元園長監修【0歳児・高月齢・12月】月案/週案の文例（ねらい・子どもの姿・養護・教育・ふりかえりの書き方）

最初に月案作成のポイントをご紹介します。
ただ、いち早く例文をご確認したいという方は「こちらのリンク」を押してください。

元園長が教える月案・週案の重要ポイント

大前提、月案を作る上でどんなことが重要なのか？

実際に保育士さんたちの数々の月案をチェックしてきた元園長先生に、重要ポイントを伺いました。

この3つが、年齢・時期関わりなく月案を作成する上で意識してほしい点です。

要するに、「保育園での活動を通して、子どもたちにどんな姿になってもらいたいのか」を考えると良いということですね。

逆によくあるダメなパターンは、ねらいと内容が連動していないものです。

いったい何のための月案なのか考えられていないと、作り直しとなってしまいます。

0歳児・（高月齢）・12月の月案のポイント

次に、0歳児・（高月齢）・12月」ならではの月案のポイントを紹介します。

身の回りのことを、自分でやってみようという気持ちが芽生えてくる時期です。

子どもの気持ちを受け止め、寄り添いながら、挑戦しようとする気持ちを育んでいきましょう。

それではここから、具体的な月案の例文をまとめていきます。

《 STEP1》 前月の子どもの姿を思い出す

• 寒暖差から、体調を崩す子どもが増えてきた。
• 食事を自分で最後まで食べようとしたり、着脱をやってみようとする姿があった。
• 他児と関わろうと、手を繋いだり、玩具を渡す様子が見られた。
• 絵本や紙芝居を見ながら、喃語や片言を話したり、歌や手遊びのリズムに乗って体を動かし喜んでいた。

《 STEP2》 今月のねらいを決める

養護のねらい

• 寒い季節を健やかで快適に過ごす
• 保育者と一緒に身の回りのことをやってみようとする

教育（5領域に対応）のねらい

• 他児と関わりながら、一緒に過ごす楽しさを知る
• 絵本に親しみ、言葉を話す楽しさを味わう

養護のねらい①の具体的な月案

ねらい

寒い季節を健やかで快適に過ごす

養護・内容

• 室温や湿度・体調に留意されながら、快適な環境で健やかに過ごす。
  （養護の場合…生命の保持）
  （3つの視点の場合…健やかに伸び伸び育つ）
• 外気に触れ、薄着で元気に過ごす。
  （養護の場合…生命の保持）
  （3つの視点の場合…健やかに伸び伸び育つ）

養護・予想される子どもの姿

• 鼻水・咳が出ていたり、発熱・嘔吐など、体調を崩す子どもが増える。
• 戸外の外気の冷たさに慣れ、体を動かし元気に過ごす。

養護・環境構成/保育者の配慮

• 室温・湿度・衣服の調節や換気・消毒をこまめに行い、感染症の予防に努めながら快適な環境に整える。
• 子ども一人一人の視診をしっかり行い、検温を実施するなど体調の異変への早急な対応をとる。
• 暖かい時間帯を選び、戸外で外気に触れて活動的に過ごす時間を作る。

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養護のねらい②の具体的な月案

ねらい

保育者と一緒に身の回りのことをやってみようとする

養護・内容

• 着脱や食事での身の回りのことを自分でやってみようとする。
  （養護の場合…生命の保持）
  （3つの視点の場合…健やかに伸び伸び育つ）
• 保育者に気持ちを受け止めてもらいながら、安心して身の回りのことに取り組む。
  （養護の場合…情緒の安定）
  （3つの視点の場合…健やかに伸び伸び育つ・身近な人と気持ちが通じ合う）

養護・予想される子どもの姿

• ズボンやオムツを自分で履こうとする。
• 食事の介助を嫌がり、こぼしながらも自分で最後まで食べようとする。

養護・環境構成/保育者の配慮

• オムツやズボンを履きやすい向きに置いたり、上げ下げを一緒に手を添えて行う。
• 自分一人でやりたいという気持ちを受け止め、積極的な姿を大いにほめる。必要に応じてさり気なく援助しながら見守る。

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教育のねらい①の具体的な月案

ねらい

他児と関わりながら、一緒に過ごす楽しさを知る

教育・内容

• 他児と一緒に過ごす時間を楽しいと感じる。
  （5領域の場合…人間関係）
  （3つの視点の場合…身近な人と気持ちが通じ合う）

教育・予想される子どもの姿

• 他児の行動を真似したり、同じ玩具を使ったり隣で遊ぼうとする。
• 思いが伝わらず、玩具を奪ったり、手が出てしまったりする。

教育・環境構成/保育者の配慮

• 他児と過ごすことが楽しい、という気持ちに共感した声かけをする。
• 子ども同士の距離が近すぎる時は、保育者が間に入り、子どもの体をそっと保育者の方へ寄せたりして、危険の無いよう見守る。
• 子どもの思いを汲み取りながら、簡単な言葉・身振りでのやり取りの方法を優しく知らせていく。

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教育のねらい②の具体的な月案

ねらい

絵本に親しみ、言葉のリズムや話す楽しさを味わう

教育・内容

• 絵本や紙芝居に親しみながら、簡単な言葉のやり取りを楽しむ。
  （5領域の場合…言葉・表現・環境）
  （3つの視点の場合…身近な人と気持ちが通じ合う・身近なものと関わり感性が育つ）

教育・予想される子どもの姿

• 絵本や紙芝居を保育者に読んでもらいながら、出てくる言葉・単語を繰り返し話してやり取りを楽しむ。
• 絵や言葉に合わせて、思いや感じたことを、指差しや身振り手振りで伝えようとする。

教育・環境構成/保育者の配慮

• 好きな絵本を自由に取り出せるよう、保育室内に配置しておく。
• 声に抑揚や強弱つけ、ゆったりとはっきりした口調で読み聞かせをする。
• 子どもの反応に耳を傾け、子どもなりの表現を肯定的に捉えながらやり取りを楽しみ、発語の意欲を更に引き出していく。

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行事・遊び・食育・職員との連携・家族や地域との連携・自己評価の月案例

今月の行事※全体クラス向けの月案記事と一緒

• 冬至
• 生活発表会
• クリスマス会
• 大晦日
• 身体計測
• 誕生会
• 避難訓練

今月の遊び

• クリスマスの製作
• 戸外遊び・散歩
• 冬の自然に触れる遊び
• 室内の探索遊び
• ごっこ遊び
• 手遊び・触れ合い遊び
• 冬の歌を歌う・聴く
• リズム遊び
• 絵本・紙芝居の読み聞かせ

食育

• スプーンですくったり、フォークで刺したりして自分で最後まで食べようとする。
• 保育者と一緒に食前・食後の挨拶をする。

職員との連携※全体クラス向けの月案記事と一緒

• 感染症の流行に備えて、職員間で改めて、手洗い・消毒についての確認・見直し・徹底をする。
• 感染症が発生した場合は直ちに共有し、適切な対応を行い感染拡大の防止に努める。

家庭や地域との連携※全体クラス向けの月案記事と一緒

• 朝夕は冷え込む日も出てくるので、調節のきく衣服を用意してきてもらうようお願いする。
• 子どもの体調や、園での感染症の発生状況などを細かく保護者と共有し、早期発見と予防に努められるようにする。

自己評価

• 外気温や体調に留意しながら、天気の良い日は戸外で遊ぶ機会を多く取り入れ、体を動かして伸び伸びと遊ぶことができた。
• 着脱に興味を持ち、やってみようとするがまだうまくいかないことが多い。引き続き思いを受け止めながら、手を添えて一緒に行い、できた時の満足感を味わえるようにしていきたい。
• 他児と積極的に関わろうとする姿を大切にしながら、危険の無いようそばで見守ったり、適切な距離感を保てるよう配慮した。