元園長監修【0歳児・低月齢・8月】月案/週案の文例（ねらい・子どもの姿・養護・教育・ふりかえりの書き方）

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元園長が教える月案・週案の重要ポイント

まずは大前提、月案を作る上でどんなことが重要か…実際に保育士さんたちの数々の月案をチェックしてきた元園長先生に、重要ポイントを伺いました。

この3つが、年齢・時期関わりなく月案を作成する上で意識してほしい点です。

要するに、「保育園での活動を通して、子どもたちにどんな姿になってもらいたいのか」を考えると良いということですね。

0歳児（低月齢）・8月の月案のポイント

次に、「0歳児（低月齢）・8月」ならではの月案のポイントを紹介します。

厳しい暑さが続きます。低月齢児は抱っこやおんぶなど、保育者と密着することが多い為、熱がこもりやすくなります。あせもなどの皮膚疾患にも気をつけて対応していきましょう。

汗をかいたらシャワーや沐浴を取り入れ、心地よく過ごせるようにしていきたいですね。

それではここから、具体的な月案の例文をまとめていきます。

《 STEP1》 前月の子どもの姿を思い出す

• 離乳食に慣れてきて、自らお椀に手を伸ばしたり、口を大きく開けてよく食べている。
• 保育者とのスキンシップや見守りの中で安心して過ごし、抱っこやおんぶからおりたり、保育者の姿が見えなくなると泣くことがあった。
• 沐浴では水面を叩いてみたり、シャワーの水に触れてみたり、水の心地よさを味わっている様子だった。

《 STEP2》 今月のねらいを決める

養護のねらい

• 快適な環境に配慮してもらいながら、厳しい暑さの時期を元気に過ごす
• 保育者との間に愛着関係を築き、安心して過ごす

教育（5領域に対応）のねらい

• 様々な人・物に興味を示し、手を伸ばしたり、目で追ったり、声を出して楽しむ
• 水に慣れ、心地よさを感じながら遊ぶ

養護のねらい①の具体的な月案

ねらい

快適な環境に配慮してもらいながら、厳しい暑さの時期を元気に過ごす

養護・内容

• 外気温と室温の差を少なくし、体温調節機能を育む。
  （養護の場合…生命の保持）
  （3つの視点の場合…健やかに伸び伸びと育つ）
• 一人一人が十分な栄養や休息をとり、健やかに過ごす。
  （養護の場合…生命の保持）
  （3つの視点の場合…健やかに伸び伸びと育つ）

養護・予想される子どもの姿

• 室内の冷房が効きすぎて、外気温との差で体調を崩したり、体が冷えてしまう。
• 疲れたら、それぞれのペースでぐっすり眠る。
• 離乳食に慣れ、大きな口を開けたり、食具に自ら触れながら、意欲的に食べる。

養護・環境構成/保育者の配慮

• 気温が高い日でも、熱中症予防に努めながら、外気温との差をなるべく少なくするよう室温を調節し、換気も行い、体調不良や体の冷え過ぎを防ぐ。
• 一人一人の疲れや眠さのタイミングに合わせて、いつでも必要な休息がとれるよう、安心してぐっすりと眠れるような場所を設置しておく。
• 食材の名前を伝えたり、「おいしいね」など優しく声をかけながら、楽しい雰囲気の中で食事への意欲が高まるような関わり・援助をしていく。

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養護のねらい②の具体的な月案

ねらい

保育者との間に愛着関係を築き、安心して過ごす

養護・内容

• 保育者とのスキンシップにより心が安定する。
  （養護の場合…情緒の安定）
  （3つの視点の場合…身近な人と関わり気持ちが通じ合う）

養護・予想される子どもの姿

• 保育者に抱っこしてもらったり、触れ合って遊ぶことを喜ぶ。
• 安心できる保育者がそばに居ることで、伸び伸びと過ごす。

養護・環境構成/保育者の配慮

• 1対1で目を見て向き合いながら丁寧に関わり、一緒に過ごす時間を楽しむ。
• 安心できる保育者に見守られながら、他の保育者との関わりや他児の様子を見る機会を作り、子どもの視野が広がるようにしていく。

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教育のねらい①の具体的な月案

ねらい

様々な人・物に興味を示し、手を伸ばしたり、目で追ったり、声を出して楽しむ

教育・内容

• 視界に入ったものに手を伸ばし、握って遊ぶ。
  （5領域の場合…環境・表現）
  （3つの視点の場合…身近なものと関わり感性が育つ）
• 保育者との触れ合い遊びを喜ぶ。
  （5領域の場合…人間関係・言葉）
  （3つの視点の場合…身近な人と気持ちが通じ合う）
  
  

教育・予想される子どもの姿

• 握った物は何でも口に運び、確認行動をする。
• 保育者にあやしてもらい、声を出して笑う。

教育・環境構成/保育者の配慮

• 安全で握りやすい玩具を用意する。こまめに消毒し、口に入れても良い清潔な状態を保つ。
• ゆったりとした1対1のやり取りの時間を大切にし、子どもの喃語や表情に丁寧に優しく応えていく。

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教育のねらい②の具体的な月案

ねらい

水に慣れ、心地よさを感じながら遊ぶ

教育・内容

• 沐浴やシャワーで汗を流し、さっぱりした気持ち良さを味わう。
  （5領域の場合…健康・環境・表現）
  （3つの視点の場合…健やかに伸び伸びと育つ・身近なものと関わり感性が育つ）
• 水に触れ、感触を楽しむ。
  （5領域の場合…環境・表現）
  （3つの視点の場合…身近なものと関わり感性が育つ）
  

教育・予想される子どもの姿

• 厳しい暑さの中、汗をたくさんかく。
• 沐浴やシャワーの際に手を動かして水の動きや感触を楽しむ。

教育・環境構成/保育者の配慮

• 沐浴後は体が冷えやすくなる為、沐浴の湯温がぬるくなり過ぎないよう調節したり、室温が低くなり過ぎないよう空調も調節する。
• 水面やシャワーでの水の動きを、じっくり観察できるような姿勢で支え、優しく言葉かけをしながら楽しく水に触れられるようにする。

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行事・遊び・食育・職員との連携・家族や地域との連携・自己評価の月案例

今月の行事※全体クラス向けの月案記事と一緒

• 山の日
• 夏祭り
• お盆休み
• 身体計測
• 誕生会
• 避難訓練

今月の遊び

• 8月の歌を聴く・歌う
  「トマト」「おばけなんてないさ」
• 8月の手遊び
  「かみなりどんがやってきた」「やまびこごっこ」
• 夏祭りの製作
• 沐浴・シャワー
• 散歩
• 外気浴
• 玩具遊び
• リズム遊び
• 触れ合い遊び
• 絵本の読み聞かせ

食育

• 離乳食やミルクで空腹が満たされ、喜びを感じる。
• 様々な舌触りの食材に慣れ、しっかり咀嚼する。

職員との連携※全体クラス向けの月案記事と一緒

• 個々の発達によってできることの差を理解し、保育者間で活動の設定や関わり方を話し合い、統率しておく。
• 一人一人の健康状態や水遊びができるかどうかのチェックを、口頭で伝達するだけでなく、すぐに確認できる位置に設置したボードに記入し、保育者全員が把握しやすいようにする。

家庭や地域との連携※全体クラス向けの月案記事と一緒

• 夏の感染症や熱中症・皮膚トラブルについて知らせ、家庭でも予防や対策をお願いし、気をつけてもらう。
• 夏祭りについて事前にお知らせを配布し、保護者の参加を呼びかける。
• お盆や保護者の夏休みなどの長期休み明けは、心身共に不安定になることが予想されるため、子どもの様子を密に伝え合い、再び安心して過ごせるよう配慮する。

自己評価

• 室温の下げ過ぎにより、沐浴後の身体の冷えや、外気温との差で体調を崩してしまうことなどが無いよう、室温の調節や換気を注意して行うようにした。
• 低月齢児が遊ぶ玩具の数が少ない為、握りやすく安全な玩具を手作りしたりし、種類を増やしていきたい。
• 沐浴では、子ども一人一人と向き合い、ゆったりとスキンシップがとれる時間を作ることができた。

ふりかえり

厳しい暑さが続く8月。子どもの体温調節機能を育む配慮や必要な休息も取り入れつつ、快適に過ごせる環境作りや配慮が行えたでしょうか。

また、保育者とのやり取りも楽しくなってくる時期です。子どもの表情や喃語に対し、一つ一つ丁寧に応答し、楽しい経験を積み重ねることができたか、振り返ってみてくださいね。