保育士1年目だけど辞めたい…。辞めたい理由や解決法を先輩保育士が解説!

保育士1年目辞めたい

保育士の仕事は好きなのに、職場の空気や仕事量、責任の重さに押しつぶされそうになっている新米の先生もいるかもしれません。

結論から言うと、保育士1年目で辞めたいと感じるのは珍しいことでも、悪いことでもないです。

「今の苦しさの原因」と「次に選ぶ環境」を整理して、自分を守りながら前に進むことを大切に考えましょう。

この記事では、保育士の転職でよくある悩みの対処法、面接での伝え方、退職時の注意点まで、先輩保育士目線で解説します。

この記事をまとめると
  • 保育士1年目で転職しても、キャリアに大きな影響はない。
  • 1年目の保育士が悩むのは自然なこと。
  • 同じ悩みを繰り返すことのないように、悩みを整理しておく。
  • 次の就職先で辞めた理由を前向きに捉えられる説明が必要。
ちあき【元保育士ライター】

念願の保育士になったのに、理想と現実の間で苦しくなっている新人保育士さんは少なくありません。どんなふうに気持ちを整理していけばいいか、一緒に考えていきましょう。

この記事を書いた人

ちあき先生

認可保育園で勤務後退職して留学。その後は英語の幼稚園で働く。結婚を機に派遣保育士に転身し、さまざまな園で経験を積む。保育士歴は通算7年ほど。

子どもが重度アレルギー児になったことでライターに転身した2児の母。

目次

保育士1年目での転職…その後のキャリアへの影響は?

保育士1年目で転職しても、その後のキャリアに大きな悪影響が出るケースは多くありません

むしろ、合わない職場だと早めに分かったのは、長い目で見ればプラスになることも考えられます。

保育士の求人は多く、少しでも現場での経験がある人は歓迎されやすい傾向です。

  • 1年目でも「現場経験あり」は強み
  • 合わない環境で消耗するより、早めの転職が吉と出ることも
  • 転職先では学び直しの姿勢が評価されやすい

もちろん短期離職は次の就職面接の時に説明が必要ですが、伝え方次第で十分カバーできます。

後半で「前向きな答え方」も例文つきで紹介しますね。

保育士1年目でよくある辞めたい理由とその対処法

保育士1年目で辞めたいと思っても、すぐに結論を出さなくて大丈夫です。

まずは「何が一番つらいのか」を整理して、今の職場で改善できる余地があるかを確認してみましょう。

本章では、今の職場でもう少し頑張りたい気持ちがある人に向けて、先輩保育士としての現実的なアドバイスをまとめました。

ぜひ参考にしてください。

人間関係の難しさ(先輩・同僚・保護者)

先輩保育士の指導が厳しくて、質問しづらいと感じる。他の保育士との距離感がつかめない。

保護者対応では緊張してうまく話せない。

1年目の保育士の辞めたい理由で多いのが人間関係の悩みです。

新人保育士は「迷惑をかけてはいけない」と抱え込みやすく、ちょっとした言葉にも落ち込んでしまうことがあります。

園の雰囲気が合わないと、毎朝出勤するだけで胃が痛くなるという声も珍しくありません。

対処法
  • ひとりで抱え込まず、まずは話しやすい保育士に相談する
  • 質問があるときは、まとめて聞くより早めに聞く

ひとりで考え込まず、主任の先生や話しやすい先輩でもOKなので早めに打ち明けましょう。

質問するときは、後からまとめて聞くより、早めに聞く方が聞かれた方の負担が減りますし、すぐに疑問を解決できるのでおすすめです。

保護者対応は、初動で抱えず先輩保育士にその都度相談するのが安心ですよ。

ちあき【元保育士ライター】

新人保育士が質問するのは当たり前。むしろ黙って自己判断される方が先輩としては怖いと感じますよ。

業務量の多さ・残業の多さ

書類、連絡帳、行事準備、製作、掃除、会議でキャパオーバー!

終業後も仕事が終わらない。

保育士1年目は要領がつかめず、仕事をしてもしても終わらないことが多いですよね。

先輩は手際よく見えるのに、自分だけ仕事が残っているように感じて苦しくなることもあります。

さらに「持ち帰りが当たり前」の空気がある園だと、休んでも頭が休まらず、疲れが抜けません。

対処法
  • 業務の優先順位を自分なりにつけてみる
  • どこを優先すべきか相談する

まずは業務を「必須」「できればやる」「後回しでも問題なし」の3つに仕分けしましょう。

仕事の中には期限が決められていて、それまでにやりきれれば問題がないものもあります。

新人保育士のうちは完璧を目指さず、合格点を出すイメージで仕事をしていくと、スピードアップしますよ。

もし、残業が常態化しているなら、先輩保育士に「どこを優先すべきか」相談すると改善しやすいです。

ちあき【元保育士ライター】

新人保育士さんほど「全部ちゃんとやろう」と思いがち。でも、保育はチーム戦なので、上手に先輩を頼りましょう!

理想と現実のギャップ

子ども一人ひとりに丁寧に関わりたいのに、いつもバタバタしていてできない。

園の保育方針が想像と違った……。

理想とする保育士像を抱いて保育士になったのに、現実はトラブル対応や書類、時間に追われて過ぎてしまい理想の保育ができないと悩む1年目の先生は多いですよね。

さらに園の保育方針が自分の想像と違うと、毎日がズレの連続になり、ストレスを感じやすくなります。

対処法
  • まずは小さな場面から理想の保育を実践してみる
  • 学びたい保育と園の保育の接点を探す

理想と現実にギャップを感じるときは、理想を自分ができる範囲まで小さく分解してみましょう。

たとえば「子どもと丁寧に関わる」なら、1日1回でも子どもの目を見て会話するという目標を立てれば、小さな場面で理想を実践することが可能です。

園の方針は急に変えられないので、「自分が学びたい保育」と「園が求める保育」の接点を探してみると新しい発見があるかもしれません。

ちあき【元保育士ライター】

理想を捨てるのではなく、今できるサイズにすると心が楽になりますよ。

給与・待遇への不満

責任は重いのに給与は少ない。

生活していくのがやっと。

保育士1年目は、給与が少なく、生活がギリギリになりやすい時期です。

責任は重いのに給与が反映されていないように感じると、将来が不安になりますよね。

残業代が出ない、休憩が取れない、手当が少ないなど、待遇面の不満が積み重なると、気持ちが折れてしまうことも考えられます。

対処法
  • 求人票の条件と現状が一致しているか確認する
  • 今働いている園でどんなふうにキャリアアップしていけるかを確認する

待遇の悩みは、まず事実確認をしましょう。

求人票の条件と、現状が一致しているかをチェックし、担当者に相談するのも手段のひとつです。

また、すぐには給与は改善しなくても、経験を積んでキャリアアップした先の給与額を知ることで頑張るモチベーションにしていくこともできます。

ちあき【元保育士ライター】

研修を受けたり、資格を取ったり、今できる行動をすることで後々の給与アップにつながることもあります。

メンタル・体力面の負担

仕事から帰宅すると疲れて何もできない。

仕事のことを考えると眠れない、食欲がない。

1年目の保育士は緊張の連続で、心も体も消耗します。

朝から晩まで動きっぱなし、気を張りっぱなしで、帰宅後に何もできないことも少なくありません。

休日も回復せず、涙が出る、眠れない、食欲がないなどのサインが出ることもあります。

対処法
  • 安心できる人に相談する
  • まずは有給休暇等を利用してゆっくり休む

メンタルと体力の不調は、根性で乗り切れるものではありません。

まずは睡眠と食事を最優先にし、可能なら休みを確保しましょう。

園内で相談できる人がいない場合は、家族・友人など外部につながるのも大切ですよ。

一度体調を崩してしまうと、回復に時間がかかるので、早めに行動しましょう。

ちあき【元保育士ライター】

安心できる人に打ち明けるだけで、心が元気になることもありますよ。

採用面接での『辞めた理由』の前向きな答え方

保育士1年目で辞めるとき、次の就職面接で必ず聞かれるのが「なぜ短期間で退職したのですか?」です。

大切なのは、事実を隠すことよりも、学びと改善意欲が伝わる言い方に整えることです。

前職の悪口になると印象が良くないので、「自分の課題」「次に大切にしたい働き方」をセットで話すと前向きに見えますよ。

「人間関係がつらかった」が理由の場合

人間関係は正直な理由として多い一方、伝え方次第で印象が大きく変わります。

ポイントは「他責にしない」「再発防止の視点を入れる」です。

「人間関係が悪くて辞めました」

「先輩がきつくて無理でした

上記では、退職理由が他責になっています。

元をたどれば同じ理由でも言い方を変えることで、こんなにも印象が変わりますよ。

「新人として相談のタイミングをつかめず、抱え込みがちでした。今後は報連相を早めに行い、チームで保育を進められる環境で成長したいです」

誰かを責める言い回しより、これから自分がどうしたいかにフォーカスした方が、信頼につながります。

「業務量・残業が多かった」が理由の場合

業務負担は、働き方の問題として正当性があるテーマです。

ただし「楽したい」印象にならないよう、保育の質や健康維持の観点を添えると良いでしょう。

「残業が多いのが嫌で辞めました」

「忙しすぎて無理でした

上記の理由では、働くモチベーションのないようにも感じられます。

「時間外労働が常態化し、保育の準備や振り返りが難しいと感じました。子どもに向き合う時間を確保できる体制の園で、計画的に保育を組み立てたいです」

これからも長く保育士を続けるために、業務の見える化やICT導入などの工夫がある園を希望しています

業務量が減ったからこそ、保育に集中できることやこの先も長く働き続けるための選択として語ると好印象です。

「給与・待遇」が理由の場合

待遇理由は言いにくいと感じる人も多いですが、伝え方を工夫すれば問題ありません。

金額だけではなく働き方とのバランスを軸にして伝えましょう。

「給料が安いので辞めました」

「もっと稼げるところがいいです」

上記では、お金だけ気にしているように感じられます。

「業務量と待遇のバランスを踏まえ、長期的に働き続けられる環境を探したいと考えました。制度や手当、評価基準が明確な職場で、目標を持って働きたいです」

お金だけでなく、透明性があるからこそモチベーションを高く持って働けることを伝えると好印象につながります。

「理想と現実のギャップを感じた」が理由の場合

見出しの理由は、保育観を言語化して伝えられるチャンスでもあります。

「何が理想で、何が合わなかったのか」を具体化すると説得力が出ますよ。

「思っていた保育と違いました」

「理想の保育ができなかったので辞めました」

上記では、どんなところが合わず、自分がどんな理想を持っているのか伝わりません。

「子ども主体の関わりや丁寧なサポートを実践できる環境を探したいと感じました。園見学で保育の進め方や職員間の共有方法を確認し、長く成長できる園で働きたいです」

自分が理想としている保育を伝えることで、相手はモチベーションの高さを感じられるでしょう。

「メンタル・体力面がきつかった」が理由の場合

体調理由は言いにくいものの、無理に隠す必要はありません。

回復済みであること、再発防止を意識していることを伝えると良いでしょう。

「メンタルが限界で辞めました」

「体力的に無理でした」

上記では回復しているのかどうか、相手に伝わりません。

「環境の変化と業務負担が重なり、体調管理を優先して働き方を見直しました。現在は生活リズムを整え回復しています。無理なく保育の仕事を長く続けるために、業務体制や休憩の取り方が整っている職場を希望しました」

回復しきっていること、同じ体調不良を繰り返さないように自分なりに意識できていることが伝わると、担当者の印象は悪くはなりませんよ。

保育士が1年目で辞める時の注意点

1年目で辞めると決めたら、気持ちが楽になる一方で「どう辞めたらいいの?」と不安も出ますよね。

退職は感情だけで進めず、段取りを踏むことが円満退職の近道です。

特に保育現場は、子ども・保護者・職員への影響が大きい分、タイミングや引継ぎが重要になります。

本章では最低限おさえておきたい注意点をまとめます。

退職の意志は早めに伝える

退職を決めたら、できるだけ早めに園へ伝えましょう。

園は配置や採用計画を組む必要があるため、直前の報告はトラブルのになりやすいです。

伝える相手は基本的に主任や園長です。

感情的になりそうなら、事前にメモを作り、退職希望日と理由の要点をセットで話すとスムーズです。

引き止めがあっても、決意が固いなら相談ではなく、報告の形で伝えましょう。

引継ぎ内容を整理しておく

円満退職のカギは引継ぎです。

担当している子どもの様子、配慮点、保護者対応で気をつけていること、行事の進行状況、書類の保管場所などを、簡単にまとめておくと後任が助かります。

口頭だけでは抜け漏れが出やすいので、箇条書きの引継ぎメモを作るのがおすすめです。

引継ぎメモ例
  • クラスの気になる点(アレルギー、生活面)
  • 保護者対応の要点
  • 行事準備の進捗と保管場所

最後の印象が良く、次の職場の紹介につながることもあります。

有給休暇・給与・保険などの手続きを確認する

退職時は手続きが多いので、早めに確認しておくと安心です。

有給の残日数、最終給与の締め日と支給日、社会保険の切替、雇用保険の離職票などは特に重要なので忘れずにチェックしましょう。

園の事務担当者に退職までの流れを聞き、必要書類をリスト化すると漏れが減ります。

不明点は遠慮せず確認し、損をしないように進めましょう。

次の職場を焦って決めない

「早く辞めたい」気持ちが強いと、次の職場を急いで決めてしまいがちです。

でも、焦って転職活動を始めて次の園を決めてしまうと、今悩んでいることを繰り返してしまうリスクもあります。

転職先は、条件だけでなく園見学をして実際の雰囲気や体制まで見てから判断するのがおすすめです。

可能なら園見学を申し込み、面接では働き方を具体的に確認すると安心できますね。

短期離職を繰り返さないために、丁寧に進めていきましょう。

保育士1年目の転職を成功させるためのポイント

保育士1年目の転職は、やみくもに動くより、きちんと辞める理由を整理してから進めると成功しやすいです。

特に短期離職は面接で理由を聞かれるため、伝え方と次の職場の選び方は重要になります。

本章では、転職を前向きなキャリアに変えるためのポイントを絞って解説します。

辞めた理由を前向きに捉える

面接で1年目で退職した理由を聞かれたときは、「就職先選びを失敗した」ではなく「学びがあった」と伝えるのがポイントです。

たとえば人間関係が理由の退職でも、「報連相の重要性を学んだ」「チーム保育の仕組みがある園で力を発揮したい」と言い換えられます。

大事なのは、辞める理由になる悩みと同じことを繰り返さない工夫を語ることです。

短期離職でも、辞めた理由を前向きに捉えて言語化ができる人は評価されやすいですよ。

自分にとって何が大切かを見つめ直す

1年目で辞めたくなる人は、次の職場でも同じ理由で悩みやすい傾向があります。

だからこそ「自分の軸」を作ることが重要です。

たとえば「残業少なめが最優先」「保育観が合う園がいい」「休憩が取れる体制が必須」など、譲れない条件を3つに絞ってみてください。

自分の軸の決め方ワーク
  • 絶対に嫌だったことを書き出す
  • これがあると頑張れるものは何かを考える
  • 生活上どうしても必要な条件は何か洗い出す

軸が明確になると、求人選びもブレにくくなり、同じ悩みにぶつかる可能性は低くなります。

園見学を行い現場の雰囲気を確認する

求人票だけでは、園の空気感や人間関係を把握するのには無理があります。

1年目で転職するなら、園見学をしっかりと行っておくといいでしょう。

職員の表情、子どもへの声かけ、休憩室の様子、書類作業の雰囲気などを見れば、「ここなら働けそう」という気持ちがより具体的になります。

園見学チェックリストの例
  • 子どもたちへの関わり方
  • 休憩が本当に取れそうか
  • 職員の年齢層は偏っていないか
  • 保育の進め方はどうか

雰囲気を知ってから判断するだけで、転職の成功率はぐっと高くなりますよ。

転職エージェントをうまく活用する

1年目の転職で不安が大きい人ほど、転職エージェントの活用は効果的です。

求人情報や園のホームページだけではわからない内部事情を知っている可能性がありますし、短期離職の理由の伝え方を一緒に考えてもらえたり、面接の日程調整をしてもらえたりします。

退職時の伝え方やスケジュールも相談できるので、「一人で抱えない」だけでも心が軽くなります。

無料で使えるので、情報収集として相談だけでも価値がありますよ。

保育士1年目で転職した人、辞めた理由は?

保育士1年目は、理想と現実の差に戸惑いやすい時期です。

書類や行事準備、保護者対応など想像以上の業務量に追われ、心身の余裕がなくなる人も少なくありません。

本章では、実際に転職や退職を経験した先輩の体験談から、辞めた理由や転職後の変化、後悔の有無を紹介します。

書類と行事に追われて限界に、小規模園へ転職

保育士として働き始めたものの、1年目は想像以上に忙しく、毎日の書類作成や行事準備に追われて心身ともに余裕がなくなってしまいました。先輩に相談しても「慣れるしかないよ」と言われるだけで、このまま続ける自信が持てず転職を決意しました。
転職活動は保育士専門のサイトを使い、まずは自分の希望条件を整理するところから始めました。今は同じ保育の仕事ですが、小規模園に移ったことで負担が減り、子どもと向き合う時間が増えて働きやすくなりました。辞めたことに後悔はなく、むしろ環境を変えて正解だったと感じています。

みなとさん・保育士歴1年・26歳(ほいポケ編集部独自アンケートより)

1年目の「業務量で心が削られる」悩みは非常に多いです。

特に、相談しても具体策が得られず「慣れ」で片づけられる職場では、本人の努力だけで改善するのが難しくなります。

同じ保育でも規模や体制が変わるだけで負担感は大きく変化しますよ!

ちあき【元保育士ライター】

転職前に希望条件を整理した点も、ミスマッチを減らす上で有効だったと思います。

待遇は悪くないのにやりがいが持てなくて異業種に戻って納得

転職サイト利用で勤務地が希望とは逸れていたのですが、環境や待遇が良いという理由で選びました。ただ、設備が十分整っていなかったり、勤めてから明らかになる部分が少しずつ見えてきました。
良くない部分が分かってきた事もありますが、前職であるIT業界と比較するとやりがいを感じられず3ヶ月くらいで通うのが億劫になりました。
同僚とのコミュニケーションも取りやすく、楽しいこともあり、待遇についても不満はなかったです。
ただ、良い点と良くない点のバランスも保てなくなり、1年目でIT業界に転職をしました。
その後は、やりがいのある日々を送っていて、転職は成功だったと言えます。

このはさん・保育士歴2年・50歳(ほいポケ編集部独自アンケートより)

「待遇が良い=続けられる」とは限らず、やりがいや価値観との一致が欠けるとつらくなることがあります。

また、入職後に見えてくる設備面や運営体制のギャップは、転職で起こりやすい落とし穴です。

転職は保育業界に残るだけでなく、異業種も含めて「自分に合う働き方」を選んでよいのだと示しています。

ちあき【元保育士ライター】

条件だけで決めず、続けられる理由があるかを自分に確認しましょう。

ブラック園で給与も運営も崩壊したが、1年目退職でも立て直せた

新卒で幼稚園に入社した、その幼稚園がとてもブラックな園でした。園長、理事長が夫婦の家族経営の園だったのですが、その夫婦が非常に仕事が雑で信頼の置けないトップでした。給料が、自分自身でもらったあと、合ってるか計算しないと行けないほど、めちゃくちゃな額であったり、未払いに近いような形の月もあり、また、休日出勤かつ給料の支給なしの日も当たり前。そんななかフォローが、ほとんどなしのクラス担任も1年目で急に任され、職員が一斉退職したタイミングで自身もわずか1年目で退職しました。今は別の園で職場環境もよく働き、辞めて成功です。

ぴっちんさん・保育士歴5年・30歳(ほいポケ編集部独自アンケートより)

給与の不透明さや未払い、無給の休日出勤は、労働条件として非常に深刻です。

さらに、フォローのない状態で担任を任されるのは、本人だけでなく保育の質にも影響します。

職員の一斉退職が起きる職場は構造的に問題を抱えていることが多いので、環境を変えて働く判断は適切だったと感じます。

ちあき【元保育士ライター】

違法、不当の可能性がある職場は、続けることが本人のリスクになる場合もありますね。

保育士1年目の転職に関するよくある質問まとめ

保育士1年目で辞めたいと思ったとき、頭の中には疑問が次々浮かびますよね。

どれも不安が強いほど深刻に感じるものです。

本章では、現場の感覚も踏まえながら、よくある質問に分かりやすく答えていきます。

保育士1年目でも派遣保育士で働きながら次の職場を探せる?

派遣保育士で働きながら次の職場を探すことは可能です。

派遣は「担任を持たない」「固定時間で働ける」など、負担を調整しやすい働き方で、転職活動の時間を確保しながら、収入を途切れさせずに次を探せるのはメリットです。

ただし派遣会社や就業先によって条件差が大きいので、時給だけでなく交通費、社会保険、更新条件も確認しましょう。

まずは心身の回復を優先したい人にも向いています。

保育士1年目は子どもになめられるのが当たり前?

「なめられる」というより、子どもは保育士のことをよく観察しています。

新人保育士は声のかけ方に自信のなさが感じられたり、不安そうな表情をしたまま保育していることも少なくありません。

そのため、子どもたちから試されるような場面が増えるのは自然です。

園のルールは一貫して伝え、できたことは具体的に褒め、困ったときは先輩の声かけを真似して、少しずつ子どもたちとの信頼関係を築いていきましょう。

保育士1年目で「向いてない」と感じたらどうすればいい?

まず、「何がつらいのか」を分解してみましょう。

原因が環境にあるのなら、園を変えることで改善する可能性は高いです。

一方、心身の不調が強い場合は休むことを最優先事項に持ってきてくださいね。

「向いてない=能力不足」と決めつけるのではなく、保育士の向き不向きは職場の体制や相性で大きく左右されることもありますよ。

保育士1年目だけど辞めたい…そんな人におすすめの転職エージェント3選

保育士1年目の転職は、不安が大きいぶん「情報の質」が成功を左右します。

園の雰囲気、離職率、残業の実態、フォロー体制など、求人票だけでは見えない部分を知っておくと失敗しにくいです。

転職エージェントは、内部情報を教えてくれたり、面接の言い回しを整えてくれたりする頼れる味方とも言えます。

一人で抱え込みやすい1年目こそ、相談先として活用する価値があるでしょう。

保育士ワーカー

保育士ワーカー
運営会社株式会社トライトキャリア
求人数19,433件(2025年12月現在)
対応エリア全国
雇用形態正社員、契約社員、パート
公式サイトhttps://hoikushi-worker.com/

保育士ワーカーは、求人量の多さとスピード感が魅力の転職サイトです。

人間関係や働き方の悩みを聞いたうえで、条件に合う園を提案してくれます。

1年目転職で不安な「短期離職の伝え方」も一緒に整理してくれるため、面接が怖い人にも向いています。

まずは情報収集として登録し、求人の比較から始めるのもおすすめです。

マイナビ保育士

マイナビ保育士
運営会社株式会社マイナビ
求人数21,851件(2025年12月現在)
対応エリア全国
雇用形態正社員、契約社員、パート
公式サイトhttps://hoiku.mynavi.jp/

マイナビ保育士は、大手人材業界が運営する転職サイトで、初めての転職で特に手厚くサポートしてほしい人に向いています。

園の情報提供だけでなく、職務経歴の整理や面接練習にも力を入れており、さらには就職後のアフターフォローも行っているのが特徴です。

幅広い施設形態の求人を取り扱っているので、保育園以外を検討している人にもおすすめですよ。

保育士人材バンク

保育士人材バンク
運営会社株式会社エス・エム・エス
求人数37,541件(2025年12月現在)
対応エリア全国
雇用形態正社員、契約社員、パート
公式サイトhttps://hoiku.jinzaibank.com

保育士人材バンクは、地方も含めて幅広く求人を扱うのが強みです。

「次は残業少なめがいい」「小規模園が合いそう」など、希望を具体化しながら提案してくれます。

1年目の転職は迷いが出やすいですが、条件の優先順位を一緒に整理してくれると判断がしやすくなります。

焦って決めないためにも、複数社に相談して比較する方法も有効です。

まとめ

保育士1年目で「辞めたい」「転職したい」と感じるのは、あなたが弱いからではありません。

1年目で転職してもキャリアに致命的な影響が出ることは少なく、むしろ合わない職場から早めに軌道修正できるメリットもあります。

大切なのは、辞めたい理由を整理し、面接では前向きに言語化し、園見学やエージェントも活用してあなたにぴったりの環境を選びましょう。

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この記事を書いた人

認可保育園で勤務後退職して留学。その後は英語の幼稚園で働く。結婚を機に派遣保育士に転身し、さまざまな園で経験を積む。保育士歴は通算7年ほど。子どもが重度アレルギー児になったことでライターに転身した2児の母。

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