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目次
元園長が教える月案・週案の重要ポイント
まずは大前提、月案を作る上でどんなことが重要か…実際に保育士さんたちの数々の月案をチェックしてきた元園長先生に、重要ポイントを伺いました。
意識してほしいポイント
- 年間カリキュラムに基づく計画を立てる
- まずは「前月の子どもの姿」から考え始める
- 「今月のねらい」と「具体的な内容」は連動して考える
この3つが、年齢・時期関わりなく月案を作成する上で意識してほしい点です。
要するに、「保育園での活動を通して、子どもたちにどんな姿になってもらいたいのか」を考えると良いということですね。
0歳児（低月齢）・5月の月案のポイント
次に、「0歳児（低月齢）・5月」ならではの月案のポイントを紹介します。
0歳児（低月齢）・5月の月案を考える上でのポイント
- 疲れが出やすい時期を健やかで快適に過ごせるような配慮を考える。
- 保育者との信頼関係が更に深まっていくような関わりを考える。
- 見たり触れたり聞いたりして、様々な感覚遊びが楽しめるよう、玩具や素材を準備する。
- 心地よい気候の中、散歩や外気浴を楽しむ機会を取り入れる。
5月に入り、園生活にも少しずつ慣れてくる頃ですが、低月齢児は日によって授乳時間や授乳量・睡眠が定まらない為、まだまだ個々のリズムに合わせて生活することが大切です。
子ども一人一人の様子をよく見ながら配慮を行い、寄り添ってもらえるという安心感の中で過ごせるようにしていきましょう。
それではここから、具体的な月案の例文をまとめていきます。
《 STEP1》 前月の子どもの姿を思い出す
- 空腹時や眠い時など、自分の要求を泣くことで表現し、保育者に十分受け止めてもらうことで徐々に安心して生活できるようになっていった。
- 保護者の職場復帰や慣らし保育の終了で、保育時間が延び、夕方は疲れから睡眠を取っている。
- 腹ばいや仰向けなど、それぞれの姿勢で玩具を持ち、感触を確かめながらじっくりと遊んでいた。
《 STEP2》 今月のねらいを決める
養護のねらい
教育（5領域に対応）のねらい
養護のねらい①の具体的な月案
ねらい
個々の生活リズムに留意してもらい、安定した気持ちで過ごす
養護・内容
- 衣服や室温の調節など、快適な環境に整えてもらいながら、気持ちよく過ごす。
（養護の場合…生命の保持）
（3つの視点の場合…健やかに伸び伸びと育つ） - 保育者に生理的欲求を受け止めてもらい、安心して生活する。
（養護の場合…生命の保持・情緒の安定）
（3つの視点の場合…健やかに伸び伸びと育つ）
養護・予想される子どもの姿
- 朝夕の気温の変化により、汗をかいて不快な様子や、肌寒い時があり、室温や衣服の調節が必要になる。
- 生理的欲求を、保育者に対して泣いて訴える。
養護・環境構成/保育者の配慮
- 室内環境を快適に整え、子どもの様子をよく見ながら、室温や気温に合った衣服の調節を行っていく。
- 一人一人の要求のタイミングに合わせて、一つ一つ、十分に応えていきながら、優しい言葉をかけたりスキンシップを取り、保育者に対して安心感を持って過ごせるようにする。
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養護のねらい②の具体的な月案
ねらい
快適で安心できる環境の中、休息・睡眠を取る
養護・内容
- 子ども一人一人が、疲れが取れるほどの十分な睡眠や休息をとり、安定して過ごす。
（養護の場合…生命の保持）
（3つの視点の場合…健やかに伸び伸びと育つ）
養護・予想される子どもの姿
- 長時間保育になり、夕方になると疲れてぐずり気味になる。
- 夕方に午睡をすると元気になり、お迎えの時間まで機嫌よく過ごす。
養護・環境構成/保育者の配慮
- 個々のリズムや機嫌をよく見て柔軟に対応し、必要な休息が必要な時に取れるように配慮していく。
- カーテンで日差しを遮ったり、活動中の保育室から少し離れた静かな環境で眠るなど、安心して睡眠が取れる環境に整える。
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教育のねらい①の具体的な月案
ねらい
様々な玩具に興味を持ち、見たり触れたり振ったりして、感触や音に親しむ
教育・内容
- 様々な玩具や素材に触れ、感触を楽しみながら遊ぶ。
（5領域の場合…健康・環境・表現）
（3つの視点の場合…身近なものと関わり感性が育つ） - 音の鳴るものや動くものに興味を持ち、様々な反応をする。
（5領域の場合…環境・言葉・表現）
（3つの視点の場合…身近なものと関わり感性が育つ）
教育・予想される子どもの姿
- 身近にある様々なものに興味を持ち、触れたり口に持っていったりして遊ぶ。
- 音が鳴ったり、動いたりする玩具に興味を持ち、目で追ったり音に反応して声を出したりする。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 手触りの違いが楽しめる玩具や、動いたり音の鳴る玩具を用意し、見やすく手に取りやすい位置に置く。
- 玩具を口に入れることが多い為、こまめに消毒し、清潔を保つ。
- 子どもの表情や声に注目・傾聴し、見た目・感触・聴こえた音について、丁寧に言葉にして伝え、楽しさに共感していく。
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教育のねらい②の具体的な月案
ねらい
保育者と一緒に外気浴や散歩を楽しむ
教育・内容
- 保育者と一緒に園外に散歩へ行き、やり取りを楽しむ。
（5領域の場合…環境・言葉・人間関係・表現）
（3つの視点の場合…身近な人と気持ちが通じ合う・身近なものと関わり感性が育つ） - 園外で様々な春の自然を感じて楽しみ、行動範囲が広がる。
（5領域の場合…健康・環境・表現）
（3つの視点の場合…身近なものと関わり感性が育つ）
教育・予想される子どもの姿
- 散歩や外気浴を楽しみながら、保育者からの声かけに嬉しそうに反応する。
- 園外を散歩しながら、様々な春の景色を楽しむ。
教育・環境構成/保育者の配慮
- ベビーカーやカートでも無理なく進める安全な散歩コースを、予め下見し決定しておく。
- 子どもと一緒に散歩や外気浴を楽しみながら「風が気持ちいいね」「お花がきれいだね」など情景を言葉にして伝えたり、春の歌を歌ったりする。
- 外気温に合わせて衣服の調節を行ったり、適宜水分補給を行う。
行事・遊び・食育・職員との連携・家族や地域との連携・自己評価の月案例
今月の行事※全体クラス向けの月案記事と一緒
- 憲法記念日
- みどりの日
- こどもの日
- こどもの日集会
- 春の遠足
- 母の日（ファミリーデー）
- 身体計測
- 誕生会
- 避難訓練
今月の遊び
- こどもの日の製作
- 母の日（ファミリーデー）の製作
- 散歩・外気浴
- 室内自由遊び
- 触れ合い遊び
- 手遊び
- 絵本の読み聞かせ
- 5月の歌を聴く・歌う
- 春の自然に触れる遊び
食育
- 特定の保育者のもと、安心して満足いく量のミルクを飲む。
- スプーンを口元に運ぶと、大きな口を開けて意欲的に離乳食を食べる。
職員との連携※全体クラス向けの月案記事と一緒
- 疲れが出やすい時期なので、体調の細かな変化にも早急に気がつけるよう、登園時や保育中の視診を十分に行い、保育者同士で共有・対応をする。
- 子ども一人一人の食事の進捗状況について、給食職員とも情報交換し、連携しながら離乳食の形態を進めていく。
家庭や地域との連携※全体クラス向けの月案記事と一緒
- 連休中の家庭での様子を聞き、無理なく再び園での生活に慣れていけるよう配慮する。
- 慣らし保育が完了し、園で過ごす時間が長くなるとと共に、疲れによる体調不良も起こしやすくなるため、家庭ではゆったりと過ごすよう心掛けてもらい、体調について、小さな変化も伝えてもらうようお願いする。
- 保護者とのコミュニケーションを密にとり、引き続き園・保育者との間に信頼関係の構築をしていく。
自己評価
- 連休明けは、疲れからか体調を崩して休む子が多かった為、登園時の健康チェックをよく行い、早期対応できるよう、職員同士でも情報の共有をしっかり行った。
- 慣らし保育が終了し、長時間保育の子どもが増えた。必要な休息と睡眠を個々の状態に合わせて取れるようにした為、無理なく機嫌よく過ごすことができていた。
- 何でも口に運ぶ時期なので、引き続きこまめな消毒や清潔を心掛け、周囲の安全管理に努めたい。
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