「保育士には夏休みがない」と言われることがありますが、本当なのでしょうか。
実際には、保育士の夏休みや長期休暇の実態は園の方針や働き方によって大きく異なります。
今回は、保育士が夏休みを取りにくい理由や、実際にどのように休暇を取得しているのかを詳しく解説します。
「本当に夏休みは取れるの?」「どうやって休みを確保しているの?」といった疑問にお答えしますね。
- 保育園と幼稚園で異なる夏休みや長期休暇の実態
- 長期休暇が取れるタイミングを紹介
- 保育士が夏休みを取りづらい理由
- 休暇を上手に取得するための工夫やポイント

子どもと関わることも楽しいですが、保育士も長期休暇を取りリフレッシュしたいと思いますよね。しかし、保育をしていると園の行事などが優先され、なかなか休みが取れないと聞いたこともあるでしょう。今後の休暇の取り方の参考にしてくださいね。


Yama 幼稚園教諭ライター
幼稚園教諭歴10年、保育士資格有。体を動かすことが好きで、一緒に走り回って遊んでいました。現在は2児の母をしながら、子育てと保育の経験を活かしてWebライターをしています。
保育士に夏休みはあるの?
会社員に比べると休みが少ない印象を持たれることが多いですが、園の方針によってはお盆の時期などに3~5日程度の夏休みが設定されていることもあります。
一般的な会社員は土日祝日が休みで、夏季休暇もまとまった日数が設けられていることが多いですよね。
一方、保育士はシフト制で働くことが多く、土日や祝日も交代で出勤する場合があります。
保育園は夏の間も開園しているため、長期の夏休みは取りづらい傾向にあるでしょう。
保育士が夏休みを取れない理由
保育士は、子どもたちや家庭を支える大切な役割がありますが、「夏休みが取りにくい」とよく言われています。
保育園が夏も開園していることや、慢性的な人手不足が重なり、保育士が足りない状況で思うように休みが取れない現状があるのです。
今回は、そんな保育士が夏休みを取りにくい理由について、詳しく解説していきます。
保育園に夏休みはない
保育園は、共働き家庭やさまざまな事情を持つ家庭を支えるため、基本的に年間を通して開園しています。
そのため、学校のように夏休み期間が設けられていないのが現状で、保育士も子どもたちを見守るため、まとまった夏休みを取ることが難しいのです。
その代わり、保育士同士で交代しながら、短い休みを交代で取ることが多いです。
園によっては、労働環境が影響し、まとまった休暇を確保することが難しい場合もあります。
保育園は常に人手不足
保育園では、慢性的に保育士が足りていない状態が続いています。
保育士の仕事は責任が重く、業務量も多いのに、給与や待遇が他の職種と比べて低い傾向にあります。
そのため、離職者も多く、多くの園で「人手がもっと欲しい」と感じているのが現状です。
人手が足りないと、シフトの調整も難しくなり、保育士同士で交代して長期休暇を取ることが難しくなってしまいます。
人手不足は、保育士が夏休みなどの長期休暇をゆっくり取るのがなかなか難しい理由の一つです。
有給休暇が希望通り取れない
保育士は有給休暇を自由に取得することが難しい環境です。
大きな理由は、保育園の現場が常に人手不足で、誰かが休むと他の職員に大きな負担がかかるからです。
保育園全体で「できるだけ休まない」という雰囲気が根付いていることも多く、「休みを取りづらい」という雰囲気がある場合もあります。
また、毎月のように行事やイベントがあるため、タイミングを見つけるのも難しかったり、有給休暇の取得方法やルールが曖昧で、申請しづらかったりすることもあるでしょう。
保育園の種類別・夏休みや長期休暇の実態
保育園や幼稚園、こども園は、運営の仕組みが異なるため、休みの取りやすさに違いがあります。
認可保育園は安定した体制が魅力ですし、認可外や企業主導型保育園は柔軟な働き方ができる一方で、休暇の取り方も園ごとに様々です。
また、幼稚園やこども園は長期休暇がしっかり確保されていることが多いですね。
各園の特徴や休暇の取り方を詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
認可保育園
認可保育園は、国や自治体が定めた基準を満たし、各県の知事の認可を受けて運営されている保育園です。
公立と私立により、取りやすさが異なります。
公立園の場合は自治体の規定に従い、お盆や年末年始などにまとまった休みが設定されていることが多いです。
私立園では園によって休暇制度や取得実績が異なるため、事前に確認しておくと安心ですよ。
夏休み以外にも日曜・祝日やシフト制による休日も確保されているので、無理なく働きやすい環境が整っています。
- 夏休みや長期休暇は、園によって取得しやすさが異なる
- お盆や年末年始など、園の休園日に合わせて休みを取るケースが多い
- 有給休暇を利用して連休を作ることも可能
- 行事や繁忙期は休みが取りづらいこともある
- 公立園は自治体の規定により休日が多い場合がある
- 私立園は園ごとに休日や休暇制度が異なるため、事前に確認が必要
- 長期休暇以外にも、日曜・祝日やシフトによる休日が基本的に確保されている
認可外保育園・企業主導型保育園
認可外保育園や企業主導型保育園は、自治体の認可を受けていないため、運営や保育内容に差があります。
企業主導型保育園は、企業が従業員のために、保育時間や曜日も企業のニーズに合わせて設定されていることが多いです。
認可外保育園には24時間保育や夜間保育などがあり、園ごとに休暇制度や働き方が大きく異なるため、長期休暇の取りやすさも園の方針次第です。
シフト制で働くため、希望に合わせて休みを調整しやすい反面、繁忙期や人手が少ない時期は休みが取りにくいこともあるでしょう。
- 夏休みや長期休暇は園ごとの方針によって大きく異なる
- 年末年始やお盆も開園している園が多く、長期休暇は取りにくい傾向
- シフト制のため、平日や土日など希望に合わせて休みを調整できる
- 行事や繁忙期は休みが取りづらいこともある
- 有給休暇を利用して個別に連休を取得するケースが多い
幼稚園やこども園
幼稚園は3歳から5歳の子どもが通う教育施設で、基本的に朝9時から14時ごろまでの短い活動時間です。
こども園は幼稚園と保育園の両方の機能を持ち、0歳から就学前までの子どもを受け入れています。
長期休暇として夏休みや冬休み、春休みがしっかり設けられており、基本的には学校と同じようなスケジュールで休みが取れますよ。
しかし、預かり保育を実施している園も増えており、シフト制で出勤が必要な場合もあります。
- 幼稚園は夏休み・冬休み・春休みなど長期休暇がしっかりある
- 幼稚園は基本的に土日祝日が休み
- こども園は教育と保育の両方を行い、長期休暇中も保育が必要な子は預けられる
- 預かり保育を実施している幼稚園が増えているため、シフト制で出勤がある場合もある
- 行事や園の方針によって休日や休暇の内容が変わることもある
保育士が長期休暇を取れるタイミングはいつ?
保育士は普段なかなか長期休暇を取ることが難しいですが、実は年に数回、まとまった休みを取れるタイミングがあります。
ゴールデンウイークやシルバーウイーク、年末年始など、園の休園日を活用して休みを取っている人も多いでしょう。
園によって休み方や日数が異なるため、いつ休めるのか気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
ゴールデンウイーク
ゴールデンウイークは比較的まとまった休みを取りやすい時期です。
多くの保育園では祝日が休園となるため、カレンダー通りに連休が取れることが多いですよ。
ただし、土曜日は開園している園が多く、シフトによっては出勤となる場合もあります。
また、認可外保育施設や企業主導型の園では、ゴールデンウイーク中も通常通り開園している場合があり、出勤が必要なこともあるので注意が必要です。
連休をさらに長くしたい場合は、有給休暇を組み合わせて取得する人もいます。
シルバーウイーク
シルバーウイークは、9月の敬老の日や秋分の日などの祝日が連なることで生まれる連休です。
普段なかなか取れない連休が取れなかった保育士にとっては、ちょっとした休息を過ごせる貴重なタイミングですね。
2~3連休程度になる年が多いですが、前後に有給休暇を組み合わせることで4連休や5連休にすることも可能です。
ただし、園によっては通常通り開園している場合もあるため、シフトや園の方針を事前に確認しておくことが大切でしょう。
年末年始
多くの保育園では12月29日ごろから1月3日前後まで休園となるため、年末年始は保育士も休みになる場合が多いです。
ただし、園によっては年末年始も開園していたり、保護者の方のニーズに応じて休日保育を実施しているところもあります。
シフト制で出勤になることもあるので、事前に園の方針やシフトを確認しておくと安心でしょう。
また、有給休暇を前後に組み合わせて、さらに長めの休みにする保育士もいます。
保育士が夏休みを取りたいときはどうすればいい?
保育士が夏休みを取りたい時、どんな方法があるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
有給休暇を上手に活用したり、夏休みの取得実績がある園へ転職するなど、働き方を工夫すれば連休を実現できるケースもあります。
実際に夏休みを取得しやすくするためのポイントをご紹介します。
自分に合った働き方を見つけたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
有給休暇を利用する
保育士が夏休みを取りたい時は、有給休暇を計画的に活用するのが現実的な方法です。
取得日数は勤続年数によって異なりますが、1年目でも有給はあります。
入職後6ヶ月経過すると付与されることが多く、10日間が基本でしょう。
お盆の時期に数日間の夏休みを設けている園が多いですが、長期休暇を取りたい場合は、土日や祝日と有給休暇を組み合わせるのがおすすめです。
休みを取る際は、主任や先輩に相談して職場の状況を確認し、早めに計画を立てて申請すると安心です。
派遣保育士として働く
派遣保育士として働くと、比較的自分の希望に合わせて長期休暇を取りやすくなるのが大きなメリットです。
例えば、契約が終了したタイミングで次の派遣先までの間に、まとまった休みを確保できることが多いです。
また、有給休暇も正社員と同じく、一定の条件を満たせば派遣会社から付与されますので、希望の日に休みを取得することも可能になります。
有給休暇の取得ルールや残日数は派遣会社によって異なるので、事前に確認しておくとトラブルも防げます。
休みが取りやすい保育園に転職する
休暇制度が充実している保育園への転職を検討するのもおすすめです。
最近では夏季休暇の取得実績が明記されていたり、年間休日が120日以上、なかには130日を超える園も増えており、長期休暇がしっかり確保できる職場もありますよ。
求人情報や園のホームページで「夏休みあり」「長期休暇取得実績あり」といった記載をチェックしたり、見学や面接時に実際の休暇取得状況を質問してみるのも大切です。
休暇の取りやすさの面でも、自分に合った園を選ぶことが大切ですね。
【先輩保育士からのアドバイス】夏休みが取りやすくなるポイント
保育士が夏休みを取りやすくするためのコツをご紹介します。
有給休暇の計画的な取得や、職場の雰囲気づくり、園の方針を理解したうえでの相談・交渉術など、すぐに実践できるヒントがたくさんありますよ。
園によって休みやすさが異なるため、自分に合った方法を見つけて、無理なくリフレッシュできる働き方を目指しましょう。
有給休暇を計画的に取得する
夏休みを取るためには、有給休暇を上手に使うといいでしょう。
まずは、園の年間スケジュールや行事予定をしっかり確認し、人手に余裕がある時期や園が落ち着く時期を見極めて申請するのがポイントです。
例えば、子どもの登園が少なくなるお盆や年末年始など、保護者も休みやすい時期なので、有給を取得しやすくなります。
できるだけ早めに相談し、希望日を申請しましょう。
計画的に有給を活用することで、無理なく夏休みを楽しむことができるでしょう。
園の方針を理解し、交渉する
夏休みを取りやすくするためには、まず園の方針や年間スケジュールをしっかり把握することが大切です。
園によっては保育協力日を設けている場合もあり、そのタイミングで休暇を取得しやすくなることがあります。
お盆や保育協力日など、子どもの登園が少なくなる時期を見極めて、「この日はお休みをいただけませんか」と園長先生や上司に相談してみるのも良い方法です。
希望を伝える際は、事前に余裕を持って相談することで、シフト調整もしやすくなります。
休みを取りやすい環境を作る
休みが取りやすい環境を作るためには、職員同士でお互いの希望休を事前に共有し、休みを融通し合うことが大切です。
行事や繁忙期を避けて、余裕がある時期に交代で休むように相談すると、全員が無理なくリフレッシュできるでしょう。
また、職員全員で「もっと休みやすい環境にしたい」と園に働きかけることも効果的です。
日頃から協力し合い、思いやりを持って職場全体で休みやすい雰囲気を作ることが、長期休暇取得への近道になります。
リラックス方法を見つける
どうしてもまとまった休みが取れない時は、短時間でも自分なりのリラックス法を見つけておくことが大切です。
例えば、サウナや温泉で体を温めたり、ヨガやストレッチで体をほぐすのもおすすめです。
深呼吸や腹式呼吸を数分行うだけでも、気持ちが落ち着きリフレッシュできます。
また、アロマの香りを楽しんだり、映画鑑賞やカフェ巡りなど、好きなことに没頭する時間を意識的に作ることも心身のバランスを保ちやすくなりますよ。
夏休みが取れる職場への転職を考えるなら転職サイトを利用しよう
園によっては、夏休みが取りやすくなるポイントを実践しても休みが取りづらいということもあるでしょう。
長期休暇を取得するために、夏休みが取れる職場へ転職を考えることも必要です。
実際に、働いている現場の保育士の労働環境や休暇取得率がわかる転職サイトを使用しましょう。
事前に把握しておくことで、休みが取りやすくなりますよ。
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運営会社 | レバウェル株式会社 |
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求人数 | 9,218件 |
対応職種 | 保育士、児童指導員、保育補助、幼稚園教諭、放課後児童支援員・学童指導員、保育教諭、園長・副園長 |
雇用形態 | 正社員、契約社員、パート・アルバイト |
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雇用形態 | 正社員、契約社員、パート・アルバイト |
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まとめ
今回は、保育士が夏休みを取りにくい理由や、実際にどのように休暇を取得しているのかを詳しく解説しました。
保育士の夏休みや長期休暇の実態は、園の種類や働き方によって様々です。
人手不足や園の行事が優先され休暇が取りづらい場合もありますが、実際に休みを確保するための工夫も紹介したので参考にしてくださいね。
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