感触を楽しむ。
(5領域の場合…環境・表現)
(3つの視点の場合…身近なものと関わり感性が育つ)
教育・予想される子どもの姿
- 秋の植物などの自然物を見つけると、触れてみようとする。
- 落ち葉のカサカサ・ススキのフワフワなど、様々な感触を楽しむ。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 体調に留意しながら、気候の良い日はなるべく戸外で過ごす機会を作る。
- 触れても安全な秋の自然を選び、様々な感触を一緒に楽しみながら言葉にして伝えていく。
行事・遊び・食育・職員との連携・家族や地域との連携・自己評価の月案例
今月の行事※全体クラス向けの月案記事と一緒
- 運動会
- スポーツの日
- ハロウィン
- 身体計測
- 誕生会
- 避難訓練
今月の遊び
- 秋の自然に触れる散歩・戸外遊び
- 秋の歌を聴く
- 手遊び
- ハロウィンの製作
- 室内・戸外での探索活動
- 好きな玩具での遊び
食育
- 後期食に慣れ、意欲的に食べる。
- 食具に興味を持ち、握ったり持ったりしようとする。
職員との連携※全体クラス向けの月案記事と一緒
- 子ども一人一人の行動範囲が広がってきているので、戸外活動の際の安全について職員間で話し合い、配置や配慮を決めておく。
- 半年間の中で子どもの成長したと感じる姿を保育者同士で共有し、更に伸ばしていけるような関わりを考えていく。
家庭や地域との連携※全体クラス向けの月案記事と一緒
- 保護者の方々へ運動会への参加の呼びかけをする。
- 半年の節目で、子どもの成長を喜び合うと共に、家庭での困りごとは無いかどうかも確認する。
自己評価
- 日中と朝夕の気温差が大きかったため、衣服や室温の調節を適宜行い、水分補給も忘れず行うようにした。
- 大型ブロックや園の広い部屋を利用することで、つかまり立ちや伝い歩きを存分に楽しむことができていた。
- まだまだ足元が安定していないようすが見られるため、転倒の対策を引き続き行っていきたい。
- 子どもが好きな玩具やお気に入りの手遊びを把握し、保育者も一緒に楽しむ時間を大切にしたため、子どもたちの満足した表情がたくさん見られた。
■0歳児(クラス全体向け)10月の月案
■0歳児(低月齢)10月の月案
■0歳児(高月齢)10月の月案
月案作成の負担を減らせるよう工夫してまとめておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
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