秋の季節は、子どもたちが自然と触れ合いながら豊かな感性を育む絶好の機会です。
特に4・5歳児は手先の器用さや創造力がぐんと伸びる時期で、複雑な工程や自分のアイデアを作品に取り入れる力もついてきます。
この記事では、0歳から5歳までの発達段階に合わせた製作アイデアを紹介し、秋の行事や自然素材を活かした活動の工夫を提案します。
- 9月・10月・11月におすすめの「秋の製作 5歳児」向けアイデアを詳しく知ることができる
- 秋の自然(落ち葉・どんぐり・木の実など)を使った保育現場での具体的な製作活動を学べる
- 0歳から5歳までの発達段階に応じた「秋の製作のねらい」と活動例を理解できる
- 季節の行事(十五夜・ハロウィン・収穫祭など)を取り入れた製作活動の取り入れ方を知ることができる

秋の製作のねらい
子どもの年齢ごとに「秋の製作」のねらいは異なります。以下にまとめました。
- 2歳児のねらい
感触遊びや簡単な貼り付けで、秋の自然を楽しみながら手指の発達を促します。 - 3歳児のねらい
形や色の違いに気づき、表現することを楽しみながら、想像力を広げるきっかけを作ります。 - 4歳児のねらい
ハサミやのりを使い、複雑な形を作り出す体験を通して集中力と工夫する力を育てます。 - 5歳児のねらい
自分のアイデアを作品に取り入れ、友達と共有することで表現力や協同性を高めます。
秋に関する製作アイデア12選
子どもたちにとって「秋の製作」は、色や感触を楽しむ遊びの延長として取り入れるのがおすすめです。
例えば、落ち葉を袋に入れてガサガサと音を楽しむ「落ち葉バッグ」やどんぐりをペットボトルに入れて楽器のように遊ぶ「どんぐりマラカス」など、五感を使った活動がぴったりです。
完成度よりも「体験そのもの」を大切にし、安全に取り組めるように工夫するとよいでしょう。
指先で描くひまわり
指先を使ったフィンガーペイントは、子どもにとって感覚遊びと表現活動を同時に楽しめる素敵な製作です。
特に5歳児は指先の動きが器用になってくる時期なので、絵の具の感触を存分に味わいながら自由な表現を楽しめます。
絵の具に洗濯のりを混ぜることで、偶然できる模様の美しさに子どもたちは夢中になります。
季節感のある作品として壁面にも活用しやすく、秋の製作活動にぴったりです。
- 画用紙
- 絵の具(2色~3色で好きな色)
- クレヨン(黒)
- 洗濯のり
- ジッパー付き保存袋
- のり
- はさみ
- 保存袋の大きさに合わせて白い画用紙をカットします。
- 次に黒の画用紙を四つ折りにし、三角に折って花びらの下書きを描き、線に沿って切り抜きます。
- 白い画用紙には絵の具を垂らし、水を少量加えて袋に入れましょう。
- その上から指で袋を押しながら絵の具を広げて模様を作ります。
- 袋を開いて画用紙を取り出し、乾かしてから黒の画用紙と重ねると花の形が浮かび上がります。
- さらにクレヨンで模様を描き足すと、指の動きや色の重なりを活かした個性豊かな作品になります。
まつぼっくりの首飾り
まつぼっくりは公園や園庭でも拾える身近な素材で、首飾りにすることで自然の恵みを楽しむ作品になります。
ストローをビーズ状にカットして毛糸に通す工程は、指先の巧緻性を育む効果も期待できるでしょう。
毛糸の先端をセロハンテープで補強してあげると通しやすく、達成感も味わえますよ。
首にかけて身につけられるので、完成後も遊びや発表会などでも楽しんでみてくださいね。
- 毛糸 1m
- まつぼっくり 1個
- ストロー 数本
- はさみ
- 松ぼっくりを毛糸の中心に結びつけて固定します。
- 次にカラフルなストローを細かくカットし、ビーズのように準備します。
- 毛糸の片端からストローを順番に通していき、松ぼっくりを中央に配置しながら両側にバランスよく飾りを入れていきます。
- 小さな穴に毛糸を通すのが難しい場合は、あらかじめ毛糸の先端をセロハンテープで巻いて固くしておくと扱いやすくなります。
- すべて通し終えたら毛糸の端を結んで首飾りの形に整え、長さを調整すれば完成です。
落ち葉のちぎり絵
落ち葉のちぎり絵は、手でちぎるというシンプルな動作を通して、指先の力加減や表現力を育てられる製作です。
折り紙をちぎって貼るだけの活動なので、1歳児や2歳児でも楽しめますが、5歳児になると葉の形や色の組み合わせを意識しながら表現の幅を広げられます。
木の幹を描いた台紙に落ち葉を貼っていくことで、秋らしい景色を子どもたちが自由に再現できます。
- 折り紙
- 画用紙
- のり
- 画用紙に木の幹や枝を描いておきます。
- 赤、黄、茶色など秋をイメージした折り紙を小さくちぎり、葉っぱとして準備します。
- 枝の部分にのりを塗り広げ、ちぎった折り紙を一枚ずつ貼り重ねていきます。
- 色の配置を工夫すると紅葉らしい表現ができ、ランダムに貼ると自然に散った落ち葉の雰囲気が出ます。
- さらに幹の下にも紙を貼ると、落ち葉が積もった風景に仕上がります。
アルミホイルを使ってつくる紅葉
アルミホイルを使った紅葉製作は、身近な素材で楽しめるアイデアです。
スタンプのように絵の具をつけて押すと、赤・黄・オレンジが重なり合い、本物の紅葉のように鮮やかな模様が生まれます。
さらに、木の幹を子どもの手形で表現すれば、思い出に残る作品に仕上がりますよ。
5歳児にとっては表現力を広げる活動となり、秋の自然を感じる感性も育めるでしょう。
- アルミホイル
- 絵の具
- A4の紙
- A4サイズの白い画用紙を準備し、茶色の絵の具で子どもの手形を押して木の幹と枝を表現します。
- 次にアルミホイルを小さく丸め、スタンプのように使います。
- 赤・オレンジ・黄色の絵の具を少しずつつけて、枝のまわりにトントンと押していきます。
- 丸め方をゆるくすると絵の具の跡がふんわりとし、ぎゅっと丸めると濃い模様になります。
- 子どもたちは「こんな模様になった!」と発見を楽しみながら夢中で取り組みます。
- 最後に葉が舞い散るように画用紙の下にもスタンプを押すと、落ち葉が積もったような景色が完成します。
壁面製作に使える折り紙ぶどう
ぶどうを折り紙で作る製作は、季節感を味わいながら楽しめる活動です。
5歳児は手先が器用になっているため、粒の大きさや色の配置を工夫すると、より本物らしい表現が可能です。
できあがった作品は壁面に貼ると園内が秋らしく彩られ、子どもたちも達成感を味わえます。
色を紫や緑に変えると品種の違いを表現できるので、ぶどうの種類を知るきっかけにもなります。
- 折り紙
- 画用紙
- のり
- はさみ
- 色えんぴつ
- 折り紙を短冊状にカットします。
- 次に折り紙を外側に色が出るように丸め、小さな円柱状にして粒を作ります。
- できた粒をのりでしっかりと貼り付け、ぶどうの房の形になるように並べていきます。
- 粒を大小混ぜると自然な仕上がりになります。
- さらに緑の折り紙で葉っぱを作り、房の上部に貼るとよりリアルになります。
簡単折り紙のバッタ
9月から秋にかけて園庭や公園でよく見かけるバッタを、折り紙で簡単に表現できる製作です。
5歳児は折り紙の折り目を丁寧にそろえる力がついてきているので、完成度の高い作品を作ることができます。
触角や目をつけることで一気に生き生きとした姿になり、秋の製作として壁面や遊びの小道具にもぴったりです。
- 折り紙
- はさみ
- 折り紙を三角に折り、しっかりと折り目をつけます。
- 次に三角形の頂点を下に向け、両側を斜め上に折って形を作ります。
- 片側を裏へ折り込み、胴体と足の形を整えます。
- 広い部分に切り込みを入れて触角を作り、上に立たせてバッタらしく仕上げます。
- 最後に黒い丸シールやペンで目を描き入れると完成です。
(色を緑にすれば草むらのバッタ、茶色にすれば秋の落ち葉に紛れるバッタなど、色の違いで表現の幅が広がります)
立体的な模様がかわいい!コットンボールきのこ
画用紙で作ったきのこの形に、好きな色のコットンボールを自由に貼り付けていくことで、世界に一つだけのオリジナル作品が完成します。
赤や茶色だけでなく、カラフルな色を取り入れると、ファンタジーの世界に出てくるようなきのこができあがり、子どもたちも大喜びしますよ。
完成後に並べて飾ると、秋らしい雰囲気を楽しめるでしょう。
- 画用紙
- コットンボール
- 画用紙にきのこの傘と軸の形を描き、はさみで切り取ります。
- 切った2つのパーツをのりで貼り合わせ、きのこの形を完成させます。
- 次に、コットンボールを用意し、ボンドを少量ずつつけてきのこの傘の部分に貼り付けていきます。
- 色を揃えて貼るとリアルなきのこに、ランダムに貼るとカラフルでかわいらしいきのこになります。
- 乾いたら立てて飾ったり、壁に貼ったりすると、秋の製作 5歳児の作品として見栄えもよくなります。
デカルコマニーで作ろう!カラフルとんぼ
絵の具を使った遊びは、子どもたちにとって発見や驚きが多く、偶然生まれる模様を楽しむことで創造力が自然に育ちます。
紙を折って広げると現れる左右対称の模様は、まるで自然界の羽のようで、完成後に光にかざしてみると色の重なりがより美しく見えます。
園やお家で気軽に取り入れられ、秋の季節を感じながら楽しく取り組める製作活動です。
- 画用紙
- 水彩絵の具
- はさみ
- のり
- 画用紙を半分に折り、片側に数色の絵の具を自由に垂らします。
- 次に折り返して、手のひらでアイロンのように押さえると、左右対称の模様が広がります。
- 紙を開き、乾かしたら羽の形に沿ってはさみで切り取りましょう。
- 羽ができたら、色画用紙で作った体のパーツと目を用意し、羽の後ろに貼り付けます。
- 最後に体の中心部分に羽を固定すると完成です。
コーヒーフィルターで作るイチョウ
コーヒーフィルターを使ったこの製作は、染め出しのような表現ができるため、子どもたちに人気です。
水で薄めた絵の具にフィルターを浸すと、思いがけない模様や色合いが生まれます。
3色以上を使うとより鮮やかになり、友だちと作品を比べ合う楽しさもあります。
乾かしたフィルターを折って形を整えると、まるで本物のイチョウのように見えるでしょう。
- コーヒーフィルター
- 黄色の絵の具
- 赤色の絵の具
- ホッチキス
- コーヒーフィルターを横半分に折り、さらに横や縦に折って小さくします。
- 次に、水に溶かした黄色やオレンジ、赤など秋らしい色の絵の具を用意します。
- 折ったフィルターの先を絵の具に軽く浸し、染まり具合を見ながら何色か組み合わせます。
- 広げて乾かすと鮮やかな模様が浮かび上がります。
- 完全に乾いたら蛇腹に折り、中心部分をホッチキスでとめて広げるとイチョウの葉が完成です。
紙皿とカラーセロファンでお月見
紙皿を月に見立て、中央にカラーセロファンを貼ることで、光が透けて本物のお月様のように輝いて見えますよ。
さらに、うさぎやお月見団子、ススキなどのパーツを周囲に飾ると、よりお月見らしい雰囲気になるでしょう。
窓辺に飾ると外の光が差し込んで幻想的に見え、壁面に貼ると秋の行事を楽しむ掲示物としても活躍します。
- 折り紙
- カラーセロファン
- 紙皿
- ボンド
- ハサミ
- 筆
- 絵の具(黒)
- セロハンテープ
- 星型パンチ
- 紙皿を半分に折り、中央部分を丸く切り抜きます。
- その穴の裏側にカラーセロファンを貼り付け、余分な部分をはさみで切り取ります。
- 次に、画用紙でうさぎやお団子、ススキなどのパーツを作り、ボンドで周りに貼り飾ります。
- 完成したら壁に貼ったり、ひもを通して窓辺に吊るすと、光に透けた美しい月が楽しめます。
松ぼっくりけん玉
けん玉の玉の部分を松ぼっくりにすることで、季節感たっぷりの作品になります。
製作の過程で松ぼっくりを観察することで自然への興味が広がり、完成後には実際に遊べるので達成感も大きいです。
遊び方次第で難易度を変えられるので、友だち同士で競争したり、飾って楽しんだりしてもいいですね。
手先の器用さや集中力を育む活動にもなりますよ。
- 松ぼっくり1個
- タコ糸70cm1本
- 紙コップ3個
- トイレットペーパーの芯1個
- テープ
- ハサミ
- 公園などで松ぼっくりを集めてきます。松ぼっくりにタコ糸をしっかり結び付けます。
- 次に紙コップを2個用意し、底同士をテープで固定します。
- 固定部分にタコ糸を結びつけ、松ぼっくりがぶら下がるようにします。
- さらに紙コップをもう1つ用意し、底を切り取り、丸くカーブを描くように整えてテープで補強します。
- トイレットペーパーの芯をつけると持ち手ができ、丈夫になります。
- 最後に折り紙やペンで飾り付けをすれば完成です。
トイレットペーパーの芯で作るハロウィン製作
トイレットペーパーの芯を使った「ハロウィン製作」は、身近な素材で簡単に楽しめる工作です。
折り紙や画用紙を使っておばけやカボチャ、黒猫などに変身させれば、子どもたちも大喜び。
顔のパーツを自分で描いたり貼ったりすることで、表情豊かな作品に仕上がります。
園や家庭での装飾としても活用でき、想像力や創造力を伸ばせる楽しい製作になりますよ。
- イレットペーパーの芯2本
- はさみ
- 15㎝×15㎝の折り紙2枚
- 両面テープ
- モール(6㎝1本、4㎝2本0 )
- セロハンテープ
- トイレットペーパーの芯を2本用意し、はさみで9cmの長さに切ります。
- 次に折り紙を15cm×15cmにカットし、芯の大きさに合わせて9cm×15cmの長方形を2枚作ります。
- 両面テープを四隅に貼り、芯に巻き付けるようにして貼ります。
- 芯の両端を指で押しつぶし、重なるように折り込むと袋のような形になります。
- 次に、画用紙や折り紙でおばけやかぼちゃの顔のパーツを作り、のりで貼り付けます。
- モールをねじって髪の毛や手に見立てて飾りをつけると完成です。