朝夕の涼しさが心地よくなり、秋の訪れを感じる9月です。
戸外でのびのびと遊びながら、季節の変化に気づき、自然に親しんでいきましょう。それでは4歳9月の月案文例を解説していきます。

Aki 園長歴6年
保育士歴18年、園長歴6年。これまで多くのカリキュラム添削や、保育士さんたちの悩みに寄り添ってきました。この記事では園長として多くの月案・週案をチェックしてきた経験を活かし、 効率よく質が高い月案・週案を仕上げられるようサポートします。
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元園長が教える月案・週案の重要ポイント
まずは大前提、月案を作る上でどんなことが重要か…実際に保育士さんたちの数々の月案をチェックしてきた元園長先生に、重要ポイントを伺いました。
- 年間カリキュラムに基づく計画を立てる
- まずは「前月の子どもの姿」から考え始める
- 「今月のねらい」と「具体的な内容」は連動して考える
この3つが、年齢・時期関わりなく月案を作成する上で意識してほしい点です。
要するに、「保育園での活動を通して、子どもたちにどんな姿になってもらいたいのか」を考えると良いということですね。
4歳児・9月の月案のポイント
次に、「4歳児・9月」ならではの月案のポイントを紹介します。
- 夏の疲れによる体調の変化に留意しながら、十分に体を動かし健康に過ごせるよう、配慮や環境設定を行う。
- 身の回りの清潔や、気温に応じた衣服の調節が身につくよう働きかける。
- 季節の変化を感じ、自然に興味・関心が持てるような活動を取り入れる。
- 友だちの意見を大切にしたり、ルールを守ったりできるよう、遊びや生活の中で伝えていく。
9月に入ると暑さが少し和らぎ、戸外で遊ぶ機会が増えてきます。
来月の運動会に向け、友達と競争したり助け合ったりしながら、当日を楽しみに意欲的に過ごせるよう働きかけていきましょう。
また、夏の疲れが出やすい時期です。子ども一人一人の健康管理への配慮も取り入れたいですね。
それではここから、具体的な月案の例文をまとめていきます。
《 STEP1》 前月の子どもの姿を思い出す
- 暑さや生活リズムの乱れから、体調が優れない様子が見られた。
- 着替えや片付けなど、水遊びで必要な身の回りのことを意欲的に行っていた。
- 行事やお盆の少人数保育で異年齢児と一緒に過ごし、やり取りを楽しみながら関係が深まった様子だった。
- プール遊びでは友だちと一緒に様々な遊びを楽しみ、新たなことにも挑戦し、できたことを嬉しそうに披露していた。
《 STEP2》 今月のねらいを決める
養護のねらい
教育(5領域に対応)のねらい
養護のねらい①の具体的な月案
ねらい
自分の身の回りを清潔に保ち、気持ち良さを味わう
養護・内容
- 汗を拭いたり、シャワーを浴びたり、着替えを行い、体を清潔にしながら快適に過ごす。(生命の保持)
- 身の回りの整理整頓を行い、気持ちよく過ごす。(生命の保持・情緒の安定)
養護・予想される子どもの姿
- 汗をたくさんかいても、拭いたり着替えることを面倒と感じ、そのまま過ごす。
- 自分のロッカーやかごの中の持ち物を、畳み直したりきれいに並べて入れたりする。
養護・環境構成/保育者の配慮
- シャワーや着替えの際、室温を低くし過ぎないよう注意する。
- 汗をそのままにしておくと様々な体の不調を招く原因になることを分かりやすく伝え、着替えや汗を拭くことの意味を理解した上で意識的に取り組めるようにする。
- 着替え後に、自分の持ち物を整理整頓する時間を設ける。きれいになり気持ちが良いという思いに共感し、今後への意欲へと繋げる。
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養護のねらい②の具体的な月案
ねらい
季節の変わり目を健康に過ごす習慣を身につける
養護・内容
- 気温・室温・体調に留意してもらいながら、元気に過ごす。(生命の保持・情緒の安定)
- 手洗い・うがいなど、健康に過ごす為に必要な行動が分かり、進んで行う。(生命の保持)
養護・予想される子どもの姿
- 夏の疲れや気温の変化から、体調を崩しやすくなる。
- 手洗い・うがいを丁寧に行う子どももいれば、早く済ませようと適当になる子どももいる。
養護・環境構成/保育者の配慮
- 室温をこまめにチェックしながら定期的に換気を行い、風通しを良くしたり、外気温との差が大きくなり過ぎないよう注意する。
- 戸外から入室した際や活動の節目に、手洗い・うがいを保育者も一緒に丁寧に行うことで、子ども達も習慣化できるようにする。
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養護のねらい③の具体的な月案
ねらい
防災訓練を通し、自分の身を守る方法を知る
養護・内容
- 命を守る行動を知る。(生命の保持)
- 保育者の指示を聞き、落ち着いて行動する。(生命の保持・情緒の安定)
養護・予想される子どもの姿
- 落ち着いて避難する子どももいれば、驚いて泣いてしまったり、不安そうにする子どももいる。
- 避難の方法や命を守る行動についての話を真剣に聞く。
養護・環境構成/保育者の配慮
- 避難経路の下見や職員の役割分担の話し合い・確認をしておく。
- 避難時に気をつけることを、子ども達にイラスト等を使いながら分かりやすく説明する。避難中は子ども達が落ち着いて行動できるよう声をかけながら、誘導する。
- 訓練後に子ども達と振り返る時間を作り、避難時に必要な行動や約束について改めてみんなで確認する。
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教育のねらい①の具体的な月案
ねらい
友だちと意見を出し合いながら工夫して活動に取り組む
教育・内容
- 思ったことやイメージしたことを、友だち同士で伝え合いながら遊ぶ。(人間関係・言葉・表現)
- 気の合う友だちと一緒に同じ遊びをし、楽しさや嬉しさを分かち合う。(人間関係・言葉・表現)
教育・予想される子どもの姿
- 友だちの思いに気づき、自分はどうすれば良いかを考えてみる。
- 同じ遊びや活動を一緒に楽しむことで、関係が深まる。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 子ども同士で試行錯誤しながら取り組む姿を見守りながら、子どもが手助けを求めてきた場合や、必要に応じて、思ったことやイメージを表現できるよう導く言葉をかける。
- 子どもの思いを受け止めながら、友だちの思いについて一緒に考え、どうすれば良いか問いかけていく。相手の思いに寄り添いたいという気持ちを認め、大切にしながら見守る。
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教育のねらい②具体的な月案
ねらい
様々な運動遊びに挑戦し、友だちと一緒に楽しむ
教育・内容
- 様々な運動遊びに友だちと一緒に意欲的に挑戦する。(健康・人間関係・環境)
- 運動会の練習を通して、集団で協力して取り組む楽しさを知る。(健康・人間関係・環境)
教育・予想される子どもの姿
- 友だちが運動遊びを楽しむ様子を見て、自分も挑戦してみようとする。
- 綱引き・玉入れ・リレーなど、みんなで協力して行う運動遊びを楽しむ。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 運動会で使用する用具の数の確認や安全点検を行う。
- 運動遊具の正しい使い方や約束を子ども達と一緒に確認し、安全に取り組めるようにする。
- 子ども達が挑戦したり、協力し合う姿を大いに認め、励ましや応援の言葉をかける。
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教育のねらい③の具体的な月案
ねらい
身近な自然に触れながら、季節の変化に興味を持つ
教育・内容
- 身近な自然の変化を見たり触れたりしながら、夏から秋への季節の移り変わりを感じる。(環境)
- 自然物を遊びに取り入れて楽しむ。(環境・表現)
教育・予想される子どもの姿
- 空の様子や気温の変化から秋を感じ取り、気づいたことを友だちや保育者に話す。
- 秋の植物や虫を見つけ、触れることを楽しみながら、遊びに取り入れたり、じっくり観察したりする。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 自然豊かな公園や、景色が楽しめる散歩コースをあらかじめ下見しておく。
- 季節の変化について感じたことや気づいたことを子ども達と共有し、自然について調べたり、自然物を使って作ったりして楽しめる環境を提供する。
行事・遊び・食育・職員との連携・家族や地域との連携・自己評価の月案例
今月の行事
- お月見
- 防災の日
- 敬老の日
- 秋分の日
- 誕生会
- 身体測定
- 避難訓練
今月の遊び
- 戸外遊び
- 散歩
- 秋の自然に触れる遊び
- 運動遊び
- お月見の製作
- 敬老の日の製作
- 9月の歌「つき」「まつぼっくり」「やまのおんがくか」
- 9月の手遊び「十五夜さんのもちつき」「お寺のおしょうさん」
- 絵本・紙芝居「とんぼのあかねちゃん」「パパ、お月さまとって!」
食育
- 食べ物と体の健康の関係について興味を持つ。
- 苦手な食べ物にも挑戦しようとする。
職員との連携
- 来月の運動会に向け、子ども一人一人の発達や運動機能の状態を職員同士で伝え合い、共通理解をしながら子どもに合わせた練習や準備を進めていけるようにする。
- 季節の変わり目で体調を崩しやすい時期なので、日々の健康観察をしっかり行い、子ども一人一人の健康状態を職員間で共有する。
家庭や地域との連携
- 子どもの日々の姿について、気になることや不安なことはないか確認し、園でもできる対応を一緒に考える。
- 防災訓練について知らせ、保護者引き渡し訓練への協力を依頼する。
自己評価
- 季節の変わり目や夏の疲れで体調を崩す子どもが多かった。健康に過ごす為の行動として、手洗い・うがいの仕方を改めて子ども達と一緒に確認し、丁寧に行うよう声かけをした。
- プール遊びから運動会へ向けた運動遊びへと移行し、子ども達は様々なことに挑戦している。個々の発達により、できるできないの差はあるが、それぞれの頑張る姿に注目し、楽しむことを前提として応援していきたい。
- 避難訓練を通し、避難時にどのように行動して自分の身を守るかを、子ども達と一緒に改めて確認することができた。終了後、子ども達も感想や約束についてよく話しをしていた。よりスムーズに避難できるよう、改善点についても職員同士で話し合うことができた。
ふりかえり
夏から秋へと季節が移り変わる9月、子ども達は気候や景色の変化を感じ取りながら、身近な自然と触れ合い楽しむ機会を持てたでしょうか。
また、来月の運動会に向け、友だちと一緒に楽しく戸外で体を動かしながら、意欲や挑戦する姿・期待の気持ちを育むことができたどうか、振り返ってみましょう。
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