保育士の採用面接でよく聞かれる「どんな保育をしたいか」という質問。
しかし、何と答えていいのか悩む人も多いのではないでしょうか。
まずは、自分が理想とする保育士像を考えるといいでしょう。
園は、あなたの人柄や意欲を知りたいと思っています。
今回は、面接で役立つ回答のポイントと例文を一つずつ解説します。
面接で、園に良い印象を持ってもらえるように、ぜひ記事を参考に準備をしてみてくださいね。
- 保育士の採用面接で聞かれることは人柄や保育観
- 「どんな保育をしたいか」聞かれた時の回答例をご紹介
- 「どんな保育をしたいか」聞かれた時の回答の3つのポイント
- NG回答の例や押さえるべきポイントを解説
- 「どんな保育をしたいか」を考えるヒントを先輩保育士の目線で伝授

特に、新卒の方は何と答えていいのかわからず困ってしまいますよね。面接で実際に使える例文と合わせてご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。あなたの人柄をしっかり伝えるために、準備しておきましょう。


Yama 幼稚園教諭ライター
幼稚園教諭歴10年、保育士資格有。体を動かすことが好きで、一緒に走り回って遊んでいました。現在は2児の母をしながら、子育てと保育の経験を活かしてWebライターをしています。
保育士の採用面接で聞かれることは?
保育士の採用面接では、あなたの人柄を知るために志望動機を始め様々な質問をされます。
自分の経験を元に、具体的に子どもとどのように関わっていきたいのかを伝えることが重要です。
面接前にぜひ参考にしてくださいね。


志望動機
保育士の採用面接でまず聞かれるのは、志望動機でしょう。
園側は、なぜ園を選んだのか、どのような保育観を持っているのかを知りたいと考えています。
また、園の方針とあなたの保育に対する考え方が合っているかどうかも、重要なチェックポイントです。
事前に、園の保育方針や求める人物像をしっかり調べておくといいでしょう。
自分の保育観と園の方針が一致していることをアピールできれば、面接官にも好印象を与えられますよ。
保育観の質問
面接では「どんな保育をしたいか」という保育観についてもよく質問されます。
あなたが子どもたちとどのように関わり、どんな成長をサポートしたいと考えているのかを知るための質問です。
園側は、保育観が理念や方針と合っているかを確認したいのです。
働く意欲と共に自分が大切にしたい保育や、子どもたちにどんな体験をさせたいかを具体的に伝えるといいでしょう
園との相性の良さをアピールすることがポイントです。
スキル・経験の確認
面接では、ピアノや工作などの実技スキルや、子どもとの関わり方についても質問されることが多いです。
スキルを通じて、日々の保育活動で活かせる特技や、子どもたちと信頼関係を築くため、保育に活かせるかを知りたいと考えています。
例えば、「ピアノで歌遊びを盛り上げた」「工作で創造力を伸ばした」など、具体的なエピソードを伝えると印象が良くなります。
自分らしい関わり方をアピールすることが大切です。
職場適応性の確認
職場での適応力を見るために、長所や短所、チームワークについても質問されるでしょう。
園側は、あなたが自分自身の性格や行動をどれだけ客観的に理解しているか、自己分析ができているかを重視しています。
また、保育現場ではチームワークが非常に重要ですので、他の職員と協力しながら保育を進められるかも知りたいと思っています。
自分の性格や特徴、チームで働く際に心がけていることなどを具体的に伝えると、安心感を持ってもらえるでしょう。
逆質問の機会
面接の終わりには、園について質問できる「逆質問」の時間が設けられることが多いです。
園の雰囲気や働き方、保育方針など、気になることを直接確認できる貴重なチャンスですね。
また、逆質問を通じて園への関心や意欲があることをアピールすることもできます。
「どのような保育行事がありますか?」や「職員同士のコミュニケーションで大切にしていることは何ですか?」など、具体的な質問を用意しておくと良いでしょう。
保育観の質問「どんな保育をしたいか」への回答例文
「どんな保育をしたいか」という保育観の質問には、様々な意図があるでしょう。
例えば、子どもとの関わりの部分のことや、保護者との接し方について答えるべきパターンがあります。
ここでは実際に、細かく聞かれた際の回答例文をご紹介します。
質問の意図を理解し、園側が求めていることを汲み取りながら応答できるように準備しておきましょう。
「子どもの気持ちに寄り添った保育」の回答例文
私は、子ども一人ひとりの気持ちにしっかり寄り添う保育を大切にしたいと考えています。
子どもが感じていることを丁寧に受け止め、気持ちを尊重しながら関わり、安心して過ごせる環境を作りたいです。
例えば、お散歩に行きたくないという子がいた場合、ただ「早く行こうね」と促すのではなく、「どうしたのかな?何か気になることがあるの?」と声をかけてみます。
子どもが自分の気持ちを表現できるように見守り、温かくサポートする保育を心がけていきたいと思っています。
「例えば」と例を挙げ、具体的にどんな状況で、子どもに寄り添うことができるのか伝えるといいでしょう。
園側も普段、あなたが子どもと関わる時に意識していることを知りたいと思っているのです。
「子どもの個性を伸ばせる保育」の回答例文
私は、子ども一人ひとりの個性や興味を大切にし、それぞれが持つ良さを伸ばせる保育をしたいと考えています。
子どもたちが自分の好きなことや得意なことに自信を持ち、のびのびと表現できるようになってほしいです。
例えば、子どもの興味や得意なことをよく観察し、「夢中になれること」を見つけてあげ、創造性や自由な発想を発揮できる環境を作ります。
子どものペースを尊重し、比較せず、できたことや努力したことをしっかり褒めて自信に繋げてあげたいです。
子ども一人ひとりの良さを育てるために、まずは自信や創造性を伸ばしたいという保育観をポイントに伝えています。
他にも、集中している時は見守ったり、失敗を責めず挑戦する気持ちを応援したりするなどを挙げてもいいでしょう。
「保護者との連携を重視する保育」の回答例文
私は、保護者の方との連携を大切にした保育を心がけたいと考えています。
子どもの成長や日々の様子をこまめに伝え合い、ご家庭と協力しながら一人ひとりに合ったサポートをしていきたいです。
例えば、朝や帰りの送り迎えの際の短い会話でも、保護者の方の思いや不安にも丁寧に耳を傾けていきます。
良いことだけでなく、気になる行動やトラブルについても事実を正確に伝え、信頼関係を築くことで、子どもが安心して過ごせる環境づくりを目指します。
具体的にどんな場面で、保護者と連携を取ろうと思っているのかを示すことがポイントです。
また、家庭と密な関係を築くことで子どもにいい影響を与えられると説明することも、あなたの思いが伝わりやすいでしょう。
「どんな保育をしたいか」への回答のポイント
面接で「どんな保育をしたいか」と聞かれた際、園側の意図を汲み取りながら回答するために3つのポイントがあります。
事前にできる準備として、自分の保育観を明確にしておいたり、志望園の方針などを調べておいたりすることが重要です。
ここでは、質問された時に、スムーズに答えられるようにポイントについて解説します。
自分の保育観を明確にする
「どんな保育をしたいか」を答える際は、まず自分自身の保育観をはっきりさせることが大切です。
自分が子どもとどのように関わりたいのか、保育の中でどう成長をサポートしていくのかを具体的に例を挙げてみましょう。
例えば、「子どもの気持ちを大切にしたい」「個性を伸ばしたい」など、自分の思いや目指す保育の姿を言葉にします。
自分の保育観がぶれてしまうと不信感に繋がってしまうため、園に自分らしさが伝わるよう意識してみてくださいね。
具体的な経験やエピソードを交える
自分の保育観を伝える際には、実際の経験やエピソードを交えて話すことが効果的です。
例えば、「子どもの気持ちに寄り添った声かけをしたことで、笑顔が増えた経験があります」といった例を挙げると、説得力が増しますね。
気を付けたいのは、抽象的な表現ではなく、聞き手がイメージしやすいように詳しく説明できる話を選びましょう。
自分がどのように子どもと関わり、どんな工夫をしたのかを伝えることで、園側にもあなたの保育への思いがより伝わりやすくなりますよ。
志望園の方針と関連付ける
志望する園の方針や理念と結びつけて、自分の保育観を伝えることが大切です。
園の教育理念や特徴を事前に調べ、自分の経験やエピソードの中から「園が大切にしていること」と重なる内容を伝えましょう。
また、園見学で感じたことや、先生方の子どもへの関わり方に共感した具体的な例を挙げるとより説得力が増します。
自分の経験を結びつけて伝えることで、「この園だからこそ働きたい」という熱意が伝わりやすくなります。
「どんな保育をしたいか」と聞かれた時のNG回答は?
面接では自分の感じていることや考えたことを、素直に回答する必要があります。
しかし、ポイントを抑えておかないと悪い印象を与えてしまう可能性があります。
相手に思いを伝えるためには「具体的に話す」ということが、とても重要です。
下記では、NGな回答例と合わせて気を付けたいポイントについて解説していきます。
抽象的すぎる回答
前向きな言葉で一見するといい印象を与えそうですが、内容が漠然としていて具体性がありません。
どのように楽しく過ごせるようにするのか、どんな工夫や考えを持っているのかが伝わらないでしょう。
園側は、あなたの保育観や実際の子どもとの関わり方を知りたいのです。
抽象的な表現では自分らしさをアピールすることができないため、評価されにくくなってしまいます。
自分の経験や具体的なエピソードを交えて話すことが大切です。
園の方針と合わない回答
園が大切にしている保育方針と異なる回答は、マイナスの印象を与えてしまいます。
園ごとに保育のスタイルや特徴があるので、それを無視したり、自分のやりたいことだけを強調すると、協調性や柔軟性がないと捉えられやすいです。
例えば「自然体験や外遊びを重視する園」や「子どもの主体性や自由な発想を大切にする園」など、それぞれの特徴があるでしょう。
事前に園の方針をよく調べて、自分の考えとすり合わせておくことが大切ですね。
経験不足を強調する回答
上記の回答は、一見すると正直で素直に感じられますが、主体性や意欲が伝わりにくくなってしまいます。
人任せな印象を与えてしまいかねません。
新卒などで経験が浅くても、自分なりに考えている保育観や、目指したい保育士像を伝えることが大切です。
実習で経験したことを話すと、具体的に話せるのではないでしょうか。
自信がなくても前向きな姿勢を示すことで、成長する意欲ややる気がしっかり伝わりますよ。
理想論だけの回答
理想的なイメージを語ってはいますが、あたなが行おうとしている具体的な取り組みや工夫が全く伝わってきません。
園側は、あなたがどんな考えや経験をもとに、今後の保育をしたいと思っているのかを知りたいのです。
言葉で理想だけを述べるのではなく、自分なりの工夫や経験したことや、実現したいと思ったエピソードを交えて話すことが大切ですね。
「言葉だけの理想論」と捉えられてしまわないように、しっかりと説明できる準備をしておくといいでしょう。
【先輩保育士からのアドバイス】「どんな保育をしたいか」を考えるヒント
「どんな保育をしたいか」を考える時は、まず自分が理想とする保育士像を思い描いてみると良いですよ。
自分が園児だった時の先生や、実習先で出会った保育士の姿を思い浮かべると想像しやすいでしょう。
素敵だなと感じた保育の場面を覚えておくことも、ヒントになります。
また、自分が子どもと関わった中で嬉しかったことや印象に残った出来事から、「自分はどんな関わり方をしたいのか」「どんな環境を作りたいのか」を考えておくといいですよ。
まとめ
今回は、面接で役立つ回答のポイントと例文を一つずつご紹介しました。
抽象的な内容や、理想を追い求めすぎて中身が薄いエピソードは、逆に悪い印象を与えてしまう可能性があります。
良い印象を与え、一緒に働きたいと思ってもらうために話をします。
自分自身が実際に体験したことや、考えたことなど具体的な例を挙げて話すと伝わりやすくなりますよ。
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