1歳児の2月の個人案を考える際、「書き方がわからない」「作成のポイントが知りたい」と悩むことはありませんか?
今回は、1歳児の2月の個人案を作成するためのポイントや、ねらいなど例文を使って紹介しています。
- 2月の1歳児は寒さや体調変化に配慮しながら、発達の個人差を踏まえた関わりが大切
- 「自分でやりたい」気持ちを尊重し、見守りと援助のバランスを意識する
- 節分などの行事や季節感を取り入れ、不安な気持ちにも寄り添った個人案を作成する
Takako【元保育士】個人案の作成は、なにをどう書いたら良いのか分からなくなりますよね。この記事では、個人案が書きやすくなるヒントをまとめているので、個人案作成にお役立てください!


Takako先生 元保育士ライター
保育士歴7年、現在は男女2児の母をしています。保育現場で培った経験や知識を活かし、悩んだり困ったりしている保育士の方、保育士を目指している方の力になれるような記事を心がけています。
【1歳児】2月の個人案の作成ポイント
【先輩保育士からのアドバイス】
チェックしておこう!
- 歩行や言葉など発達の伸びが大きく、個人差を踏まえた関わりを行う
- 友だちへの興味が高まるため、保育者が仲立ちし関わり方を丁寧に伝える
- 進級を見据え、身支度や活動の切り替えを見通せるよう援助する
- 節分などの行事に触れ、不安な気持ちにも配慮し季節感を味わえるようにする
1歳児の個人案を作成する際は、上記の点をおさえておきましょう。
2月は寒い季節の生活にも慣れ、歩行や言葉など一人ひとりの成長がよりはっきりと表れてくる時期で、できることの個人差も大きくなるため、発達段階に合わせた関わりが求められます。
自分でやってみたい気持ちが強まる一方、思い通りにならない場面では感情を大きく表す姿も見られます。
また、友だちへの興味も高まる時期のため、保育者が仲立ちし、安心して過ごせるよう援助していきましょう。



一人ひとりの発達の違いに目を向け、無理なく段階を踏んだ個人案を考えることが大切です!
【1歳児・2月の個人案】子どもの姿
【低月齢】1歳11ヵ月~2歳4ヵ月
- 歩行が安定し始め、行きたい場所へ自分で移動しようとする
- 簡単な言葉や喃語で要求を伝えようとする姿が見られる
- 保育者とのやりとりを楽しみ、安心できる存在を求める
- 身近な大人や友だちの行動に興味を示し、じっと見たり近づいたりする
2月は寒い時期の生活にも慣れ、心身ともに安定して過ごせるようになる頃です。
歩行が安定し始めたり、言葉で気持ちを伝えようとしたりする姿が増え、一人ひとりの成長の違いがより見られるようになります。
また、身近な大人との関わりを通して安心感を得ながら、周囲の子どもに関心を示す姿も見られます。
自分の思いを十分に伝えられない場面では不安や戸惑いを感じやすいため、丁寧に気持ちを受け止めながら関わることが大切です。



「できた!」という成功体験を繰り返すことで、子どもたちは自分でやってみようとする意欲や自信が育まれます。保育者は子ども一人ひとりの主体性を大切に見守りながら、安心して次の行動や活動に向かえるよう援助していきましょう!
【高月齢】2歳5ヵ月~2歳10ヵ月
- 走ったり方向転換をしたりと、全身を使った動きを楽しむ
- 二語文や単語を使い、自分の気持ちを言葉で伝えようとする
- 「自分でやりたい」という気持ちが強く、身支度や遊びに主体的に関わろうとする
- 友だちへの関心が高まり、関わろうとする中で物の取り合いやトラブルも見られる
1歳7ヶ月を過ぎると、走る・しゃがむといった体全体を使った動きが盛んになり、「りんご あった」などの二語文が見られるようになります。
自我もしっかりと芽生え、さまざまなことに強い興味を示し、「自分でやりたい」という気持ちがより一層高まっていきます。
保育者は、子どもの「やってみたい」という気持ちを大切に受け止め、できる部分は見守りながら、必要に応じてさりげなく援助していくことが大切です。



「できた!」という成功体験を繰り返すことで、子どもたちは自分でやってみようとする意欲や自信が育まれます。保育者は子ども一人ひとりの主体性を大切に見守りながら、安心して次の行動や活動に向かえるよう援助していきましょう!
【1歳児クラス共通】子どもの姿の文例
- 発達の個人差がよりはっきりと表れ、できること・できないことの差が目立つ
- 自分の思いが通らない場面では、泣く・怒るなど感情を大きく表現する
- 節分などの季節行事に触れ、雰囲気を感じたり驚いたりしながら経験を重ねる
1歳児はまだはいはいをする子もいれば、走り回る子もいるなど、全体を通して成長・発達の幅が広く、活動への参加の仕方や関わり方にも差があります。
また、他者に興味を示したり自我が芽生えたりと、心の育ちが感じられる時期でもあります。
一人ひとりの反応を丁寧に受け止め、安心して過ごせる環境づくりが大切です。



1歳児は発達の個人差が大きいため、ほかの子と比べず、その子なりの育ちを見守ることが大切です。また、自分の思いを強く表す時期でもあるため、否定するのではなく気持ちを言葉で代弁する関わりが効果的です。
【1歳児・2月の個人案】ねらい
【低月齢】1歳11ヵ月~2歳4ヵ月
- 保育者との安定した関わりの中で、安心して園生活を送る
- 歩く・触れるなど、体を動かすことを楽しみながら興味のある遊びに親しむ
- 簡単な言葉や仕草を通して、自分の思いを表そうとする
1歳児は、保育者との信頼関係の中で安心感を得ることで、遊びや生活に前向きに取り組めるようになるのです。
そのため、まずは「安心して過ごせているか」という視点を大切にすると、ねらいを考えやすくなります。
子どもたちは日々の保育者とのやりとりの中で、気持ちを受け止めてもらえる安心感が、意欲的な活動へ向かう力につながっていきます。
また、歩く・触れるといった基本的な動きを十分に楽しめるよう、「やってみる」「感じる」といった心地よい経験の積み重ねにも目を向けましょう。



言葉や仕草による表現が増える時期です。保育者は子どもの気持ちを代弁したり、丁寧に言葉を添えたりしながら、思いが伝わる・受け止めてもらえる経験を重ね、安心して自己表現ができるよう援助していきましょう。
【高月齢】2歳5ヵ月~2歳10ヵ月
- 全身を使った遊びを十分に楽しみ、体を動かす心地よさを味わう
- 自分の思いや要求を簡単な言葉や行動で表し、保育者とのやりとりを楽しむ
- 身支度や遊びの中で「自分でやってみよう」とする
1歳0ヶ月〜1歳6ヶ月の子どもたちと比べると、より活動量が増え、走る・登る・しゃがむなど全身を使った動きを意欲的に楽しむ姿が多く見られるようになります。
また、言葉の発達が進み、自分の思いや要求を簡単な言葉や行動で伝えようとする姿が増えてきます。
子どもたちがやりとりを楽しみながら、安心して自己表現を広げていけるよう保育者は丁寧に応答してあげましょう。



子どもたちの「やってみよう」とする気持ちを尊重し、すぐに手や言葉で先回りせず、まずは見守る姿勢を大切にしましょう。うまくいった経験や挑戦した過程を認める声かけが、次の意欲や自信につながります。
【1歳児クラス共通】ねらいの文例
- 寒い時期でも安定した生活リズムの中で、健康に過ごす
- 安全な環境の中で、保育者に見守られながら探索や運動遊びを楽しむ
- 季節行事に触れながら、冬ならではの雰囲気を楽しむ
2月は気温が低く、体調管理への配慮が特に必要な時期です。
十分な休息や衣服の調整を行い、毎日の生活の流れを整えることで、子どもたちは安心して過ごすことができます。
節分などの行事を通して、普段とは違う雰囲気や季節の移り変わりを感じる経験は、心の育ちにもつながります。
不安や驚きの気持ちに寄り添いながら、冬ならではの時間を心地よく味わえる関わりを大切にしていきましょう。



子どもたちは寒くても元気いっぱいです。転倒や衝突、トラブルなどの危険を避けつつ自由に動ける空間を用意し、安心できる環境で見守られながら探索や運動を楽しめるようにしましょう。
【1歳児・2月の個人案】環境構成と保育者の配慮
【低月齢】1歳11ヵ月~2歳4ヵ月
- 歩いたりつかまり立ちをしたりしやすいよう、安全な環境を整える
- 子どもの関心に合わせ、扱いやすく遊び込みやすい玩具を配置する
- 抱っこや絵本の読み聞かせなどの触れ合いを通して、ゆったりと関われる時間を大切にする
- 一日の流れを見直しながら、無理のない生活のペースを保てるよう配慮する
1歳0ヶ月〜1歳6ヶ月の子どもたちは、まだ足取りが安定せず、支えにつかまりながら立ったり移動したりする姿が多く見られる時期です。
玩具はこまめに片付ける、クッションマットを敷くなど、安全面にも配慮しましょう。
抱っこやて遊びなどのスキンシップ、絵本の読み聞かせや歌を歌うなどの活動を通して、子どもは安心感や信頼感を得ながら、言葉やリズム、情緒の安定を育みます。



子どもたちが安全に過ごすためには、部屋の環境構成はとても重要です。転倒や怪我につながるものはないか、常に意識を向けながら、子どもたちが自由に探索できる環境を整えてください。また、子どもたちの様子に目を配り、無理のない穏やかな雰囲気の中で過ごせるように心がけてくださいね。
【高月齢】2歳5ヵ月~2歳10ヵ月
- 「自分で」「やってみたい」を受け止め、挑戦しやすい環境を整える
- 見通しが持てる声かけを行う
- 安全に体を動かせるよう、室内外のスペースや遊具の配置を工夫する
- 興味や発達に合わせたシンプルな玩具を用意し、自由に探索できる環境を整える
1歳7ヶ月〜2歳ごろは、自我が芽生え、何でもやってみたい気持ちが強くなる時期で、安全な環境を整え、子どもが安心して挑戦できる場や玩具を用意することはとても大切です。
また、「お片付けをしたら、おやつの時間だよ」「ブロックで遊んだら、トイレに行こうね」など、見通しが持てる声がけを行いましょう。
次の動きを事前に伝えることで、子どもたちは安心して気持ちを切り替えやすくなります。



子どもたちは探索活動を通して、新しい発見をしたり、運動能力が向上したりします。探索活動では、子どもが自由に触れたり動いたりできる安全な空間を用意しましょう。遊びの途中でつまずいたり、飽きたりしても焦らず見守り、子どもが自分で考えたり試したりする時間を十分に保障してあげてください。
【1歳児クラス共通】環境構成と保育者の配慮 文例
2月は寒さが厳しく、室内外の気温差によって体調を崩しやすい時期なので、部屋の温度管理に加え、衣服の脱ぎ着で子どもたちが快適に過ごせる工夫をしましょう。
鼻水や汗などはこまめに拭き、清潔で心地よい状態を保つことが大切です。
また、安全に走ったり登ったりできる動線や遊びやすい環境を整えることで、子どもたちが自由に探索や運動を楽しめるように配慮してください。



寒さや体調管理に注意しながら、鼻水や汗などは優しく拭き、清潔で快適な状態を保つことで、探索や運動に集中して取り組めます。保育者は見守りつつ声かけを行い、子どもの主体性を支えてください。
【1歳児・2月の個人案】食育
【低月齢】1歳11ヵ月~2歳4ヵ月
- 一人ひとりの食べるペースに合わせて、見守りながらさりげなく援助する
- スプーンやフォークを使い、食べようとする意欲を見守る
- 楽しい雰囲気の中で食事をし、食べる喜びを感じられるようにする
食事は、単に栄養を摂る場ではなく、子どもが自分でやってみる意欲や成功体験を積み重ねる大切な機会です。
保育者は一人ひとりの食べるペースに合わせて見守り、必要なときに援助することで、安心して挑戦できる環境を提供しましょう。
また、スプーンやフォークを使って自分で食べようとする姿を認め、声かけや褒めることで自立心や達成感を育み、食事そのものを楽しい経験として感じられるよう配慮してください。



保育者が笑顔で声をかけ、子どもたちの頑張りを褒めたり、手伝ったりしながら必要な援助を行いましょう。食事がは嫌なものではなく、楽しいものだと感じられる関わりができると良いですね!
【高月齢】2歳5ヵ月~2歳10ヵ月
- 食器に手を添えて食べることを伝える
- 保育者と一緒に食前の挨拶をする
- 友だちと一緒に食べる楽しさを感じる
1歳7ヶ月〜2歳ごろは、手先の動きが安定し、食事の中で簡単な約束事を理解し始める時期です。
食器に手を添えて食べることを伝えることで、食べこぼしを防ぐだけでなく、落ち着いて食事に向かう姿勢が育ちます。
また、保育者と一緒に食前の挨拶をすることで、「これから食べる」という気持ちの切り替えがしやすくなります。
さらに、友だちと同じ空間で食事をする経験は、楽しい雰囲気を共有したり、簡単なやりとりを楽しんだりするきっかけになるでしょう。



「お皿を押さえると食べやすいね」「みんなでいただきますしようね」など、具体的に伝えましょう。保育者が実際に手本を示すと、より理解しやすくなります。
【1歳児クラス共通】子どもの姿 文例
- 一人ひとりの食べるペースに合わせて、見守りながらさりげなく援助する
- 楽しい雰囲気の中で食事をし、食べる喜びを感じられるようにする
- 保育者と一緒に食前の挨拶をする
この時期は「自分で!」となんでも挑戦したい時期です。
手先が不安定で、うまく食べられないこともありますが、一人ひとりのペースを大切にしながら、見守りを中心とした関わりが求められます。
また、「手を合わせる」「いただきますをする」など、保育者と一緒に挨拶をすることで、食事への気持ちの切り替えができ、落ち着いて食事に向かう姿も見られるようになります。



保育者や周囲の子どもたちと一緒に食事をすることで、楽しい雰囲気を感じながら「食べること」への意欲が高まっていきます!
【1歳児・2月の個人案】作成する際の注意点
1歳児は心身の発達に個人差が大きく、同じ月齢でもできることや興味はさまざまです。
2月ならではの気候や体調面にも配慮しながら、一人ひとりの姿に寄り添った個人案の作成を意識しましょう。
注意点を確認しておこう!
- 月齢差や発達の個人差を考慮した内容にする
- 寒さや体調変化に十分配慮する
- 子どもの「やってみたい」気持ちを大切にする
- 安全面を優先した環境構成を意識する
- 子どもの主体性を大切にする
特に2月は寒さや体調変化の影響を受けやすいため、子ども一人ひとりの健康状態や生活リズムに十分配慮しながら個人案を作成することが大切です。
言葉の発達や行動の幅も異なるため、その子なりの「やってみたい」気持ちや挑戦する姿を大切にしましょう。
また、安心して過ごせるよう安全面を優先した環境構成を整え、子どもの主体性を支える関わりを意識することが重要です。
【1歳児・2月の個人案】自己評価・反省の例文
自己評価・反省では、「できたこと」と「課題」をバランスよく振り返ることが大切です。
2月の1歳児の姿を思い浮かべながら、関わり方を振り返り、よかった点はより良く、反省点は次につながる改善策として整理していきましょう。
そうすることで、よりよい保育の提供が可能になります。
低月齢の自己評価・反省の例文
- 歩行が安定していない子には見守りを中心に、活発に動く子には十分に体を使える環境を用意するなど、それぞれの発達段階に応じた関わりを意識することができた。
- 活動が重なる場面では、子どもの思いや要求を十分に言葉で受け止められないことがあった。来月は、子どもたちの表情や仕草を丁寧にくみ取りながら、安心につながる言葉かけを意識していきたい。



子どもたちの具体的な姿や変化をもとに、どのような関わりが良かったのか、また改善が必要だった点は何かを明確にしましょう。
反省点は否定的に終わらせず、「次にどう活かすか」を添えることで、前向きで実践につながる内容になります。
高月齢の自己評価・反省の例文
- 一対一での関わりや丁寧な声かけを心がけたことで、保育者のそばで安心して遊んだり、身支度や食事に落ち着いて取り組んだりする姿が多く見られるようになった。
- 「自分でやりたい」という気持ちを受け止めながら見守ることで、身支度や遊びの場面で意欲的に挑戦する姿が増えた。



自己評価・反省は、その月の保育を振り返り、子どもとの関わりを整理するための大切な項目です。子どもに見られた変化や成長だけでなく、保育者自身の関わり方や配慮を振り返ることで、次の保育につながる視点が見えてきます。「何ができたか」「どこに工夫の余地があるか」を具体的に書くと、実践的な振り返りになります。
【2月】1歳児クラス共通の自己評価・反省の例文
- 寒さや体調変化に配慮し、衣服の調整や休息を意識したことで、安定した生活リズムで過ごす姿が多く見られた。
- 安全な環境を整えることで、子どもたちが安心して探索や運動遊びを楽しむことができた。



自己評価・反省を書く際は、子どもの姿を思い浮かべながら、まず「うまくいった関わり」を具体的に振り返ってみましょう。それを踏まえて「次はこう関わりたい」「このように環境を整えたい」と次につながる言葉で締めくくると、前向きな振り返りになります。








