園見学に行く際「どんな質問をすればいいの?」「質問するべきことはある?」「質問はしないといけないの?」などと、不安になる方は多いものです。
今回は、就職活動で園見学のときに聞いておくとよいことや、チェックしておきたい点をわかりやすく解説しています。
ぜひ、最後まで読んで実りある園見学にしてくださいね。
- 保育園見学を有意義なものにするためには事前の下調べが重要
- 園への理解を深めるための質問を積極的に行うと印象アップにつながる
- 話を聞く姿勢と質問のタイミングが好印象のポイント
Takako【元保育士】園見学では、どんなところを注意した方がいいのか、何を聞けばいいのかわからなくなりますよね。実際に足を運ぶことで園の雰囲気や現場のリアルな様子を感じ取ることができます。不安な気持ちも大切にしながら、自分に合う園を見つけていきましょう。


Takako 元保育士ライター
保育士歴7年、現在は男女2児の母をしています。保育現場で培った経験や知識を活かし、悩んだり困ったりしている保育士の方、保育士を目指している方の力になれるような記事を心がけています。


保育士の就活で「園見学」が大切な理由
就職先を決める前にどのような保育園かを知ることはとても重要です。
園見学は、求人だけではわからない実際の雰囲気や、現場で働く保育士のリアルを知ることができます。
また、気になる点を事前に整理しておけば、質問を通して園への理解を深める機会になります。
実際に足を運ぶことで、自分が働く姿を具体的にイメージしやすくなるでしょう。
入職後に「人間関係が良くなかった」「業務負担が多かった」などと後悔しないためにも、園見学は欠かせません。


保育園見学の前に準備したい4つのポイント
園見学をする際は、事前の準備がとても大切です。
事前にしっかり準備をしておくことで、当日に焦らず落ち着いて見学に臨むことができます。
園見学を通して知りたいことを明確にしておくこともポイントです。
ここでは、事前に準備しておきたい4つのポイントを紹介しているので参考にしてください。
保育園見学の申し込みをする
- 申し込みは、電話やメールなど園によって指定されている場合があるので注意
- 電話の場合は忙しい時間を避ける
- 運動会や生活発表会などの大きな行事の前は避ける
- 持ち物や服装を確認しておく
- マナーある言葉づかいを意識する
- 園見学の希望日時をいくつか用意しておく
保育園見学を希望する際は、まず園に連絡を取り、希望日を伝えます。
電話やメールで申し込みが可能な園が多く、電話の場合は登降園時などの忙しい時間帯や行事前の期間を避けましょう。
また、持ち物や服装を指定される場合もあるので、事前に確認しておくと安心です。
園見学の申込の際に、確認したい内容をあらかじめ整理しておくと、より有意義な見学になります。
以下に確認しておくべきことをまとめたので、参考にしてください。
- 日付
- 時間
- 持ち物
- 服装
- 園への入り方(インターフォンを押して入るのか、職員入り口を使用するのか)
- 見学中の注意事項
- 担当者の名前と連絡先
- 当日の交通手段や駐車場の利用が可能か
自分に合った園を見極めるために、積極的に園の雰囲気を感じ取りましょう。
公開情報(HP・求人票・SNS)を確認する
就職を希望する園の求人票だけでなく、HPやSNSも積極的に確認しましょう。
求人には載っていない情報や、実際の保育の雰囲気、働く職員の様子などを事前に知ることができるのでおすすめです。
求人内容や募集条件の他に、待遇などもあわせて確認することで、自分に合った園かどうかの判断がしやすくなります。
また、園の理念や保育方針、年間行事などもチェックしておくと園見学や面接時の質問に活かせます。
質問リストを事前にまとめる
園見学に行く際は、事前に質問リストを作成しておくと、確認漏れをすることなく情報をしっかりと得られます。
事前にまとめることで、当日慌てずに質問でき、園との相性や自分に合った働き方を判断しやすくなります。
以下に質問リストの一例を記載しますので、参考にしてください。
- 保育方針と保育理念
- 人間関係
- 残業の有無
- 業務量の多さ
- 園の特色や大切にしていること
- 有給のとりやすさ
- 土曜日保育の勤務体制
気になることは遠慮せず質問しましょう。
保育園見学でのあいさつの例
- 本日はお忙しい中、見学の機会をいただきましてありがとうございます。〇〇と申します。よろしくお願いいたします。
- こんにちは。本日は園の様子を拝見させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
- 本日は園の雰囲気や保育の様子を見せていただき、ありがとうございました。大変勉強になりました。
- 今日はありがとうございました。園の保育方針や環境を直接拝見できて、とても参考になりました。
保育園見学の際は、明るく礼儀正しく行動し、ハキハキと話すことが大切です。
開始時に簡単に自己紹介をし、見学中は先生や園児の様子に配慮しながら、保育の妨げにならないように気をつけてください。
手が空いていそうなタイミングを見計らったり、近づく前に軽く会釈をしたりして、失礼のないように声をかけると好印象です。
見学を終えたら感謝の気持ちを伝え、印象に残ったことをまとめると、より充実した時間になりますよ。
保育園見学で聞くべき質問項目
園見学は、実際の雰囲気を知るだけでなく「ここで自分が働くイメージを持てるか」を確かめる大切な機会です。
当日の見学では、園の方針や職場環境、保育内容など気になる点を具体的に質問してみましょう。
事前に質問を準備しておくことで、園への理解が深まり、自分に合った職場かどうかを見極めやすくなります。
ここでは、園見学の際に聞いておきたい質問項目をいくつか紹介します。
保育方針・子どもとの関わり方に関する質問
保育園の雰囲気や教育方針を知るために、保育理念や保育方針について質問してみましょう。
保育理念とは、その園が大切にしている考え方や姿勢のことで、保育方針とは、保育理念を実現するための具体的な保育の方向性を指します。
また、1日の保育の流れ、行事や制作活動がどのような目的で行われているのかなどを尋ねると、園の教育姿勢や子どもへの関わり方がより具体的に見えてくるでしょう。
園がどのような理念をもって保育をしているのか確認することが、自分に合った職場を見つける鍵になります。
職員の働き方・人間関係に関する質問
円滑でスムーズな保育を行うためには、職員の連携が必要不可欠です。
働きやすい環境かどうかを知るために、職員同士の連携体制やサポート体制について質問してみましょう。
たとえば、日々の情報共有の方法やクラス間の協力体制、困ったときのフォロー体制などを確認すると、職場の雰囲気が見えてきます。
また、残業や持ち帰り仕事の有無、産休・育休からの復帰実績を尋ねることで、長く安心して働ける環境かどうかも判断しやすくなります。
行事や保護者対応に関する質問
行事や保護者対応は、園の雰囲気や働き方を知る上で大切なポイントです。
行事の準備や分担方法を尋ねることで、職員同士の協力体制や業務量のバランスが具体的に見えてきます。
保護者対応で意識していることや、コミュニケーションの取り方について質問すると、園が保護者との関係をどのように大切にしているかが分かります。
行事や対応の考え方を知ることで、自分の価値観や働き方に合った園かどうかを判断しやすくなるのでしょう。
設備・環境に関する質問
園の設備や環境は、子どもたちが安心して過ごせるかを左右する非常に重要な要素です。
- 園舎の構造
- 園庭の広さ
- 遊具の安全性
- 保育室やトイレの清潔さ など
また、災害時や不審者侵入などの緊急時に備えた安全管理や防災面の取り組みについて質問しておくと安心です。
非常用設備や避難訓練の実施状況、防犯対策などを把握することで、子どもへの安全配慮や職員の危機管理意識を知ることができます。
園見学で印象の良い質問例
園見学では、園のことを知るだけでなく、自分の考え方や意欲を伝えるチャンスでもあります。
どんな質問をするかによって、園への関心度や学ぶ姿勢が伝わり、印象を大きく左右します。
園への理解を深めるために必要な質問を積極的にしましょう。
ここでは、前向きさや経験をアピールできる質問例を紹介します。
前向きさ・意欲が伝わる質問
- 「〇〇という保育方針をHPで拝見しましたが、具体的にどのように関わっているのか教えていただけますか?」
- 「日々の保育の中で大切にしていることや工夫していることを教えてください」
- 「〇〇活動を通して子どもたちに身につけてほしい力は何か教えてください」
- 「入職後に学ぶべきことやスキルアップの機会はどのように用意されていますか」
園見学や面接で前向きさや意欲を伝えるには、園の保育方針や教育内容、職員サポート体制に関する質問がおすすめです。
たとえば、HPやSNS等で得た情報、日々の保育の工夫について質問してみましょう。
園を知ろうとする姿勢や、学ぶ意欲が伝わりとても好印象です。
具体的な事例や成功体験を尋ねることで理解が深まり、こうした質問を通して自分に合った園かどうかを見極めることができます。
経験者らしさが伝わる質問
- 「今まで自分は〇〇に力を入れていましたが、こちらではどんな工夫をされていますか?」
- 「年齢ごとの発達に合わせて〇〇という取り組みを行っていましたが、こちらではどのように工夫されていますか」
- 「以前は〇〇の方法で子どもとの関わりを工夫していました。御園ではどのような方法を取り入れていますか」
前職で保育経験がある場合は、経験者としての視点で学ぶ意欲をアピールしましょう。
例えば、前の園で取り組んで身につけたことや工夫していたことがあると、採用側も具体的な経験や考え方をイメージしやすくなります。
また、過去の成功事例や改善経験をもとに質問することで、園側に前向きで実践的な姿勢が伝わります。
こうした姿勢は、入職後の活躍をイメージしてもらううえでも有効です。
園見学で避けた方がいい質問・聞き方
園見学では、気になることを確認することも大切ですが、質問の内容や聞き方によっては、園側にマイナスの印象を与えてしまうことがあります。
特に、待遇や休みなどの条件面ばかりを尋ねたり、ストレートすぎる聞き方をしたりするのは注意が必要です。
ここでは、避けた方がいい質問の例や聞き方のポイントを紹介します。
給料・待遇など、直接的すぎる質問
- 「初任給はいくらですか?」
- 「ボーナスは何ヶ月分ですか?」
- 「どのような福利厚生がありますか?」
給料や待遇など気になるところではありますが、園見学で聞くには直接すぎて悪い印象を与えかねません。
園見学は園の雰囲気や保育方針、子どもとの関わり方を知るための場であり、待遇面の話ばかりに偏ると学ぶ意欲や関心が薄いと受け取られることもあります。
給料やボーナス、福利厚生などの具体的な条件は、面接や内定後の条件確認のタイミングで質問するのが適切です。
園見学では、保育内容や職員の連携、園の工夫に関する質問を中心に、前向きな姿勢を示すことが好印象につながります。
他園との比較・ネガティブな質問
- 「○○園ではこういうやり方をしていましたが、御園はどうですか?」
- 「この園では職員同士の人間関係は悪くないですか?」
園見学では、他園との比較やネガティブな質問は避けましょう。
他園と比べるような質問は、園側に否定的な印象を与えかねません。
他園との比較・ネガティブな質問の場合は以下のように言い方を変更するだけで、グッと印象が良くなります。
- 「○○園ではこういうやり方をしていましたが、御園はどうですか?」
→御園ではどのような方法で保育をされていますか?
- 「この園では職員同士の人間関係は悪くないですか?」
→「職員の皆さんはどのような雰囲気でお仕事されていますか?」
上記のように、印象をよくする言い回しにしましょう。
質問の数が多すぎて時間を取りすぎる
- 「このクラスの子どもはどんな性格ですか?」
- 「遊具や備品はどこのメーカーですか?」
- 「休憩時間やお昼の自由時間はどれくらいですか?」
「何か質問しなくては!」と思うあまり、園の雰囲気や保育の姿勢を知る目的とは直接関係が薄いことを聞く必要はありません。
学ぶ意欲が伝わる質問に絞ることで、短時間でも有意義な見学ができます。
もし、園見学で質問が思いつかなかった場合は無理に質問をしなくても大丈夫です。
その際は、次のように簡潔に伝えると好印象です。
- 「質問は特にありません。ご丁寧にありがとうございました。」
- 「本日は色々と見学させていただき、ありがとうございました。」
質問がなくても、明るく礼儀正しい態度を示すことで、印象は十分良くなります。
【先輩保育士の実体験】園見学で「聞いておいてよかった」質問
ここでは、園見学で実際に役立った質問例を、先輩保育士の体験から紹介します。
園見学の際の質問の参考にしてください。



まず、『保育理念の具体的な実践方法』を聞きました。
保育理念が日々の保育でどのように実践されているかを確認することで、具体的に子どもたちの関わりや活動に活かされているかを理解できました。
保育理念と現場のギャップを知ることで、自分に合った職場か判断できたのでよかったです。



次に、『行事や制作活動の進め方』を聞きました。
これにより、園の保育方針や特色を具体的に理解することができ、とても参考になりました。
どの程度職員が関わるのか、子ども主体か先生主体かといった実際の保育の進め方を知ることで、職場の雰囲気や教育方針との相性を見極める材料にもなります。
園見学における質問のタイミングとマナー
園の案内や保育中の活動を妨げずに、必要な情報を効率よく得るためには、事前の準備やマナーの理解が欠かせません。
たとえば、見学中に立て続けに質問をすると、園の先生や子どもたちの活動の流れを乱してしまう可能性があります。
見学中に話の流れを妨げず、好印象を与えつつ必要な情報を効率よく得るためのポイントやマナーを押さえておきましょう。
見学の流れを妨げないようにする
園見学では、案内や説明を遮って質問をしないように注意しましょう。
積極的な姿勢は素晴らしいのですが、保育中や案内中に立て続けに質問すると、園の活動や見学の流れを妨げてしまう可能性があります。
質問は相手の話が終わってからや手が空いているタイミングを見計らい、簡潔にまとめて聞くことで、好印象を与えつつ効率よく必要な情報を得られます。
メモに質問をまとめながら見学をし、「質問はありますか?」と聞かれたタイミングで聞くのも有効です。
メモを取りながら丁寧に聞く
園見学では、メモを取りながら丁寧に話を聞くことが大切です。
メモを取ることで、見学中に聞いた内容を整理でき、後から振り返る際にも役立ち、限られた時間でも効率よく必要な情報を得られ、好印象を与えられます。
見学後にメモを見返して感想や疑問点をまとめておくと、面接で具体的な質問ができるほか、志望動機や自己PRにも活かせます。
最後に「質問してもよいですか?」と断る
園見学で質問をする際はいきなり話し始めるのではなく、まず「質問してもよいですか?」と一言断ると丁寧です。
これにより、保育者の手が空いているタイミングを確認でき、保育中や案内の流れを妨げずに質問できます。
また、事前に質問内容を整理して簡潔にまとめておくことで、短時間でも効率的に必要な情報を得られ、好印象を与えられます。
園見学での逆質問に備えておこう
保育園側から「質問はありますか?」と逆質問をいただくことがあります。
逆質問が求められる理由は、応募者が園について理解しようとする姿勢や学ぶ意欲を確認するためです。
質問を通して、園側は応募者が保育の方針や職場環境に関心を持っているか、職場でどのように貢献できそうかをチェックしています。
逆質問に備えて意識するポイントは以下の通りです。
- 事前に質問内容を整理して優先順位を決める
- 保育方針や職員連携など、学ぶ意欲が伝わる内容にする
一方で、NG例は以下のようなものがあります。
- 給料や待遇、福利厚生などの詳しい情報を聞く
- 求人やHPに記載されている事項を聞く
- 「わかりません」と言うこと
逆質問の際も、質問がなければ無理に作る必要はありません。
「とても丁寧に説明いただいたので、大丈夫です。ありがとうございます。」と笑顔で気持ちよく伝えるだけで十分です。


まとめ
園見学で大切なことは、事前準備と「園を知りたい」という意欲的な姿勢です。
園見学の目的を明確にし、園のHPやSNS等で情報収集を行うことで効率よく必要な情報を得られます。
また、質問リストを作成しておくことで、当日慌てずに必要な情報を確認でき、園との相性や自分に合った働き方を判断しやすくなります。
今回紹介したポイントを抑えて、意味のある園見学にしてくださいね。







