常に人手不足の保育業界にとって、欠かせない存在になってきた保育補助。
しかし、保育補助の仕事内容は保育士と異なり、やってはいけないことがあります。
本記事では、保育補助としてやってはいけない行動を保育補助の仕事内容と照らし合わせて、具体的に解説します。
これから保育補助として働き始める方や、現在保育補助として働いている方は、保育士と信頼関係を築いて子どもたちが安心して過ごせる環境を作るためのポイントを確認していきましょう!
- 保育士と保育補助の仕事内容は異なる
- 保育補助の仕事のメインは保育士のサポート
- 保育補助がやってはいけないことは保育士の指示に従わないこと
- 保育補助は未経験からもスタートしやすく、キャリアアップも目指せる

保育補助と保育士を混同している人は実はたくさんいます。
本記事で違いとやってはいけないことをしっかり理解して、ひと味違う活躍できる保育補助を目指しましょう!


ちあき
認可保育園で勤務後退職して留学。その後は英語の幼稚園で働く。結婚を機に派遣保育士に転身し、さまざまな園で経験を積む。保育士歴は通算7年ほど。
子どもが重度アレルギー児になったことでライターに転身した2児の母。
保育補助の仕事内容と保育士との違い
保育補助と保育士は、同じ保育現場で働く職員です。
しかし、業務内容や責任範囲には明確な違いがあり、混同してしまうと保育現場でのミスやトラブルに繋がることも考えられます。
保育補助は保育士をサポートする役割ですが、保育士とは異なる視点やスキルが求められることもあります。
次の章から、保育補助の仕事内容と保育士との違いについて詳しく説明します。
保育補助の仕事内容とは?
- 保育士のサポート
- 保育施設の掃除、消毒、整理整頓
- 遊びの見守り
- 食事やお昼寝の準備や片付け など
保育補助の主な業務は、保育士のサポートです。
具体的には、子どもの遊びの見守りや活動の準備や片付け、保育室や遊び場の清掃、おもちゃの消毒、保育用品の整理整頓などが挙げられます。
どの業務も保育士が保育の仕事に集中するために欠かせない大事な仕事です。
また、保育士のようにメインになって行うことは少ないですが、保育施設によっては、保護者対応や行事のサポートなども業務に含まれることがあります。
保育補助は、保育士が保育業務に集中するために重要な役割を担っています。
参照:保育補助者 – 職業詳細
保育補助と保育士の違いとは?
保育補助は保育士の業務をサポートする存在で、下記のグラフのように違いがあります。
保育補助 | 保育士 | |
---|---|---|
資格の有無 | 不要 | 保育士資格が必須 |
業務の範囲 | 保育士のサポートが中心 | 子どもの保育全般を担う |
責任の範囲 | 保育士の指示で行動する | 子どもの安全や保育計画全体に責任を持つ |
給与水準 | 比較的低い | 資格があるため保育補助より高い |
大きな違いとして、資格の有無があるため、責任の範囲や役割分担にはっきりとした差があります。
保育補助がやってはいけないこと
保育補助は保育士とは業務内容が異なります。
保育補助として働く時には、自分が保育士ではないことを自覚し、やってはいけないことがあるということを理解して業務に臨みましょう。
保育補助の業務への深い理解が保育現場でのミスやトラブルを避けることに繋がり、保育士と良好な信頼関係を築く土台になりますよ。
保育士に確認せず勝手に判断する
保育補助が保育士に確認せず、自己判断で行動することはトラブルを招く可能性があります。
特に、子どもの健康や安全に関わる重要なことは、自分だけで判断せずに必ず保育士に相談しましょう。
例えば、アレルギー対応でミスをしてしまったり、ケガや体調不良の対応が不適切であったりすると、子どもたちにも保護者にも大きな不安を与えてしまいます。
専門知識が求められる場面では保育士に相談し、指示を仰ぐことが大切です。
保育士の指示に反発する
保育士の指示に従わず、保育補助が自分のやり方や経験からの判断を優先する行動を取ると、保育現場は職員同士の連携が乱れてしまう恐れがあります。
保育補助はあくまで保育士をサポートする役割であり、保育士の指示には従うことが基本であることを心得ましょう。
もし、指示された内容に疑問や他に提案がある場合は、反発するのではなく、保育士に適切なタイミングで質問をするよう心がけましょう。
コミュニケーションを大切にすることで、現場の信頼関係を深め、より良い保育を実現することができます。
報告・連絡・相談を怠る
保育補助が報告や連絡、相談を怠ると、保育士の子どもの状況把握に支障が出ることがあります。
例えば、子どもがケガをした場合、保育士に報告しないと適切な対応が遅れてしまったり、保護者への伝達ミスに繋がってしまったり、保育施設全体の信頼を失うことになるかもしれません。
最悪な状況を避けるためにも、保育現場での報連相は徹底しましょう。
職員同士の円滑なコミュニケーションが、職員同士や保護者への信頼関係の構築にも繋がります。
保護者へ不適切な対応をする
保護者への対応は慎重さが求められます。
保育補助という立場から、保育士のように保護者対応をメインで行うことは少ないかもしれませんが、保護者から見れば保育補助も施設の職員であることには変わりません。
したがって、保護者が施設内のことや子どもの状態などの質問を保育補助の職員にする可能性もあります。
不適切な言動や曖昧な説明は、保護者の不信感を与え、保育施設全体の信頼喪失に繋がります。
特に、子どもの行動や体調について保護者に伝えるときには、保育士に相談したうえで正確に伝えることが重要です。
無資格なことを言い訳にする
保育補助として働く際に、「資格がないから」といって業務を疎かにするのはNGです。
資格がなくても、保育施設の職員であることには変わりなく、子どもたちの目には保育補助の職員も保育士と同じ「先生」であることを自覚しましょう。
したがって、保育補助であっても子どもたちの安全や成長をサポートする大人としての責任があります。
無資格で知識やスキルが乏しいと感じているのであれば、保育士の子どもたちへの対応などから学んだり、保育に関する知識を学んでみましょう。
保育補助に向いている人の3つの特徴
保育補助の仕事は、保育士のサポートをしながら子どもたちの成長を見守る大切な役割を担っています。
業務内容も幅広く、常にマルチタスクが求められる仕事です。
保育補助に向いている人には大きな3つの特徴があるので、次の章から解説します。
これから保育補助の仕事をしてみたい人や、自分の適正を知りたい方はぜひ参考にしてくださいね。
①子どもが好きな人
保育補助の仕事をするにあたって、「子どもが好き」という気持ちがあるだけで適正ありです!
保育補助の仕事は、子どもと関わる時間もありますが、活動の準備や片付けや掃除などの子どもと直接は関わらないけど子どもにとって大切な仕事も多いです。
「子どもが好き」という気持ちがあることで、喜びを感じながら働けるでしょう。
- 「子どもが好き」だからこそ、日々の関わりを楽しめて自然と子どもたちと信頼関係が築ける
- 「子どもが好き」な気持ちが子どもにも伝わり、安心感を与えられる
②臨機応変に対応できる人
保育現場は、予測できない出来事が日々発生します。
例えば、子どもが急に体調を崩したり、出勤の職員の欠席でスケジュールが変更になったり、天候や公共交通機関の運行状況によっても急な対応が必要になるケースもあります。
- 子どものケガや体調不良への対応
- 出勤職員の欠席や早退へのフォロー
- 天候による保育スケジュールの変更 など
柔軟に動ける能力は、保育補助として活躍できるスキルです。
保育施設で働く職員の一員として頼りにされる存在になれるでしょう。
③責任感のある人
保育補助の仕事では、子どもの安全を守ることが何よりも重要です。
したがって、業務に責任を持って取り組む姿勢が欠かせません。
- 子どもたちの安全を守る役割を担う
- 保育士や保護者と連携して業務を進める
- 小さなミスが大きなトラブルに発展する可能性がある
責任感を持って業務をこなすことで、周囲からの信頼を得られるだけでなく、子どもたちにとっても安心できる存在となれるでしょう。
【保育士の本音】保育補助にしてほしいこと・求めること
保育補助は保育士とともに子どもたちの成長を支える重要な存在です。
現場では、保育士がスムーズに業務を進めるために、保育補助に求めることがいくつかあります。
本章では、元保育士の視点から保育補助に期待することを、具体的なエピソードや体験を交えながら解説します。
保育現場で信頼される補助として活躍するために、ぜひ参考にしてくださいね。
若くても有資格者である保育士を信じてほしい
保育士は資格取得のために子どもに関連するたくさんのことを学び、実習や実践を積み重ねてきました。
特に若い保育士の場合、年齢だけを理由に保育補助の職員から信頼されないケースがありますが、資格や知識に裏付けされた指導を行っています。
- 保育士は国家資格であり、専門知識と技能を有している
- 若さを理由に判断を疑われると、現場での連携が滞る
実際に、私は若さを理由に年配の保育補助者に指示を躊躇されたことがありました。
業務内容と背景を丁寧に説明し、信頼関係を築いたことで最終的にはスムーズに連携ができるようになりました。
環境を整えることも大事な仕事のひとつ
保育現場では、子どもたちが安全に楽しく過ごせる環境づくりが重要です。
保育補助者には、教室の片付けや備品の整理など、子どもたちが過ごしやすい環境を整えるための業務依頼が多い日もあるかと思います。
子どもと直接関わる業務でないので、「いつも掃除ばかり…」と悲しそうに言われた経験がありますが、環境を整えると子どもたちが過ごしやすくなることを理解してくださると助かります。
- 保育室の整理整頓が行き届いていると子どもたちが遊びやすい
- 清潔な環境で過ごせる
- スムーズな保育で子どもたちの活動も充実する
疑問質問はどんどん聞いてほしい
保育現場では、子どもの安全が最優先です。
業務に不明点があれば、必ず保育士に確認する姿勢が求められます。
疑問をそのままにせず、適切なタイミングで質問することで、トラブルを未然に防ぐことが可能です。
- 業務の誤解やミスを防ぐ
- 安全管理を徹底できる
- チームワークが向上する
実際に、新人の保育補助者が不明点を頻繁に質問してくれたおかげで、私自身どんな業務が躓きやすいのか理解が深まりました。
結果的に安心して業務を任せられるようになり、コミュニケーションもスムーズで保育室内の雰囲気も明るくなりました。
クラス全体を気にかけてほしい
保育補助の中には特定の子どもだけと関わる人も多いので、クラス全体を意識してほしいです。
例えば、子どもと関わるときに全体の子どもたちがいる場所から背を向けていたり、逆に子どもたちの遊んでいる真ん中にいたりすると、子どもの様子が見えなかったり、死角を作ってしまったりします。
クラス全体から見て、自分がどこにいるか、自分がどこの場所にいればより多くの子どもたちを見ることができるかを考えながら動ける保育補助は頼りがいがあります。
保育補助として働くメリット
保育補助は、柔軟な働き方やキャリアアップを目指せる点など、働くうえで多くのメリットがあります。
特に資格がなくてもスタートできるため、子どもは好きだけど資格や経験がない人でも安心して保育業界に関わる仕事に就くことが可能です。
本章では、保育補助として働く具体的なメリットを2つの観点から詳しく解説します。
①シフト制の求人が多く柔軟に働ける
保育補助の求人はパートやアルバイトなどのシフト制が多く、家事や育児、他の仕事と両立しやすいところが魅力です。
- 短時間勤務や週2〜3日の勤務が可能
- ライフスタイルに合わせた働き方が選べる
例えば、午前中のみの勤務や、夕方の数時間だけといった形で働けるため、子育て中の方やWワークを希望する方に最適です。
また、希望の勤務時間を相談しやすい職場も多く、自分のペースで働ける環境が整っています。
②働きながら保育士試験の受験資格が得られる
「保育補助として働きながら、ゆくゆくは保育士に…」と思ったときに、保育士試験を合格することを目標にする人が多いと思いますが、保育士試験を受けるには受験資格を得ることが必要です。
- 大学・短大・専門学校を卒業していること
- 高卒の場合、児童福祉法に基づく施設で2年以上かつ2,880時間以上の実務経験が求められる
保育補助として現場経験を積むことで、資格取得の条件を満たせるだけでなく、実践的なスキルも身につきます。
働きながらキャリアアップを目指せるため、未経験から保育士を目指す方にとって非常に有利な環境です。
まとめ
保育補助として働くときに、やってはいけないことがあることをお伝えしました。
保育士と保育補助の違いを理解したうえで、保育補助の業務をしっかり行い、保育士が保育士の仕事ができるようにサポートすると求められる保育補助として活躍できるでしょう。
また、保育士の本音もお伝えしたので、保育士がしてほしい動きができる一歩先を行く保育補助になれること間違いなしです。
保育補助は未経験でもスタートしやすく、働きながら実務経験を積むことでキャリアアップの道も開けるので挑戦してみてはいかがでしょうか。
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