【千代田区】保育士の借り上げ社宅制度(家賃補助)の概要
千代田区の保育施設に勤務すると、家賃補助を受けられる可能性があります。
借り上げ社宅制度は、保育士やほかの施設職員の生活負担を減らし、従業員を集める目的で設けられています。
区市町村によって家賃補助の内容が異なるため、利用する際は各自治体への確認が必要です。
千代田区の保育士借り上げ社宅制度は、以下のとおりです。
家賃補助の上限割合 | (8万2,000円までの)8分の7 |
---|---|
補助額の上限負担額 | 区内:11万9,750円(家賃上限13万円) 区外:7万1,750円(家賃上限8万2,000円) |
雇用形態 | 常勤(1年以上施設に従事し、1日6時間以上・月15日以上勤務していること) |
役職者も利用可能? | 可(施設の経営に携わる職員は対象外) |
勤務地と違う市区町村でも利用可能? | 可(自宅から勤務地が片道1時間半以内であること) |
同居人がいても利用可能? | 可(補助金受給者本人が世帯主であること) |
注意点 | ・ほかの保育施設で借り上げ社宅制度を利用していた場合、新たな助成を受けられるのは1年経過後から ・本人や同居人がほかの事業者から住居手当を受けていないこと |
自己負担額の相場 | 1万円 |
礼金の補助 | あり |
敷金の補助 | なし |
家賃補助は8分の7を自治体が助成し、残りの8分の1は事業者か従事者が負担(施設のルールによって異なる)します。
行政が設けている上限8万2,000円の家賃に対する補助に加えて、千代田区では独自に4万8,000円分への助成を行っています。よって、区内に住居する保育士の場合は、上限13万円までが補助の対象です。
例えば、家賃13万円の住宅に住む場合、8万2,000円の8分の1にあたる1万250円が毎月の負担額となります。
千代田区では1人暮らしマンションの相場が11万~13万円であるため、毎月1万円ほどで勤務地の近くに住めるというメリットがあります。
千代田区の借り上げ社宅制度を利用できる人の条件
千代田区の借り上げ社宅制度は、保育所のほか、認定こども園や認可外保育施設の従業員にも適用されます。
制度を利用するには、勤務形態や住宅状況などに条件があるため、事前に確認しましょう。条件を知っておくことで、家や勤務地選びがスムーズになる可能性があります。
千代田区の家賃補助対象者は、以下のとおりです。
- 千代田区内の保育施設に勤めていること
- 常勤職員で、1日6時間以上・月15日以上・1年以上施設に従事していること(社会保険の被保険者)
- 勤務地から片道1時間半以内の住宅に住んでいること(区外を含む)
- 世帯主であること
- 平成25年度以降に、対象となる住宅に住んでいること
- ほかの事業者から住宅手当を受けていないこと
- 保育士以外にも、栄養士、調理員、看護師などが補助の対象となる(施設運営に携わる職員を除く)
千代田区保育士の借り上げ社宅制度を利用できるのは、区内の保育施設に常勤している職員です。
勤務状況については、1日6時間かつ月15日以上、施設に1年以上常勤していることなどの条件があります。
住宅は新幹線や特急を使用せずに、勤務先から片道1時間半の範囲であれば、区外でも対象です。また、家賃補助を受ける場合は、対象職員が世帯主である必要があります。
同居人が世帯主であったり、ほかの事業者から住宅手当をもらっていたりすると、家賃補助を受けられないため注意してください。
なお、千代田区の保育士借り上げ社宅制度は、保育士以外にも、施設で働く栄養士や調理師、看護師などにも適応されます。
千代田区の借り上げ社宅制度を利用するには
借り上げ社宅制度は、自治体が従業者に対して行う助成なので、保育士本人が申請する手続きはありません。
利用者は、住宅契約書や住民票の写しなどを勤務先へ提出するだけです。
毎月の補助対象分は事業者が立て替えるため、自己負担額だけが賃料から差し引かれます。
上限の13万円を超えた分についても、毎月の賃料から引き落とされるケースが大半です。
施設によっては家賃補助を細かく規定している場合があるため、就職する際に問い合わせることが賢明です。
参照:千代田区保育従事職員宿舎借り上げ支援事業補助金交付要綱
千代田区の借り上げ社宅制度(家賃補助)はどこまでカバーされる?
千代田区の借り上げ社宅制度がカバーするのは、住宅の賃料・共益費・礼金・更新料です。
敷金は、補助対象外であることに留意してください。また、千代田区の保育士で家賃補助を受け取っている場合、引っ越し費用は助成されないケースが大半です。
自身の状況と対象条件を照らし合わせながら、受給の可否を確認することが重要です。
わかりにくい場合は、千代田区役所へ問い合わせましょう。
礼金とは、入居の際に家主へ渡す一時金で、退去時の返却はありません。
礼金は補助が降りる
保育士の家賃補助制度では、礼金も助成対象となります。
礼金は年度内の残りの月数に分割されて、毎月の賃料に合算される仕組みです。
例えば、礼金が12万円のマンションに4月から住む場合は、1年間・毎月1万円ずつ補助対象額に加えられます。
礼金を助成され、初期費用を安く抑えられる点も、千代田区で保育士をするメリットといえるでしょう。
敷金は補助が降りないので注意
千代田区の家賃補助には、敷金が含まれない点に注意してください。
敷金はペット同伴だと増額されたり、退去時に返金されたりと、居住者によって変動が大きいため助成から除外されています。
敷金が不要なマンションもあるため、最初の支払いをできるだけ安く抑えたい場合は、物件選びの際に考慮しましょう。
- 敷金がかからない物件を選ぶ
- フリーレントの物件を選ぶ
- 清掃費がかからない物件を選ぶ
民間の保育施設だと、運営元が初期費用をサポートしてくれるケースもあります。
千代田区で借り上げ社宅制度を利用する場合の引っ越しの自己負担額
千代田区の借り上げ社宅制度では、引っ越し費用はカバーされません。よって、転居費用は、原則自己負担となります。
なかには運営元が引っ越し費用の一部を助成していたり、10万円程度の補助金を支給していたりする場合があります。
単身の引っ越し費用は、都内間で5万円程度、東京都以外の関東地域から移動する際は7万円程度です。転居に伴う出費を抑えたい場合は、引っ越しに対しても助成してくれる勤務先を探しましょう。
また、千代田区では、転入する新婚世帯や子育て世帯に10万円の引っ越し費用を支給する「次世代育成住宅助成」を設けています。
次世代育成住宅助成の利用条件は、以下のとおりです。
- 区内に5年以上居住する親がいて、区内外から転居する
- 区内に1年以上居住する子育て世帯が区内から転居する
- 社宅の場合、家賃補助以上の賃料を負担している
※世帯所得や住宅面積の条件あり
詳細が気になる方は、千代田区の特設ページをご確認ください。
参照:次世代育成住宅助成
千代田区の借り上げ社宅制度についての質問に回答
【Q1】千代田区外に住んでも家賃補助を受けられる?
千代田区外に住む保育士でも、区内の施設に勤めていれば家賃補助の対象となります。
借り上げ社宅制度は、通勤圏内(片道1時間半以内)であれば区外の住宅にも適応されます。
区外の場合は、補助対象となる家賃の上限が13万円ではなく8万2,000円です。上限を超えた分については自己負担となるため、住宅選びの際に注意しましょう。
【Q2】認可外施設の保育士も家賃補助の対象になる?
認可外保育施設に勤務する保育士も、条件を満たしていれば家賃補助の対象です。
千代田区保育士の借り上げ社宅制度は、区内にある保育所だけでなく、認定こども園や認可外保育施設に勤める従業員にも適応されます。
ただし、勤務形態や時間、日数などに条件があるため、自身が補助対象に該当するか確認する必要があります。
千代田区の保育園の実情・保育環境
東京都千代田区は保育事業を積極的にサポートし、待機児童ゼロを実現しています。
観光地やオフィス街のイメージが強い東京都千代田区ですが、近年は多くの子育て世帯が移り住んできているのが実情です。
ほとんどの保護者が働きに出ている千代田区では育児サポートの需要が高く、自治体をあげて保育所増設に力を注いでいます。
また、数だけでなく質の良い保育環境を整備するため、区は施設運営費の一部を補っています。
認可保育園だけでなくこども園や認証保育所などを設けて、各家庭の生活スタイルに柔軟にな対応をしている点も千代田区の魅力です。
千代田区で保育士が使えるその他補助金はある?
東京都千代田区では保育従事者を募る目的で、手厚い補助金を用意しています。
- 保育士奨学金等返済支援事業補助金
- 人材確保事業に対する助成補助金
千代田区の保育施設で働く従事者は、奨学金返済の補助が受けられます。
保育士奨学金等返済支援事業制度を利用すれば、保育士になるまでにかかった学費を助成してくれます。
奨学金補助を受けられる対象者は、区内の保育施設で1年以上かつ1日6時間以上常勤している保育士です。
自身で返済している奨学金に対して、最大240万円までの助成金が交付されます。さらに、千代田区では、人材確保事業に対する助成補助金制度も設けています。
開設予定の保育施設へ従業する方には、始業6ヶ月前から賃金と手当てが支給されるため、ゆとりをもった就業準備ができるでしょう。
参照:千代田区保育士奨学金等返済支援事業補助金
参照:人材確保事業に対する助成補助金制度
まとめ
- 千代田区の保育士には、上限割合が8万2,000円の8分の7となる家賃補助が支給される
- 補助対象となる家賃の上限は13万円(区外なら8万2,000円)
- 家賃補助を受けるには、常勤で区内の保育施設に従事している必要がある
- 千代田区保育士の借り上げ社宅制度は、特別な申請なしで利用できる
- 家賃補助に礼金は含まれるが、敷金は対象外となる
千代田区保育士の借り上げ社宅制度を利用すれば、区内に安く住みながら就職できます。
保育士の家賃補助は、事業者によって内容が異なる可能性があります。正確な金額や条件は、就職の際に施設へ問い合わせることが賢明です。
千代田区が公開している情報を参考にしながら、自身が家賃補助の対象であるか確認しましょう。
コメント