春の終わりから初夏にかけて、野原にそっと顔を出すクローバー。
やさしい緑とかわいらしい葉の形は、子どもたちにも親しみやすく、製作あそびの題材としてもぴったりです。
今回は、発達段階に応じて楽しめるクローバー製作を年齢別にご紹介します。
指先を使った感触あそびや、色の違いに気づく体験ができますよ。
さらには四つ葉のクローバーに込められた“しあわせ”のイメージまで、子どもたちの心に寄り添う活動を提案します。
梅雨の時期の室内あそびにも最適ですよ。
- 月齢や発達に応じたクローバー製作の具体例を知ることができる
- 指先の感覚や手の動きを育てるための工夫された製作アイデアがわかる
- 雨の日の室内活動として取り入れやすい、季節感のある遊び方を紹介
- 幸せをテーマにした「四つ葉のクローバー」で心の育ちにもつながる保育を考えられる
【0~1歳児におすすめ】クローバーの製作4選
0~1歳児は、視覚や触覚などの感覚に働きかける体験がとても大切な時期です。
製作あそびも、完成度より“手を動かす”“色に触れる”“素材にふれる”といったプロセスを楽しむことが中心になります。
クローバー製作では、やわらかい素材や大きめのパーツを使って、子どもたちが安心して取り組めるよう工夫されたアイデアが効果的です。
誤飲を防ぎながらも、自然のモチーフに触れられる製作を通して、豊かな感覚の芽を育てていきましょう。
コーヒーフィルターDE四葉のクローバー
春の草花の中でも、特に親しみやすいクローバー。
0~1歳児クラスでは、ふんわりと優しい色合いの素材に触れる体験が大切です。
この製作では、コーヒーフィルターに絵の具を染み込ませることで、春らしい色彩のクローバーが出来上がります。
ねじる工程では、保育士が輪ゴムで固定すると、子どもが持ちやすく作業もスムーズに。
仕上がった葉をたくさん集めてリースや壁面に飾ることで、春の自然を感じる空間演出にもつながります。
色遊び・感触遊びとしてもぴったりです。
- コーヒーフィルター
- 水彩絵の具(緑系2~3色)
- 新聞紙
- 輪ゴム
- 水を入れる容器
- のり
- はさみ
- まず、コーヒーフィルターのチャック部分を切り落とし、半分に折ってからさらに半分に折ります。
- 葉の形をイメージしながら丸くカットし、先端部分をきつくねじって立体感を出します。
- 緑や黄緑の絵の具をプリンカップなどに用意し、ねじった先端を染めていきましょう。
- 乾かしてから台紙に貼れば、可愛らしいクローバーの完成です。
- 葉を4枚組み合わせると四つ葉に。リース状にして壁に飾ると、華やかな春の装飾になりますよ。
指スタンプでクローバーを作ろう
指先を使って楽しめる、0~1歳児にぴったりのスタンプあそびです。
クローバーの葉を、子どもの指で「ぺたっ」と描き出していくことで、感触遊びにもなります。
画用紙で用意したクローバーの土台に指スタンプで色を加えていく過程で、色や形の変化にも気づきやすくなります。
言葉がまだ少ない子でも、目の前で起きる変化を楽しみながら製作できるので、集中力や好奇心を育む効果も。
絵の具の量を調整しながら、安全に取り組みましょう。
- 画用紙(緑など)
- ハサミ
- 絵の具
- 紙皿
- まず、保育者が画用紙でクローバーの葉の形を用意しておきます。
- 色画用紙をハート型に4枚切って台紙に貼っておくと、指スタンプが映えます。
- 紙皿などに緑や黄緑の絵の具を少量ずつ出し、子どもの指先につけて「ぽんぽん」と押していきましょう。
- 葉の周囲を囲んだり、葉脈のように線を引いたり、自由にスタンプを重ねてもOK。
- 乾いたら飾っても可愛い作品になります。色の違いや感触を楽しむきっかけにもなる製作です。
手形アート*クローバー
まだおしゃべりができない赤ちゃんの、「今」を残せる手形アート。
四つの手形を使って、まるで四つ葉のクローバーのような形に仕上げることができます。
小さな手をそっと画用紙にのせて、パパやママにも見せたくなるような記念作品に。
季節のイベントに合わせて取り入れることで、成長記録としても価値のある製作になります。
0〜1歳児クラスでは、保育士が丁寧に補助しながら進め、安心して楽しく参加できるように工夫しましょう。
- 画用紙
- 絵の具
- マスキングテープ(お好みで)
- 子どもの手のひらに緑の絵の具を塗り、画用紙に手形を4回押していきます。
- 手のひらが中央を向くように配置すると、クローバーの形がきれいに見えます。
- 乾いたら、緑の画用紙を細く切って茎の形にし、中央部分に貼りましょう。
- 茎の周囲を緑色のテープやシールで補強・装飾すると、より見映えがします。
- 完成した作品は、壁面や保護者へのプレゼントにもぴったり。愛情を感じられる、温かいクラフト作品です。
デカルコマニーでつくるお庭のクローバー絵画・製作
絵の具を挟んで模様を転写する「デカルコマニー」の技法を使って、0〜1歳でも楽しめるクローバー絵画の製作あそびです。
偶然できる模様が面白く、できあがった模様を「葉っぱ」「お花」と見立てることで想像力も広がります。
紙を開く瞬間のワクワク感もあり、繰り返し楽しめる活動です。
ハート型に切った画用紙に貼ってクローバーに仕立てれば、世界に一つだけのアート作品に。
雨の日の室内活動にもぴったりな製作です。
- 台紙(正方形の画用紙)
- 葉っぱ(緑の画用紙)
- お花紙
- モール
- 絵の具
- クレヨン
- はさみ
- のり
- ボンド
- まず、緑の画用紙を半分に折り、片面に白や黄色の絵の具を垂らして模様を描きます。
- そのまま折りたたんで軽く押さえると、反対側にも模様が転写されます。
- 紙を開いた瞬間に、左右対称の模様が浮かび上がるのがポイントです。
- 乾かしてからハート型に切り、4枚をクローバーのように配置して貼りましょう。
- 中心に紙花を添えたり、台紙に貼って周囲を飾ったりして完成です。
- 驚きと発見が詰まったアート作品になります。
【2~3歳児におすすめ】クローバーの製作4選
2〜3歳児は、少しずつ指先の動きが器用になり、道具を使った活動も楽しめるようになります。
クローバーの製作あそびも、のりを使って貼ったり、スタンプを押したりと、自分で作ったという実感が得られる内容にしてあげましょう。
また、「四つ葉のクローバーってラッキーなんだよ」など簡単なエピソードを交えて伝えると、製作がより特別なものになりますよ。
子どもたちの表現意欲がさらに高まり、ごっこあそびにもつながる活動としてもおすすめです。
四つ葉のクローバーリースを作ろう♪
2〜3歳児でも楽しく取り組める、折り紙を使った四つ葉のクローバー作りです。
完成したクローバーをつなげてリース状にすると、春らしい壁面装飾やお部屋のアクセントになります。
折る・切る・貼るという工程が自然に含まれているため、手指の器用さや空間認識力の育成にも役立ちます。
折る向きや切り方など、難しい部分は大人が補助しながら一緒に進めましょう。
完成後はみんなで飾って、季節の変化を楽しめる作品に仕上げてみてください。
- ハーモニー折り紙6枚(7.5㎝・緑色)
- レースペーパー 1枚(直径20㎝)
- アートシール
- 折り紙を縦に半分、その後もう一度半分に折りたたみ、さらに三角形になるよう折っていきます。
- カーブを描くようにハート型にカットすると、開いたときに四つ葉のクローバーの形が現れます。
- 立体感を出すため、完成したクローバーをさらに折って軽くふくらませます。
- 中心に丸いシールや花のパーツを貼れば華やかに。
- 数枚作って輪に貼り付ければ、季節感たっぷりのクローバーリースになりますよ。
スポンジスタンプクローバー
スタンプあそびが大好きな2〜3歳児にぴったりな、スポンジスタンプで作るクローバーの製作です。
ふんわりしたスポンジの感触や、絵の具がにじんで広がる様子を目で見て楽しむことができ、感触遊びにもつながります。
スタンプの形はハート型にすることで、3つ重ねてクローバーに見立てることができます。
仕上げに茎を描き足すことで、完成度がグッとアップ。
自由な発想で色を変えたり、複数スタンプを押してにぎやかな作品に仕上げましょう。
- 緑色のスポンジ(ハート形にカット)
- 緑の絵具またはパフペイント(泡仕立ての絵具)
- 台紙
- スポンジをハート型に切り、絵の具をつけて台紙にポンポンとスタンプしていきます。
- 3つのハートを少し重ねるように押すと、クローバーの葉に見えます。
- 葉の下には筆で茎を描き足します。
- 子どもの手で押すのが難しい場合は、保育者が持ち手を作って補助してもOK。
- スタンプするたびに色の出方が違うので、同じ作業を繰り返しても飽きずに楽しめます。
- 乾かしてから画用紙に貼って壁面に飾れば、楽しい春の装飾になります。
パイプクリーナーで作る立体クローバー
ふわふわのパイプクリーナーを使って、可愛い立体クローバーを作る製作あそびです。
くるくる曲げたり、ねじったりと、手の力や細かな動きを使う工程が多く、2〜3歳児にとっては楽しく挑戦できる活動になります。
柔らかくて扱いやすい素材なので、安全面も安心ですよ。
完成したクローバーは、手に持って遊んだり、吊るして飾ったりと自由度が高く、春らしい教室の装飾にもぴったりです。
大人のサポートと一緒に取り組みましょう。
- 緑色のパイプクリーナー(太めが扱いやすい)
- 安全なモールワイヤー用はさみ
- パイプクリーナーを3本用意。1本を茎用に空けて、残り2本を葉っぱ用に使用します。
- 葉っぱ用の2本をそれぞれハート形に曲げます(2〜3歳には見守りながら)
- ハート形にした2本を、中心でねじって固定。
- 茎用のパイプクリーナーで葉っぱの根元を巻きつけて、しっかり固定します。
- 葉っぱがふんわり立つように、ちょっと広げたら完成!立体感も楽しいクラフトです
クローバー風サンキャッチャー
光に透けてきらめく、クローバー型のサンキャッチャーを作ってみましょう。
透明感のあるセロファンを使った製作は、色の重なりや光の反射を楽しむことができ、2〜3歳児の感性を刺激してくれます。
小さなパーツの扱いは保育者が補助しながら進めることで、子どもたちも安心して取り組めるでしょう。
窓辺に吊るせば光が差し込んで、まるでお部屋に春の光が差し込んだような雰囲気に。
季節感のある飾りとして、長く楽しめます。
- 緑のトレーシングペーパーまたはセロファン
- はさみ(お手伝いしながら)
- のりスティック、穴あけパンチ、ひもまたはリボン
- クローバーの型紙を用意して、子どもと一緒にトレーシングペーパーに写し取ります。
- 中をくり抜いた枠を作り、その中に緑や黄緑、透明のセロファンを小さく切って貼り付けていきます。
- のりはスティックのりやでんぷんのりがおすすめ。
- 端にパンチで穴を開け、紐やリボンを通して吊るせるようにします。
- 晴れた日に窓辺に飾れば、光が透けて色が広がる様子を子どもたちと一緒に楽しむことができます。
【4~5歳児におすすめ】クローバーの製作4選
4~5歳児になると、手先の細かい動きや構成力が発達し、意図をもって製作に取り組めるようになります。
クローバー製作では、はさみを使ったカットや、対称の形を意識した配置など、創造力と集中力の両方を引き出す活動が楽しめます。
また、クローバーを使ったアクセサリーづくりや、絵本とリンクさせた製作などストーリー性を加えると、子どもたちの興味がより深まるでしょう。
4~5歳児になると、個性が表れる作品づくりにも発展できる時期ですよ。
折り紙四葉のクローバーの折り方
幸運の象徴とされる四つ葉のクローバーを、折り紙で丁寧に折って作ってみましょう。
折り紙4枚を使って1枚ずつ葉っぱを作り、最後に4枚を組み合わせて完成させます。
手順がやや複雑なため、最初は保育者が一緒に説明しながら折るとスムーズです。
手先を使って正確に折ることで、集中力や空間把握能力も育まれます。
完成したクローバーは台紙に貼って野原を再現したり、プレゼントカードに使ったりと応用も豊富。
楽しみながら取り組める、折り紙製作です。
- 折り紙 4枚
- まず、折り紙を長方形になるように縦と横に1回ずつ折り、折り目をつけます。
- 開いたら下半分を中心に向けて折り、裏返して下の両角を縦の中心線に沿って三角に折り込みます。
- さらに裏返して下の角を上辺に向かって折り上げ、真ん中を開いてつぶし折りします。
- できた形の左右の角を内側に折り、頂点を下へ折り返します。
- 仕上げに左右を中心に向かって折れば葉が1枚完成。
- これを4枚作って糊で貼り合わせれば、四つ葉のクローバーができあがります。
花の切り紙 クローバー
切り紙遊びの延長で、四つ葉のクローバーを楽しく作れる製作です。
ハサミを使って形を切り出す工程は、4〜5歳児にとってはワクワクするチャレンジのひとつ。
折り紙を折ってハート型の図案を描き、ハサミで切り抜くだけで、広げた時には綺麗なクローバーが完成します。
仕上がった作品は壁にたくさん貼って装飾したり、「四つ葉を探そう!」というゲーム形式で活用するのもおすすめです。
遊びながら、集中力と手指の操作力が育まれます。
- 折り紙
- 鉛筆
- ハサミ
- ピンキングバサミ
- まず、折り紙を色が内側になるように半分に折り、さらにもう一度半分に折ります。
- そこから三角形に折りたたみ、折り重なった部分にハート型の図案を鉛筆で描きます。
- このとき、バランスよくなるように中央を基点にイメージすると綺麗な形になります。
- 輪郭に沿ってハサミで慎重に切り抜き、切り終えたらゆっくり開きましょう。
- 広げると四つ葉または三つ葉のクローバーの切り紙が完成。
- 色違いをたくさん作って壁に飾っても華やかです。
四つ葉のクローバーのガーランド
春の季節感を味わえる、四つ葉のクローバーを使ったガーランド製作です。
障子紙や画用紙を活用し、型紙をもとに葉の形を描いて切り抜き、絵の具でグラデーションをつける工程では、色彩感覚や創造性が育まれます。
4〜5歳児にとって、はさみやのり、絵の具など様々な素材を使う活動は手先の巧緻性を伸ばす貴重な体験になります。
複数のクローバーをひもでつないで完成させるガーランドは、お部屋や廊下の装飾にぴったりな華やかな作品です。
- 障子紙
- のり
- ハサミ
- 緑色の画用紙
- 絵の具
- ひも
- テープ
- 鉛筆
- 丸シール
- クローバーの型紙を用意し、それを障子紙や薄い画用紙にあてて鉛筆でなぞり、葉の形を写し取ります。
- 線に沿って丁寧に切り抜き、絵の具を使って緑や黄緑などでグラデーションをつけていきます。
- 乾かしたあと、裏面に丸く切った色画用紙を貼って補強し、中心に丸シールでアクセントをつけます。
- すべてのパーツの裏にひもを貼り、等間隔に並べて連結します。
- 最後に壁や窓辺に吊るせば、春らしいクローバーのガーランドが完成です。
四つ葉のクローバーの押し花しおり
自然にふれる体験として人気の高い、押し花しおり製作。
クローバーを使って作る押し花しおりは、春の散歩や園庭あそびで見つけた草花を活用でき、季節感あふれるクラフトとして保育にぴったりです。
電子レンジを使って簡単に乾燥できる方法を採用しているので、製作時間も短く、小さな子どもでも達成感を得られます。
完成後はラミネート加工やOPP袋に入れて丈夫なしおりに仕上げられるため、プレゼントや読み聞かせのおともにも大活躍です。
- クローバー(生花)
- キッチンペーパー、耐熱用紙
- 電子レンジ
- ラミネートフィルム or OPPシート
- 穴あけパンチ・ひも
- 採取したクローバーをキッチンペーパーと耐熱紙の間に挟み、電子レンジで30秒ほど加熱します。
- 熱で水分が抜けることで押し花が完成します。
- 冷ましたら、ラミネートフィルムやOPP袋に挟み込み、しおりサイズにカットします。
- 穴あけパンチで上部に穴を開け、好きなリボンや紐を通して仕上げます。
- 押し花の向きや色のバランスにこだわると、より綺麗なしおりになります。
- 完成後は本に挟んだり、母の日の贈り物にもおすすめです。
まとめ
クローバーの製作あそびは、年齢や発達に合わせてさまざまなアプローチができる、季節感たっぷりの活動です。
小さな子どもたちにとっては感覚を育む体験に、少し大きくなると「作って見せる楽しさ」や「伝える表現」にもつながっていきます。
特に四つ葉のクローバーは“しあわせの象徴”として、心をやさしく包み込むテーマとしても魅力的です。
室内で過ごす時間が多くなる梅雨の季節に、自然を感じながら楽しめる製作として、ぜひ取り入れてみてくださいね。
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