この記事の監修者
Aki 園長歴6年
保育士歴18年、園長歴6年。これまで多くのカリキュラム添削や、保育士さんたちの悩みに寄り添ってきました。この記事では園長として多くの月案・週案をチェックしてきた経験を活かし、 効率よく質が高い月案・週案を仕上げられるようサポートします。
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目次
元園長が教える月案・週案の重要ポイント
まずは大前提、月案を作る上でどんなことが重要か…実際に保育士さんたちの数々の月案をチェックしてきた元園長先生に、重要ポイントを伺いました。
意識してほしいポイント
- 年間カリキュラムに基づく計画を立てる
- まずは「前月の子どもの姿」から考え始める
- 「今月のねらい」と「具体的な内容」は連動して考える
この3つが、年齢・時期関わりなく月案を作成する上で意識してほしい点です。
要するに、「保育園での活動を通して、子どもたちにどんな姿になってもらいたいのか」を考えると良いということですね。
0歳児（高月齢）・3月の月案のポイント
次に、「0歳児（高月齢）・3月」ならではの月案のポイントを紹介します。
0歳児（高月齢）・3月の月案を考える上でのポイント
- 0歳最後の月を、相互の信頼関係に感謝しながらゆったりと過ごし、安心して進級を迎えられるような関わりを考える。
- 一人一人の成長を振り返り、保護者と喜び合う機会を設ける。
- 何事も自分でしたいという意欲を大切にし、育んでいけるような声掛け・配慮を考える。
- 幼児クラスの職員と連携し、異年齢の子ども達と関わり一緒に遊ぶ楽しさを感じられるような、交流の機会を作る。
春の訪れを感じる3月、1年間を振り返り、子どもの成長を保護者と一緒に喜び合うと共に、安心して進級を迎えられるよう、サポートしましょう。
また、この時期の0歳高月齢児の子ども達は、大人の真似をして単語の発語が一気に増えてきます。やり取りを通して、言葉を交わす楽しさを伝えていきたいですね。
それではここから、具体的な月案の例文をまとめていきます。
《 STEP1》 前月の子どもの姿を思い出す
- 月後半には感染症の流行も落ち着き、室内・戸外で元気に過ごしていた。
- 様々な場面で、自分でやってみたいという意欲が高まってきている。
- 保育者が仲立ちとなり、他児と一緒におままごとや人形遊びを楽しんでいた。
- 自分の要求を片言・単語で伝えたり、お気に入りの絵本のフレーズを真似したりと、発語が増えてきている。
《 STEP2》 今月のねらいを決める
養護のねらい
教育（5領域に対応）のねらい
養護のねらい①の具体的な月案
ねらい
保育者に見守られながら、安心して進級を迎える
養護・内容
- 生活での自分の思いや要求を安心して表現する。
（養護の場合…生命の保持・情緒の安定）
（3つの視点の場合…健やかに伸び伸びと育つ・人と気持ちが通じ合う） - 思いを受け止めてもらいながら、満たされた気持ちで過ごす。
（養護の場合…情緒の安定）
（3つの視点の場合…健やかに伸び伸びと育つ・人と気持ちが通じ合う）
養護・予想される子どもの姿
- 進級前の不安な気持ちを、保育者とのスキンシップで解消する。
- 自分は十分受け止められているという安心感の中、自己を発揮して伸び伸びと過ごす。
養護・環境構成/保育者の配慮
- 子どもの自己主張にしっかり目を配り、耳を傾け、共感の姿勢を持ち、子ども自身が受け止めてもらえたと感じて安心できるようにする。
- 進級への不安が取り除けるよう、1歳児クラスで過ごしてみるなどの活動を考え、無理のないよう行っていく。
＞＞ねらいを書き終えて行事や遊び、
自己評価などに移りたい人はこちらをタップ
養護のねらい②の具体的な月案
ねらい
身の回りのことに積極的になる
養護・内容
- 身の回りの新しいことを自分でやってみようとする。
（養護の場合…生命の保持）
（3つの視点の場合…健やかに伸び伸びと育つ）
養護・予想される子どもの姿
- 保育者にやってもらう様子や、他児が取り組んでいる様子を見て、自分も真似してやってみようとする。
- 保育者の手伝いを拒んだり、なかなか上手くいかず泣いたりする。
養護・環境構成/保育者の配慮
- 子どもが求める時のみ、手助けするようにし、温かく見守る姿勢をとり、「自分で」という意欲を育てていく。
- なかなかできない時は励ましの声を掛けながら、さり気なく手を添え援助し、できたという満足感が味わえるようにする。
＞＞ねらいを書き終えて行事や遊び、
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教育のねらい①の具体的な月案
ねらい
異年齢児と関わり、遊ぶことを楽しむ
教育・内容
- いつもと違う場所で、異年齢児との交流を楽しむ。
（5領域の場合…人間関係・言葉・環境）
（3つの視点の場合…身近な人と気持ちが通じ合う・身近なものと関わり感性が育つ） - 幼児クラスの子ども達に優しくしてもらい、嬉しい気持ちを味わう。
（5領域の場合…人間関係・言葉・表現）
（3つの視点の場合…身近な人と気持ちが通じ合う）
教育・予想される子どもの姿
- いつもと違う保育室・見慣れない玩具に、新鮮な気持ちで意欲的に遊ぶ。
- 年上の子ども達と関わって遊ぶことを、嬉しいと感じる。
- 慣れない場所や人に対し、不安を抱く。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 異年齢児クラスの職員と連携し、交流の機会を取り入れる。0歳児と幼児での動きの違いを考慮し、安全に遊べるような環境設定や配慮を行う。
- 慣れない雰囲気に不安そうな様子の子どもには、無理強いせず、慣れるまで一緒に様子をみたり、ゆったりと関わる。
- 関わり合うことの楽しさ、嬉しさに共感した声かけをする。
＞＞ねらいを書き終えて行事や遊び、
自己評価などに移りたい人はこちらをタップ
教育のねらい②の具体的な月案
ねらい
保育者との言葉のやり取りを楽しみ、語彙が増える
教育・内容
- 絵本に親しみながら、保育者と一緒に発語を楽しむ。
（5領域の場合…人間関係・言葉・表現）
（3つの視点の場合…身近な人と気持ちが通じ合う・身近なものと関わり感性が育つ） - 生活や遊びの中で、単語や二語文を盛んに話す。
（5領域の場合…人間関係・言葉）
（3つの視点の場合…身近な人と気持ちが通じ合う）
教育・予想される子どもの姿
- 好きな絵本のお気に入りの言い回しを繰り返し話したり、保育者の言葉を真似して話す。
- 生活や遊びの中で、その場面に合った単語や二語文を話し始める。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 言葉の理解をより深めるため、保育者はゆっくり・はっきりと話すことを心掛け、習得しやすいようにする。
- 言葉によって気持ちが通じ合えた喜びを感じ、発語に自信が持てるよう、丁寧な応答をしていく。
行事・遊び・食育・職員との連携・家族や地域との連携・自己評価の月案例
今月の行事※全体クラス向けの月案記事と一緒
- ひな祭り
- 春分の日
- 卒園式
- 身体計測
- 誕生会
- 避難訓練
今月の遊び
- 散歩・戸外遊び
- 室内自由遊び
- 運動遊び
- ひな祭りの製作
- ボール遊び
- 触れ合い遊び
- 手遊び
- 絵本・紙芝居の読み聞かせ
- 3月の歌を聴く・歌う
- 春の自然に触れる遊び
- 異年齢児との交流
食育
- 自分で全部食べたという満足感を味わう。
- 食具の正しい持ち方を知り、やってみようとする。
職員との連携※全体クラス向けの月案記事と一緒
- 進級に向けて、1歳児クラスの保育者と連携し、交流する機会を持つ。
- 子ども一人一人の成長した姿や今後の取り組みについて確認し合い、これからの保育に繋がる話し合いを職員間で行う。
家庭や地域との連携※全体クラス向けの月案記事と一緒
- 1年間の子ども成長を伝え合い、共に喜び合う。
- 進級に向けて準備するものを、お便りにして早めに各家庭に知らせる。
- 進級に向けて、質問や不安・心配事などが無いか、お迎え時の保護者とのやり取りの中やお便り帳で確認し、対応しておく。
自己評価
- 1年間の子どもの成長を保護者と共に振り返り、一緒に喜び合う機会を持つことができた。
- 1歳児クラスでの生活がスムーズにスタートできるよう、個々の発達や必要な配慮の申し送りを丁寧に行った。
- 幼児クラスの職員と連携し、交流の機会を設けて互いに楽しく過ごすことができた。子ども達の人との関わりの幅も広がり、嬉しそうな姿もたくさん見られた。
- 言葉の目覚ましい発達に目を向け、語彙を更に増やしていけるような関わり・活動を考え行っていった。
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