今回は、元園長監修のもと
実用的な「0歳児・10月の”クラス全体向け”の月案例文」をお届けします。
保育園によって、0歳児は月齢ごとの個人案を作成することもありますよね。
月齢に合わせた月案を参考にしたい方は、次にまとめた記事も併せてご覧ください。
■0歳児(低月齢)10月の月案
■0歳児(中月齢)10月の月案
■0歳児(高月齢)10月の月案
月案作成の負担を減らせるよう工夫してまとめておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
最初に月案作成のポイントをご紹介します。
ただ、いち早く例文をご確認したいという方は「こちらのリンク」を押してください。
アキ 元園長
これまで計18年近く保育士として勤務。うち6年は認可保育園にて園長を勤めました。 園長として、数多くの月案・週案をチェックしてきた経験を活かして、 保育士さんが効率よく質が高い月案・週案を仕上げられるようサポートいたします!
元園長が教える月案・週案の重要ポイント
大前提、月案を作る上でどんなことが重要なのか?
実際に保育士さんたちの数々の月案をチェックしてきた元園長先生に、重要ポイントを伺いました。
- 年間カリキュラムに基づく計画を立てる
- まずは「前月の子どもの姿」から考え始める
- 「今月のねらい」と「具体的な内容」は連動して考える
この3つが、年齢・時期関わりなく月案を作成する上で意識してほしい点です。
要するに、「保育園での活動を通して、子どもたちにどんな姿になってもらいたいのか」を考えると良いということですね。
逆によくあるダメなパターンは、ねらいと内容が連動していないものです。
いったい何のための月案なのか考えられていないと、作り直しとなってしまいます。
0歳児・10月の月案のポイント
次に、「0歳児・10月」ならではの月案のポイントを紹介します。
- 安定した気持ちで過ごせるよう、子どもの気持ちや欲求に寄り添った関わりについて考える。
- 朝晩は冷え込む日があるため、体調の変化に留意した配慮を取り入れる。
- 季節が変わり、過ごしやすい気候の日が増えるため、戸外に出て秋の自然に触れて遊ぶ機会を作る。
日中は過ごしやすい気候の日が増えるため、散歩で自然に触れたり、戸外での活動を存分に楽しめるようになります。
身体を動かす遊びも取り入れながら、子ども一人一人の運動面での発達を促せる配慮も考えていきたいですね。
それではここから、具体的な月案の例文をまとめていきます。
《 STEP1》 前月の子どもの姿を思い出す
- 特定の保育者のもと、安心して過ごす姿が見られた。
- 残暑・気温の変化から、咳・鼻水が出ていてあまり本調子ではない子がいた。
- 室内・戸外でハイハイ・伝い歩き・歩行など体全体を動かして遊ぶことを楽しんでいた。
- 遊びの中で、喃語や片言・指差しで自分の思いを保育者や他児に伝えようとする姿が増えた。
- それぞれが好きな玩具を見つけて、満足いくまで遊びこんでいた。
《 STEP2》 今月のねらいを決める
養護のねらい
教育(5領域に対応)のねらい
養護のねらい①の具体的な月案
ねらい
安定した気持ちでゆったりと落ち着いて生活する
養護・内容
- 保育者との安定した信頼関係のもと、落ち着いた気持ちで生活する。
(養護の場合…情緒の安定)
(3つの視点の場合…人と気持ちが通じ合う)
養護・予想される子どもの姿
- 保育者との信頼関係が確立し、安心感に包まれながらゆったりと落ち着いた気持ちで長時間過ごせるようになる。
- いつも関わる特定の保育者以外の保育者とも関わりを持つ。
養護・環境構成/保育者の配慮
- 満たされた気持ちの中で生活を続けられるよう、子どもの訴えから気持ちを汲み取ることを丁寧に行い、都度受け止め安心感を増やしていく。
- 子どもの気持ちに無理のない範囲で、特定の保育者以外の保育者との関わりの時間も大切にしていく。
養護のねらい②の具体的な月案
ねらい
気温の変化に留意しながら、元気に過ごす
養護・内容
- 衣服や室温の調節など、気温の変化に留意してもらいながら、快適な環境で健やかに過ごす。
(養護の場合…生命の保持)
(3つの視点の場合…健やかに伸び伸びと育つ)
養護・予想される子どもの姿
- 気温差から体調を崩す子が出てくる。
- 衣服や室温の調節など、環境の配慮によって快適に過ごす。
養護・環境構成/保育者の配慮
- 気温の変化に合わせて衣服・室温を調節したり、休息をとれるようにする。
- 子ども一人一人の視診をよく行い、体調の変化を見逃さずに対処できるようにしておく。
教育のねらい①の具体的な月案
ねらい
戸外で体を動かして遊ぶことを楽しむ
教育・内容
- 心地良い気候の中、体を動かして遊ぶことを存分に楽しむ。
(5領域の場合…健康・表現)
(3つの視点の場合…健やかに伸び伸びと育つ)
教育・予想される子どもの姿
- それぞれの移動方法で戸外で自らすすんで好きな所へ移動して遊ぶ。
- 固定遊具に興味を持ち、やってみようとする。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 子どもによって伝い歩き・歩行など移動方法に差があるので、少人数に分けたり、交代で遊んだりするなど、無理なく活動できるよう配慮する。
- 固定遊具には必ず保育者が配置されるよう声を掛け合い、危険のないよう子どものそばについて見守る。
教育のねらい②の具体的な月案
ねらい
遊びの中で感じたことを身振りや声に出して伝え、やり取りを楽しむ
教育・内容
- 好きな遊びを通して得られる様々な感情を、保育者や他児に、表情や身振り手振り、喃語や言葉にして伝える。
(5領域の場合…言葉・表現)
(3つの視点の場合…人と気持ちが通じ合う) - 伝えたいことが、保育者に伝わることの喜びを味わう。
(5領域の場合…言葉・人間関係)
(3つの視点の場合…身近な人と気持ちが通じ合う)
教育・予想される子どもの姿
- 伝えたいことがなかなか伝わらないこともある。
- 保育者や他児の反応を見て喜ぶなど、やり取りを楽しむ。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 本当の気持ちを汲み取れるよう、子どもの表情や状況をよく観察しながら丁寧に言葉にして、応答していく。
- 他児と関わりたい気持ちを大切にし、必要に応じて仲立ちをしながら見守る。
教育のねらい③の具体的な月案
ねらい
散歩・戸外遊びで秋の自然に触れる
教育・内容
- 散歩に出かけたり戸外で遊ぶことを喜ぶ。
(5領域の場合…健康・環境)
(3つの視点の場合…身近なものと関わり感性が育つ) - 秋の自然に興味を持ち、実際に触れて感触を楽しむ。
(5領域の場合…環境)
(3つの視点の場合…身近なものと関わり感性が育つ)
教育・予想される子どもの姿
- 散歩や戸外に出ることを楽しみにし、外の空気を思い切り吸って遊ぶことで良い気分転換となる。
- 落ちているどんぐり・落ち葉などに興味を持ち、自ら触れて感触を楽しむ。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 秋の自然に触れられる環境がある公園・散歩コースをあらかじめ考えておく。
- 木の実や葉っぱなど、手に持ったものの誤飲に注意しながらそばで見守る。
- 自然物に対する子どもの喜びや驚きの感情に共感しながら一緒に楽しむ。
行事・遊び・食育・職員との連携・家族や地域との連携・自己評価の月案例
今月の行事
- 運動会
- スポーツの日
- ハロウィン
- 身体計測
- 誕生会
- 避難訓練
今月の遊び
- 秋の自然に触れる散歩・戸外遊び
- 秋の歌を聴く・歌う
- ハロウィンの製作
- 室内・戸外での運動遊び
- 好きな玩具での遊び
食育
- 食事の挨拶をしようとする。
- 手づかみ・食具使用などそれぞれの方法で、満足いく量を自分から食べる。
職員との連携
- 子ども一人一人の行動範囲が広がってきているので、戸外活動の際の安全について職員間で話し合い、配置や配慮を決めておく。
- 半年間の中で子どもの成長したと感じる姿を保育者同士で共有し、更に伸ばしていけるような関わりを考えていく。
家庭や地域との連携
- 保護者の方々へ運動会への参加の呼びかけをする。
- 半年の節目で、子どもの成長を喜び合うと共に、家庭での困りごとは無いかどうかも確認する。
自己評価
- 特定の保育者との信頼関係が安定してきたため、他の保育者と関わる機会も積極的に取り入れると、安心できる保育者が増え、更に伸び伸びと過ごせるようになった。
- 気温の変化に留意し衣服で体温の調節を行い、子ども一人一人の体調把握に努めた。
- 天気の良い日はなるべく戸外で遊び、体を動かして思い切り遊べたため、子どもたちの良い気分転換にもなった。
- 遊びの中の楽しい雰囲気でのやり取りをすることによって、発語が増えてきている。
- 運動会を通して、保護者と子どもの成長を保護者と一緒に喜び合うことができた。
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