2歳児は「自分でやってみたい」とさまざまなことに興味関心が強い時期です。
子どもたちが自由にのびのびと活動を楽しむためには、安全な環境と年齢・発達に合った遊びの工夫が大切です。
今回は、少ない材料で取り入れられる室内遊びを「ゲーム」「運動」「製作」に分けて紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
- 室内遊びを安全に楽しく行う上でのポイント
- 身近なもので楽しめる室内遊び
- 体を動かして楽しむ運動遊び
- 表現力や集中力を育む製作遊び
Takako【元保育士】特別な準備や材料はいらないので、日々の保育に取り入れやすいですよ♪


Takako先生 元保育士ライター
保育士歴7年、現在は男女2児の母をしています。保育現場で培った経験や知識を活かし、悩んだり困ったりしている保育士の方、保育士を目指している方の力になれるような記事を心がけています。


2歳児の室内遊びのポイントは?
2歳児の室内遊びのポイントは主に以下の3つです。
- 安全な環境構成
- 子どもたちの発達に合わせた工夫
- 子どもが主体的に取り組める工夫
誤飲や転倒など、危険の少ない空間を整えつつ、子どもたちが興味を持って取り組めるものを用意しましょう。
また、子どもたちが自分で選び、試せる環境をつくることで主体的な遊びが広がり、2歳児ならではの意欲や好奇心を引き出すきっかけになります。
2歳児の発達段階
2歳児は心と体の成長が大きく進む時期です。
簡単な会話を楽しめるようになり、歩く・走るなどの基本動作が安定して全身を使った遊びがさらに活発になります。
また「自分でやりたい」という気持ちが強くなり、意思表示もはっきりしてくるのが特徴です。
- 自己主張が強くなり「自分でやりたい」という気持ちがはっきりしてくる
- 言葉の数が増え、会話でやり取りを楽しめるようになる
- 手先が器用になり、全身を使ったダイナミックな動きが多くなる
2歳児の室内遊びの注意点
2歳児は好奇心が旺盛で、なんでも「やってみたい!」という気持ちが強い時期なので、安全面への配慮は欠かせません。
2歳児の室内遊びの具体的な注意点は、以下にまとめているので参考にしてください。
- 誤飲や転倒の危険があるものは事前に排除しておく
- 選択肢をいくつか用意しておく
- 遊びの工夫や保育者の配置に考慮する
また、興味が移りやすいため、遊びが偏らないよう環境を工夫することが大切です。
特に見守りが必要な場所には保育者が必ずつくなど、人員配置にも十分配慮しましょう。
2歳児におすすめ!すぐできる室内遊び(ゲーム)5選
天気が悪い日など、外遊びが難しい日が続くと「今日は何して遊ぼう?」と悩んでしまいますよね。
とくに2歳児は好奇心いっぱいで体を動かしたい時期なので、室内でも満足できる遊びを知っておくと安心です。
そこで今回は、特別な準備がいらず、思い立ったらすぐにできる室内遊びを5つ紹介します。
どれも簡単で盛り上がるものばかりなので、活動の参考にしてください。
新聞紙ビリビリ体験【破いて、投げて、丸めて指先から全身で楽しめる!】
新聞紙遊びは、指先の発達を促す「ちぎる」「丸める」といった動作や、全身運動につながる「投げる」動作が楽しめる遊びです。
ちぎりやすいように切れ目を入れて個々に合わせた援助を行い、誤飲や転倒、衝突に注意しましょう。
帽子やマント、剣などを作ってファッションショーにするなどの遊び方もおすすめで、片付けも「お片付け競争」にすると最後まで楽しめます。
- 新聞紙
- セロハンテープ
- ゴミ袋
ダイナミックに絵の具遊び【ペタペタ楽しい色の世界】
模造紙を床に貼り付け、子どもたちが絵の具を使って自由に描く遊びで、手のひらや指先などを使うことで、感触遊びや表現力が育ちます。
転倒防止に気をつけ、汚れてもいい服装で行いましょう。
色の混ざりを楽しめるよう十分なスペースと絵の具を用意し、人数が多い場合は、2つのグループに分けて安全に取り組める環境をつくります。
スポンジやローラー、タンポなどを使用すると表現の幅が広がりますよ。
- 模造紙
- 絵の具
- ブルーシート(模造紙の下に敷く)
- 雑巾
どこかな?宝探しゲーム【見つけた瞬間の笑顔が最高!】
事前に用意した「宝」を保育者が隠し、子どもたちが見つけるゲーム遊びで、集中力が付き、達成感を味わえます。
誤飲の心配がなく、子どもたちが手に取りやすいサイズのものを用意しましょう。
隠す「宝」は事前に子どもたちに見せておき、探すイメージを持たせたり、床や棚の上など、子どもが見つけやすい高さ・位置に隠すことで子どもたちも無理なく遊びに参加できます。
絵本「きんぎょがにげた」「ねないこだれだ」など、子どもたちが好きなキャラクターを探しても盛り上がります。
- 宝
片栗粉スライムで感触遊び【手の中で変わる不思議さに夢中!】
片栗粉と水で作る感触遊びは、握ると固まり、手を離すと液状化する不思議な感触が子どもたちを夢中にさせます。
タライに入れてみんなで遊んだり、一人一つタッパーに入れて個別に遊んだりできるので、子どもの様子を見ながら用意してください。
さらに、食紅で色をつけると視覚的にも楽しめるスライムとしてアレンジ可能です。
- 片栗粉
- 水
- タライ(タッパー)
準備不要!だるまさんがころんだ【かわいいだるまさんになりきって楽しもう!】
保育者が鬼になり「だるまさんがころんだ」の声に合わせて、子どもたちが動いたり止まったりして遊びます。
動く・止まるといった身体のコントロールが育ち、準備不要ですぐに遊べるのが魅力です。
ひらけた安全な場所で、子ども同士の衝突や転倒がないよう注意して楽しみましょう。
「だるまさんがうさぎに変身した」など、アレンジをして動物になりきるのも楽しくておすすめです。
2歳児におすすめ!すぐできる室内遊び(運動)5選
体をおもいきり動かすことが大好きな2歳児は、走る、止まる、ジャンプをする、バランスを保つなど運動の基本が育つ時期でもあります。
安全な環境の中で楽しく全身を使った遊びを用意することで、身体の発達だけでなく、達成感にもつながります。
ここでは、2歳児におすすめの運動遊びを5つ紹介します。
雨の日でもお部屋でしっかり体を動かして楽しめますよ。
スズランテープでしっぽとりゲーム【カラフルなしっぽで走り回ろう!】
しっぽに見立てたスズランテープを取り合う、全身を使った簡単なルールのあるゲームで、走る・追いかけるなど体全体を使った動きで、運動能力の向上にも役立ちます。
広く安全な場所で行い、しっぽは床につかない範囲内で長めに切っておくと、子どもたちが掴みやすくなり、洗濯バサミをつけたしっぽを用意すると、取られた感覚が得やすいのでおすすめです。
しっぽの色をグループごとに変えて「チーム対抗しっぽとり」にしても盛り上がります。
- スズランテープ
どんどん伸びるじゃんけん列車【長~くつながって大笑い】
じゃんけんをして、負けた子が勝った子の後ろにつながって列車を作っていく遊びで、勝ち負けの経験や社会性を育みます。
じゃんけんが苦手な子には保育者がそっと横につき、無理なく参加できるようサポートをしましょう。
長い列に子どもたちは大盛り上がりですが、転倒などの危険が出やすくなるのでスピードを落とすようにすると安心です。
音楽を流して「音が止まったらストップ」など簡単なルールを足すとさらに楽しく遊べます。
サーキットで室内遊び場【雨の日でも楽しく体を動かす!】
平均台や、鉄棒、マットなどを使用し、順番に進みながら楽しむ運動遊びです。
組み合わせ次第で全身運動やバランス感覚が育ち、室内でも安全に体を動かせるのが魅力です。
動線を一方通行にして、衝突やトラブルがないように注意し、危険が予測される箇所にはマットを敷くなどして、安全面に配慮してください。
「動物になりきって進む」など、テーマを決めるとより楽しく想像力が広がります。
- 平均台
- 鉄棒
- マット
- 跳び箱
- トランポリン
ふわふわ風船遊び【予測できない動きに大興奮!】
さまざまな大きさ、色の風船を用意し、ふわふわ飛ばして楽しみながら、つかむ・叩く・落とさないようにするなど、運動機能や集中力を育てます。
風船はたっぷり用意しておくことで待ち時間が減り、扇風機やエアコンの風を利用すると、さらに不規則な動きになり子どもたちは大喜びです。
割れた風船の一部で誤飲しないよう、その都度しっかり回収しましょう。
- 風船
掛け声に合わせてどうぶつに変身【なりきって体を動かそう!】
保育者の掛け声に合わせてさまざまな動物になりきって体を動かす遊びで、全身運動に加え、表現力や想像力も育む効果があります。
たとえば「ワニ」ならうつ伏せになり姿勢を低くして前進、「うさぎ」なら手で耳を作りジャンプで移動します。
動物は子どもたちがイメージしやすいものにし、保育者も一緒にやるなどして、見本を見せながら楽しむと効果的です。
動物カードを使い、子どもが引いた動物になりきっても楽しい活動です。
2歳児におすすめ!すぐできる室内遊び(製作)5選
ちぎる・貼る・つまむなどの細かい動きができるようになるこの時期は、指先や手のひらをたっぷり使う製作や感触遊びがおすすめで、遊びながら集中力や創造力も育ちます。
ここでは、少ない材料で保育現場に気軽に取り入れられる製作を5つ紹介しているので、日々の保育の参考にしてみてください。
どの遊びも、子どもたちが夢中になって楽しめる内容です。
折り紙でちぎり絵【指先を使って集中!】
ちぎった折り紙をのりを使って台紙に貼り付けて行う製作です。
紙をちぎる・貼るといった指先を使う動作を繰り返すことで、手先を使う力を養います。
また、折り紙以外の紙を使用すると、質感やちぎりやすさが変わるので、子どもたちの発達や製作の雰囲気に合わせて工夫できます。
ちぎるのが難しい子には、あらかじめ切れ目をいれておくなどの援助をするとスムーズに取り組めます。
千代紙などを使うと、和風の風合いも楽しめて作品の幅が広がりますよ。
- 台紙
- 折り紙
- のり
野菜を使っておもしろスタンプ【野菜の不思議なかたちにびっくり!】
野菜を適当な大きさに切り、断面に絵の具をつけてスタンプします。
野菜によって断面が異なるため、さまざまな模様を楽しめるだけでなく、野菜に興味を持つきっかけ作りにも最適です。
2歳児はまだ力のコントロールが難しい場合があるため、ニンジンやレンコン、ピーマンなど柔らかすぎないものを用意しておきましょう。
絵の具は少しゆるめに溶いておくと、スタンプがしやすく、色や野菜を変えて重ね押しすることでさまざまな模様が現れてより楽しめます。
- 野菜
- 台紙
- 絵の具
- 雑巾
ペットボトルで手作り楽器【鳴らして楽しもう!】
空のペットボトルにシールなどで飾り付けし、太めのストローをいれてつくる手作り楽器です。
指先を使った細かい作業が楽しめるだけでなく、完成後は音を鳴らして楽しむこともできます。
ストローなどは誤飲しない程度で、つかみやすい大きさに切っておきましょう。
ストローを洗って乾燥させたスイカの種や、どんぐりなどに変えることで季節感も楽しめます。
- ペットボトル
- シール
- ストロー
コロコロ転がすビー玉アート【転がる動きで模様ができる!】
絵の具をつけたビー玉を台紙の上で転がす作品で、ビー玉が転がることで現れる模様に、子どもたちは夢中になります。
子どもたちが持ちやすい大きさの箱を使用することで、より集中して楽しめます。
何色か使用するとさらに模様に広がりが出るのでおすすめです。
また、ビー玉をどんぐりや松ぼっくりなど違うきのみに変えるだけでも、現れる線の太さが変わり表現の幅が広がります。
- ビー玉
- 絵の具
- 台紙
- 箱
花紙でふわふわクラゲ製作【くしゃくしゃ丸めるだけで簡単かわいい!】
花紙をくしゃくしゃと丸めて台紙に貼り付ける製作遊びです。
指先を使って紙にボリュームを出す動きは、感覚遊びとしても楽しく、立体的な仕上がりが楽しめます。
花紙は4分の1サイズに切っておくと、子どもたちが丸めやすくなります。
優しく丸めたり、しっかりめたりと様々な力加減で異なる立体感を楽しみましょう。
ライオンのたてがみやフラミンゴの体など、花紙を使って動物の特徴を立体的に表現する製作にもおすすめです。
- 花紙
- 台紙
- のり








