フルーツバスケットは、椅子があれば特別な準備は必要なく、人数制限もないので子どもたちと遊びやすいゲームです。
子どもがはじめてのゲーム遊びに挑戦する際や、実習生が部分実習や責任実習で活動に選ぶのにもぴったりですよ。
しかし、「指導案はどうやって書けばいいのか」「どんなことに注意したらいいのか」わからずに困っている人もいるかと思います。
今回は、フルーツバスケットの指導案を書くポイントを年齢別に解説します。
- フルーツバスケットの遊び方
- 基本的な指導案の書き方や内容
- 年齢別の指導案を書くポイント
- フルーツバスケットのアレンジ方法
- よくある疑問を元保育士が解説

誰でも知っているフルーツバスケットですが、子どもに説明しながらやるとなると何をしたらいいのかわからなくなってしまいますよね。伝え方や遊びの広げ方も解説していくので、ぜひ参考にしてください。


Yama 幼稚園教諭ライター
幼稚園教諭歴10年、保育士資格有。体を動かすことが好きで、一緒に走り回って遊んでいました。現在は2児の母をしながら、子育てと保育の経験を活かしてWebライターをしています。
フルーツバスケットの遊び方
フルーツバスケットは、子どもたちに人気のゲームです。
- 子どもの人数より1つ少ない椅子を円形に並べる
- 子どもを3~4種類のフルーツの名前でグループ分けし、椅子に座らせる
- 1人が真ん中に立ち、フルーツの名前を呼ぶ
- 呼ばれたフルーツは立ち上がり、別の椅子に座る
- 名前を呼んだ真ん中の人も空いた椅子に座る
- 座れなかった人が次の鬼となる
- 「フルーツバスケット」と呼ばれたら、全員が席を移動
- 安定した椅子を使用する
- 隣の席への移動は禁止
- フルーツを覚えやすいよう、名札などを活用しても良い
- リンゴ、バナナ、ブドウなどわかりやすいものにする
準備が少なくルールが簡単なので、理解できる年齢であれば誰でも楽しむことができます。
フルーツバスケットの指導案を書くときのポイント
フルーツバスケットの指導案を作成するときの構成や、押さえるべきポイントについて解説します。
ねらいを定め、活動を通して子どもたちに何を学んでほしいのかを明確にすると書きやすくなります。
また、誰が見ても流れがわかり、子どもへのサポートを実践できるような書き方をすると、具体的になるので、わかりやすい指導案を書けますよ。
ねらい
フルーツバスケットを行うことで、子どもに何を経験して学んでほしいのかという「ねらい」を考える必要があります。
ねらいを定めることで、活動中の子どもへの声掛けや配慮が変わります。
- ルールを理解し、社会性を養いながら遊ぶ
- 人前に立って、話すことでコミュニケーション能力の向上
- 集団での遊びを楽しむ
- 反射神経の向上
年齢や人数などでも、活動の目的は変わってくるはずですので、上記を参考にねらいを設定しましょう。
環境設定
フルーツバスケットを行う環境を想定して、配慮などを事前に計画したものが、環境構成です。
- 保育室の準備(広いスペースで行うことや椅子の準備など)
- 導入やルール説明の方法
- フルーツの決め方はどうするのか
- 保育士の立ち位置はどこか
環境構成を考えることで、子どもが安全に楽しく活動することができます。
年齢によっては、フルーツを覚えるための名札が必要だったり、子どもが椅子を準備したり内容を変える必要があるでしょう。
導入
導入では、子どもがフルーツバスケットに興味を持ち、「やってみたい」と思わせることがポイントです。
- 絵本やペープサートなどを使用する
- 子どもが名札を作る
- 本物のフルーツを用意する
今なにに対して関心を持っているのか、日々の様子からヒントを得てみてもいいかもしれません。
子どもの気持ちが活動に向いていないと、集中できなかったり、怪我に繋がったりします。
導入は子どもの気持ちを高めるために、活動をする上で一番のポイントと言えるくらい重要ですよ。
展開
子どもの気持ちを惹きつけることができたら、フルーツバスケットを始めます。
まずは、椅子や名札など使用する道具の準備をしたり、部屋の中を整えたりしましょう。
環境が整ったら、子どもたちに保育士が実際にやってみせたり、絵を見せたりするなどしてルールを説明します。
年齢や発達に合わせた難易度で、ルール説明をするようにしましょう。
動いてみるとわかってくる子もいますので、ある程度説明できたら実際に、フルーツバスケットをやってみましょう。
子どもの姿
説明したのだから当然できるだろうと思ってしまいがちですが、子どもは予想していない姿を見せることがあります。
なかなか発言できない子、わざと動かない子、椅子の取り合いをするなど、どんな行動をするのか当日やってみないとわからないことばかりです。
計画通りにいかないと焦ってしまいますが、子どもの反応や言動を予想しておくと柔軟に対応することができますよ。
日常の子どものやり取りや関係を考慮しておくと、予想しやすくなります。
保育士の配慮
フルーツバスケットを円滑に進めるために、保育士がするべき動きを記載しておきます。
初めて行う場合は、一緒に参加したり、何度かやったことがあるのであれば見守ったりするなど状況により、保育士の役割が変わるでしょう。
また、予想した子どもの姿に合わせた保育士の動きを、具体的に書いておくと対処しやすくなりますよ。
動きだけでなく、声掛けの言葉を考えておくと遊びを盛り上げることができて、トラブルにもスムーズに対応することができます。
フルーツバスケットの指導案例【年齢別】
年齢や発達によって、フルーツバスケットの指導案の内容は変わります。
3歳児はノーマルなルールで基本的なやり方を学ぶ必要がありますし、4歳・5歳児になると少しずつ応用することで楽しさが増していきます。
また、ねらいによっても活動中の保育士の行動や声掛けが変わるので、しっかりと決めておくと目的を持って子どもたちと取り組めますよ。
3歳児の指導案
3歳児になると心身が急速に発達し、自分の思いを伝えたり、周りの人の思いを汲み取ったりできるようになるでしょう。
簡単なルールを理解できるようになり、ごっこ遊びなど集団で遊ぶ姿がよく見られるようになってきます。
フルーツバスケットは、フルーツの名前を覚えることができれば取り組めるので、初めてのゲーム遊びにぴったりですよ。



3歳は記憶力も上がり、いろいろなことを吸収する時期ですが、フルーツの種類やルールが多すぎると混乱してしまうので、できるだけ簡単にするといいですよ!
ねらい
- 果物の名前と形を理解する
- 友達と一緒に遊ぶ楽しさを体験する
- 簡単なルールを理解し、協調性を養う
環境構成
- 人数より一つ少ない椅子を円形に配置する
- 果物のイラストを描いた名札を準備する
- 保育士が手本を見せ、はじめの鬼になる



ルール説明は、言葉だけではイメージしにくいので、イラストを見せたり、大人が動いて見せたりすることで伝わりやすくなります。
子どもの姿
- 声掛けで動くことを楽しむ
- 動くタイミングがわからない子がいる
- 座れなくて泣いてしまう子がいる
- 鬼になっても発言できない子がいる
保育者の援助
- 興奮して怪我がないように見守る
- 動けない子には個人的に声を掛ける
- 空いている場所を教え合えるように促す
- 鬼が発言できない時は、一緒に内容を考えるなど手助けする
一斉に移動することで、走ったり大声を出したり興奮しやすくなります。狭いスペースで行っているため、怪我に繋がる可能性があるので止めるようにしましょう。一度、気持ちが高ぶってしまうとなかなか落ちつけないこともありますが、再度ルールを伝えたり、絵本を読んだりして、静かにさせることも大切ですよ。
4歳児の指導案
4歳児は、自分の意思がとてもはっきりしてくるので、子ども同士のトラブルが増えます。
また、競争心も出てくるため、「ゲームに勝ちたい」という気持ちが芽生えてくるでしょう。
フルーツバスケットを行うことで、ルールを守りながら集団で遊ぶ楽しさや、鬼になったりなれなかったりする面白さを知ることができます。



勝ち負けにこだわる子がいる場合など、さまざまなトラブルの時の対応も含めて、どうするべきか指導案に記載しておくと安心ですよ。
ねらい
- 友達との関わりを楽しみながらゲームに取り組む
- ゲームのルールを正しく理解して、適した行動をする
- 集団活動に積極的に参加することができる
環境構成
- 子どもが椅子を並べる
- ルールを知っている子にお手本を頼む
- 果物の種類を増やして遊ぶ
子どもの姿
- 急いで椅子に座ろうとしてぶつかりそうになる
- 空いている椅子を友だちに教える姿が見られる
- わざと鬼になろうとする子がいる



ルールを伝える時に、怪我がないように注意することもあわせて伝えておくと、気を付けて動くことができますよ。
保育者の援助
- 椅子の取り合いになった場合、お互いの思いを聞いて解決する
- 繰り返し鬼になる子がいた場合は、やっていない子を指名するなどルールを変える
- 子どもだけで難しい場合は、保育士も一緒に参加する
数回繰り返すとルールを理解し、参加できるので、新しいルールを加えていくとバリエーションが増えて、マンネリ化せずに楽しむことができますよ。また、困ったことやトラブルが起きた時には、子どもと一緒に解決策を考えてもいいでしょう。どうすればいいのか考えることで、協調性や社会性を育むことができます。
5歳児の指導案
心身共に発達する5歳児は、複雑な指示を理解して考えられるようになってきます。
ルールを難しくしたり、フルーツ以外の物で行ったりするアレンジを加えても行うことができるでしょう。
子ども同士で遊び方を相談し合うと、人前で意見を言う練習にもなったり、お互いの気持ちを尊重しながら、みんなで楽しむための方法を考えたりすることができます。



子どもだけでルールを考えることが導入に繋がることもあり、想像力を育むきっかけにもなりますよ。
ねらい
- ルールを守りながら友達と協力し、楽しむことができる
- 友だちの思いを考えながら取り組む
- 誰でも楽しめる新しいルールを考える
環境構成
- 子どもたちにルールを言わせて確認する
- 新しいルールを提案したり、子どもが考えたりする
- 保育士は参加せずに、子どもに任せて見守る
子どもの姿
- 自分の意見だけを伝えようとする子がいる
- 恥ずかしがり、なかなか発言できない子がいる
- 準備を積極的に行う
保育者の援助
- 子どもの話し合いの進行役や、出た意見をまとめて書き出すなどする
- 自分の思いだけを伝えようとする子には、他の人意見も聞くよう声を掛ける
- 意見を言えない子には個別で声を掛けたり、保育士が話を聞いたりする



子ども同士の話し合いで解決できることもあるので、保育士が介入するタイミングや声掛けに気を付けるといいですよ。
5歳児は何度かフルーツバスケットをやったことがある子がほとんどだと思うので、通常のルールだと飽きやすいでしょう。フルーツのバリエーションを増やしたり、ルールを変えたりすることで長く楽しめるようになります。また、トラブルは話し合いで解決できることも増えるので、介入しすぎず保育士は見守ることも大切です。
保育士おすすめ!フルーツバスケットのアレンジのアイデア
- 果物以外のものでグループ分けをする(4歳児以降)
- なんでもバスケットにする(5歳児)
- 椅子を使わずにやってみる(5歳児)
3歳児は通常のルールで、ゲームに慣れることを大切にし、4歳児以降は、少しずつアレンジしても楽しむことができるようになります。
果物以外の「動物」「色」「おもちゃの名前」など種類が色々あるものであれば、グループ分けができますよ。
さらに、5歳児になると応用したルールで遊べるようになるでしょう。
なんでもバスケットとは、鬼が言うお題はなんでも良く「髪を結んでいる人」「朝テレビを見た人」など当てはまる子が動きます。
お題を考えることも、自分が該当しているのか思い出すことも脳のトレーニングになりますよ。
元保育士が解説!フルーツバスケットに関するQ&A
子どもの姿はさまざまで、実際にやってみないとわからないことがたくさんありますよね。
クラスによっては「毎回トラブルになる」などの悩みを抱えている保育士もいるかもしれません。
Q&Aを状況に合わせた対応の参考にしてくださいね。
- 鬼になりたい子が多いときはどうすればいい?
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ゲームに慣れてくると、鬼になりたくてなかなか椅子に座らない子が出てきます。
また、わざと座らずに何度も同じ子どもが鬼になってしまうことも多く見られる姿です。
子どもの気持ちを受け止めつつも、どう伝えたらいいのか悩んでしまいますよね。
私が4歳児クラスで実践した時には、あらかじめ一人の鬼の回数を伝えました。
「2回鬼になったら、先生の質問に答えてね」と話しておき、「好きな食べ物」や「好きな色」などを聞いてから、やっていない子と交代してもらえるように促しました。
鬼をやってみたくても、積極的に発言できない子もいるので、保育士が指名する形を取りましたが、5歳児であればやった子とやっていない子の区別がつくでしょう。
保育士のサポートが必要ですが、子ども同士で指名したり、じゃんけんで決めたりもできるようになってきますよ。
なかには、絶対にやりたくないと思う子もいるので、保育士が気を付けてあげましょう。
- 終わり方はどうやって決める?
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ゲームが盛り上がると、「もっとやりたい」と言う子が出てくるでしょう。
特に、フルーツバスケットは鬼がどんどん代わっていくので終わりがなく、子どもは終了するタイミングがわからないのです。
子どもが納得できる終わり方を伝えなければ、なかなか終了できなかったり、泣いたりする子が出てきてしまいます。
4歳児、5歳児であれば、「長い針が6になったら終わりにしようね」「あと3人鬼を交代したらおしまい」と伝えておくことで理解することができるでしょう。
3歳児は「あと3人」を理解することが難しければ、磁石などを使って、「3つ貯まったら」と目に見える形で伝えてあげるとわかりやすいです。
子どもが納得しやすくなるポイントは、先に伝えておくこと。
直前に言われても、心の準備ができずに戸惑ってしまいますので、事前にわかるようにしておいてあげるとスムーズにいくことが多いです。
- 鬼役の子がお題を言えないときのフォロー方法は?
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人前に立って注目されると、大人でも緊張してしまいますよね。
鬼になっても、恥ずかしくなってしまい、なかなかお題を言えない子もいるでしょう。
一人で円の真ん中に立っていると、余計に緊張してしまうので、まずは保育士が近くに行って「大丈夫だよ」と伝えて安心させてあげることが大切です。
少しフォローすれば話せる子もいるでしょうし、なかには、そもそもルールがわかっていなくて困っているという場合もあるので、一緒にお題を考えてあげることも必要ですよ。
どうしても言えない時には、無理させずに保育士が代弁してもいいですし、周りの子どもが一緒に考えて助けてあげてもいいですね。
他の子どもは、お題を言えない子を待ってあげることも大切ですので、文句を言ったりふざけたりすることがないよう、態度についても声を掛けてあげるといいでしょう。
- 椅子の取り合いになってしまったらどうすればいい?
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ゲームに夢中になると、周りが見えなくなってしまいがちです。
同じ椅子に座ろうとしてぶつかってしまったり、喧嘩になってしまったりすることがあります。
一生懸命取り組んでいるからこそ、起こることでもありますが、怪我に繋がってしまう可能性があるので注意したいですよね。
子どもとルールを確認する時に、「ぶつからないように周りを見ようね」と伝えたり、椅子の取り合いになってしまった時はどうしたらいいのか考えておいたりしましょう。
保育士はトラブルになった時の対応についても指導案に書いておくと、慌てずに対処ができます。
周りの子が見ている場合もあるので、子どもにどちらが座っていたか聞いてみる方法もありますし、取り合いになったら「じゃんけん」とはじめに決めてしまってもいいかもしれません。
何をねらいにするかによって話し合いを取り入れるかどうかは変わるので、解決策も合わせて検討しておきましょう。
まとめ
今回は、フルーツバスケットの指導案を書くポイントを年齢別に解説しました。
簡単なゲームですが、さまざまなアレンジ方法があるので、3歳~5歳児まで、幅広い年齢層の子どもが楽しむことができます。
集団遊びは、トラブルを避けるためにも、ルールを守ることが大切ですので、事前に伝え方を考えておくとポイントを押さえて話ができますよ。
ぜひ、指導案を書く際の参考にして、フルーツバスケットを子どもと楽しんでくださいね。
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