9月は、秋の訪れを感じさせる自然や行事がたくさんある季節です。
5歳児にとっては、感性や表現力がぐっと育つ時期であり、季節の移り変わりに気づき、それを表現する楽しさを味わえる絶好のチャンスでもあります。
この記事では、9月ならではの自然や行事をテーマに、5歳児の発達段階に合った製作アイデアをたっぷりご紹介します。
秋の実りや動物、行事を題材に、創造力を広げられる製作を通じて、楽しい思い出を作ってみませんか?
- 9月に取り入れたい行事や季節感のあるテーマを活かした製作アイデアを紹介
- 表現力や手先の動きをさらに発達させる5歳児にぴったりの製作例をピックアップ
- 製作を通じて、秋の自然や文化にふれながら、子どもたちの創造力や集中力を育てるヒントを掲載
- 保育士目線で、子どもが主体的に楽しめる製作のねらいや声かけのポイントを解説

9月に作りたい製作とは?どんなイベントがあるの?
9月にあるイベント
- 敬老の日(おじいちゃん・おばあちゃんへのプレゼント製作)
- お月見(満月・うさぎ・お団子などのモチーフ)
- 秋の味覚(ぶどう、りんご、さつまいもなど)
- 落ち葉やどんぐりなどの自然素材遊び
- 運動会や練習の様子を製作に反映
- 動物や昆虫(とんぼ・りす・くま など)をテーマにした作品作り
9月は、暑さがやわらぎ、夏から秋への移ろいを感じる季節です。
空の色や風の涼しさ、草花や虫の変化など、身の回りにたくさんの「秋の気配」が見られます。
そんな自然の変化に気づく感性が育つこの時期、製作活動は子どもたちにとって、身のまわりの発見を表現する絶好の機会です。
5歳児はイメージを形にする力がぐんと育つ時期でもあるため、行事や風物詩をテーマにした製作を通して、表現する楽しさや達成感を味わえるようにしましょう。
5歳児ができることと製作のねらい
5歳児は、手先が器用になり、はさみやのり、折り紙などを使いこなせるようになります。
想像したものを自分の手で表現する力も育っており、「自分で考えて作りたい」という気持ちが強くなる時期です。
そのため、保育者は子どもが主体的に取り組める環境や声かけを大切にすることがポイントになります。
製作のねらいとしては、「表現力を豊かにする」「集中して作業に取り組む」「達成感を味わう」といった育ちを意識しましょう。
【5歳児向け】9月におすすめの製作アイデア10選
9月の季節感を楽しみながら取り組める、5歳児向けの製作アイデアを10個厳選してご紹介します。
身近な素材を使いながらも、少し手の込んだ工程を取り入れることで、子どもたちのやる気や達成感を引き出せる作品ばかりです。
秋の自然や行事に親しみながら、自分の手で作る楽しさを感じられる製作活動を通して、子どもたちの想像力と創造性を大切に育てていきましょう。
保育の現場でも、すぐに活用できる内容なので早速製作してみてくださいね!
秋を代表する魚、さんまをつくってみよう
秋の味覚として親しまれている「さんま」をテーマにした製作活動は、季節の変化を感じながら楽しめるおすすめのアイデアです。
光沢のあるアルミホイルでさんまのリアルな質感を表現することで、食育にもつながる製作になりますよ。
図鑑や絵本、写真などを見せながら、さんまの形や色を観察してから作ると、子どもたちの観察力も育ちます。
5歳児なら細かい部分の表現にもチャレンジしやすく、完成後にはお魚屋さんごっこに発展するなど遊びの幅も広がります。
- チラシや新聞紙
- アルミホイル
- 青色のペン
- 黄色のペン
- 目玉シール
- チラシを丸めて棒状にし、魚の胴体の土台を作ります。
- 土台にアルミホイルを巻いて、尾びれ部分も形成します。
- さらに表面をなだらかに整えるようにアルミホイルを重ねます。
- さんま特有の青みがかった背中は、青や黄色のペンで色をつけて表現します。
- 最後に目玉シールを貼れば完成。たくさん作って飾っても楽しいですよ。
紙粘土で作るお月見飾り
十五夜(中秋の名月)は、9月を代表する風習のひとつ。
そんな行事にちなんだ「お月見飾り」の製作は、5歳児の造形力やイメージ力を引き出してくれる活動です。
紙粘土を使えば、うさぎやお団子、満月などを立体的に再現できるため、完成した作品にも達成感が生まれます。
行事の由来や意味を伝えながら製作することで、子どもたちは文化にも興味を持つようになるでしょう。
立体構成の練習にもなり、展示にもおすすめの製作です。
- 段ボール
- 丸く型取れるもの(コップ・ペットボトルのキャップなど)
- 紙粘土
- 水彩絵の具(紙粘土に混ぜる用)
- 空き箱
- 色画用紙(黒)
- 鉛筆
- ラップ
- 両面テープ
- カッター
- ハサミ
- コップやキャップを使って段ボールに満月やうさぎ、お団子の形を描き、はさみで切り抜きます。
- 紙粘土に絵の具を混ぜて色づけし、それぞれのパーツに貼り付けます。
- 月にはラップで模様をつけて表情を加えましょう。
- 黒い画用紙を貼った空き箱に、作ったパーツを配置して飾れば完成!奥行きのある作品が作れますよ。
折り紙でかわいいきのこ
折り紙で作る「きのこ」は、秋の味覚をテーマにしたかわいらしい製作です。
普段から子どもたちが目にしている食材なので、親しみやすく興味を持って取り組みやすいのが特徴です。
5歳児なら、折り方を少しアレンジしたり、表情を描いてみたりと、自分なりのアレンジを加える力も育っています。
きのこの顔や模様を描いて、個性豊かな作品に仕上げていくことで、子どもたちの表現力や創造力が引き出される製作になります。
- 折り紙 茶色
- 折り紙を半分に折り、さらに半分に折ってから広げて折り目をつけます。
- 折り目に沿って両端を中心に向かって折り、きのこの傘と軸の形を整えます。
- 折り終わったら、傘部分に好きな模様を描いたり、顔を描いたりしてアレンジします。
- 模造紙に貼って森の壁面飾りにしても楽しめますよ。
落ち葉のフロッタージュクイズ
秋の自然を活かした「落ち葉のフロッタージュクイズ」は、葉っぱの形や模様に注目しながら楽しめるアート活動です。
フロッタージュとは「こすり出し」の技法で、色鉛筆などを使って、紙越しに下にある葉っぱの凹凸を写し取ります。
5歳児には、葉の形の違いや模様の違いを観察する力も育ってきているので、葉っぱの名前あてクイズなどに発展させても学びにつながります。
自然とのふれあいも感じられるおすすめの活動です。
- コピー用紙(薄い紙)
- 色鉛筆
- 落ち葉
- 園庭や公園でさまざまな落ち葉を集め、机の上に並べます。
- その上にコピー用紙をかぶせ、色鉛筆を横にして優しくこすります。
- 葉っぱの形や葉脈が浮き出てくる様子に、子どもたちは興味津々。
- 1枚ずつ色を変えて描くと、カラフルなアートが完成します。
- 作品ができたら、「どの葉っぱかわかるかな?」とクイズにして楽しむのもおすすめです。
コーヒーフィルターで作るイチョウ
コーヒーフィルターを使ったイチョウ製作は、にじみ絵の美しさを活かした秋にぴったりのアートです。
水で薄めた絵の具がフィルターにじわっと広がり、鮮やかな色のグラデーションが生まれます。
5歳児は自分の好みの色合いを選ぶ楽しさや、偶然できる模様にワクワクしながら活動できますよ。
たくさんのイチョウを作って模造紙に貼り、大きな秋の木を表現してみると、共同制作としても楽しめます。
子どもたちの、感性や色彩感覚を養える製作です。
- コーヒーフィルター
- 黄色の絵の具
- 赤色の絵の具
- ホチキス
- コーヒーフィルターを半分に折り、さらに折って小さくします。
- 水で薄めた絵の具にフィルターの端を浸けて、色がにじむ様子を楽しみながら色をつけます。
- 乾かした後、蛇腹折りにして中央をホッチキスでとめます。
- イチョウの葉の形に開いて形を整えたら完成です。
- ホッチキスを使う部分は大人が補助しましょう。
簡単!折り紙メダルの作り方
5歳児クラスでの運動会やお誕生日などのイベントにぴったりな「折り紙メダル」は、子どもたちにとって嬉しいごほうびの一つ。
自分で作ったり、友だちにプレゼントしたりすることで、達成感や感謝の気持ちを育むことができます。
折り紙の折り方には少し工程がありますが、完成するとお花のように見える美しいメダルに仕上がり、子どもたちのモチベーションもアップします。
9月の行事製作として取り入れると、運動会への期待感も高まりますよ!
- 折り紙
- リボン(2cm~3cm幅のもの)
- 両面テープ
- セロハンテープ
- 折り紙を対角線で三角に折り、さらに半分に折ります。
- 片側を袋状につぶして四角を作り、裏返して反対側も同様にします。
- いったん開き、中心線に向かって両端を折り上げ、向きを変えてもう一度繰り返します。
- 三角の袋部分を開いてつぶし、八角形になるように整えたらリボンを両面テープで貼り、角をセロハンテープで固定して完成です。
季節の折り紙製作。すすきを折ってみよう
秋の代表的な植物である「すすき」は、お月見や秋の風景にも登場する風情のあるモチーフ。
そんなすすきを、5歳児でも楽しめる折り紙製作で表現してみましょう。
細かく切ったり、くるくる丸めたりする工程は、指先の器用さや集中力を育むのにぴったりです。
すすきの穂の部分は繊細なので、やさしく切ることや丁寧に作ることを自然に学ぶ機会にもなります。
秋の壁面飾りにもなるので、9月の季節感を保育室いっぱいに広げることができますよ。
- 折り紙
- はさみ
- 折り紙を4分の1サイズにカットし、斜めに折ってから開きます。
- 折り目に沿って、細かい切り込みを入れて穂の部分を作ります。
- 次に、別の折り紙をくるくると巻いて茎の形にし、穂と組み合わせて貼りつけます。
- 最後に緑色の折り紙を葉っぱの形に切り、下の部分に貼りましょう。
- 台紙に配置して貼れば、すすきの完成です。
紙コップでミノムシけん玉
秋の自然を感じながら楽しめる「ミノムシけん玉」は、遊べる製作として5歳児に大人気のアイデアです。
作って終わりではなく、できあがった後もけん玉として遊べるので、活動がより充実したものになるでしょう。
秋の虫にちなんだミノムシの見た目は、季節感を感じさせるだけでなく、動きのある遊びにもつながりますよ。
クレヨンで顔を描いたり、葉っぱの模様をつけたりする工程では、子どもたちの想像力や表現力もぐんぐん育ちます。
- 紙コップ
- 新聞紙
- タコ糸(紙コップの高さ×4倍くらいの長さ分。両端は方結びしておく)
- 画用紙
- ビニールテープ
- クレヨン
- のり
- はさ
※事前準備:画用紙に葉っぱと目玉の輪郭を描いておく
- 紙コップにクレヨンで目や模様を描き、はさみでカットした葉っぱ型の画用紙を貼ってミノムシの顔を作ります。
- 新聞紙を丸めて玉を作り、ビニールテープでしっかりと巻いて形を整えます。
- 玉にタコ糸をつけ、反対側を紙コップの底に貼りつけます。
- 全体を組み合わせたら、手作りミノムシけん玉の完成です。
- 投げてキャッチする遊びで盛り上がれます。
メッセージを書いてプレゼント♪動くフォトフレーム
敬老の日や保護者の誕生日など、感謝の気持ちを伝えるのにぴったりな「動くフォトフレーム」は、プレゼントとして喜ばれる製作です。
5歳児なら、台紙を折ったり、順番に貼ったりといった工程も楽しみながら取り組めます。
仕掛けがあることで「写真が動いた!」という驚きもあり、贈る相手の笑顔も引き出せます。
行事や家庭とのつながりを感じる機会にもなり、子どもたちにとって心の成長にもつながる、9月の製作活動としておすすめです。
- 画用紙(土台用 1枚)
- 画用紙 10cm×14cm 6枚
- 画用紙 5cm×28cm 1枚
- 子どもの写真 数枚
- 定規
- はさみ
- のり
- 画用紙を14×36.3cmにカットし、端から10cmのところに線を引き、そこから1cm間隔で5本の線を引いて山折りにします。
- 長辺の端にのりを塗って貼り合わせ、三つ折りにします。
- 一番下のパーツに帯を巻き付けて貼り、反対側の土台を通して仕掛け部分を作ります。
- 最後に好きな写真を貼って完成。感謝のメッセージを添えるのも素敵ですね!
室内で楽しむ玉入れ合戦
運動会で大人気の「玉入れ」を、室内遊びとしても楽しめるようにアレンジした製作です。
新聞紙や牛乳パックなど、身近な素材で安全に作れるので、5歳児でも安心して取り組めます。
袋の高さを変えることで難易度調整もでき、子どもたちの年齢や発達に合わせて工夫できますよ。
9月の行事シーズンに合わせて運動遊びを楽しむきっかけにもなり、協力する力や競い合う楽しさも体験できます。
雨の日の遊びとしてもおすすめの、製作アイデアです。
- 牛乳パック
- ビニール袋
- シール
- 新聞紙
- ペン
- はさみ
- ビニールテープ
- セロハンテープ
- 牛乳パックの側面をはさみで4等分に切り分け、四角形の枠を作ります。
- ビニール袋の持ち手部分をカットして広げ、内側から牛乳パックの枠に貼り付けて袋を作ります。
- 好きな色のシールやペンで装飾をすればゴールの完成。
- 玉は新聞紙を丸めてビニールテープでしっかり巻きます。
- 壁に貼れば簡単に遊べる玉入れゲームになります。
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