元園長監修【4歳児・6月】月案/週案の文例（ねらい・子どもの姿・養護・教育・ふりかえりの書き方）

梅雨の季節に入り、雨の日も増える6月。子どもたちは様々な遊びを通じて季節を感じる時期です。
室内外で工夫しながら体を動かしたり、友達との関わりを深めたりして楽しみましょう。
それでは4歳6月の月案文例を解説していきます。

最初に月案作成のポイントをご紹介します。
ただ、いち早く例文をご確認したいという方は「こちらのリンク」を押してください。

元園長が教える月案・週案の重要ポイント

大前提、月案を作る上でどんなことが重要なのか？

実際に保育士さんたちの数々の月案をチェックしてきた元園長先生に、重要ポイントを伺いました。

この3つが、年齢・時期関わりなく月案を作成する上で意識してほしい点です。

要するに、「保育園での活動を通して、子どもたちにどんな姿になってもらいたいのか」を考えると良いということですね。

4歳児・6月の月案のポイント

次に、「4歳児・6月」ならではの月案のポイントを紹介します。

梅雨時期に入り、室内で過ごすことも多くなりがちですが、子ども達は元気いっぱい！

思い切って雨の中での戸外遊びを楽しんだり、広いホールで異年齢児と思い切り体を動かして遊ぶ機会を作り、梅雨にしかできない楽しみを味わうのも良いですね。

それではここから、具体的な月案の例文をまとめていきます。

《 STEP1》 前月の子どもの姿を思い出す

• 保育者との関わりを重ねてきたことで、安心して自己主張する姿がみられるようになってきている。
• 生活の流れに合わせ、身の回りのことはほぼ、自分一人でできるようになってきた。
• 気の合う友だちと楽しくやり取りしながら過ごす一方、けんかになることもある。
• 様々な素材や道具を使って、自由に描いたり製作することを楽しんでいた。

《 STEP2》 今月のねらいを決める

養護のねらい

• 梅雨の特徴を知り、快適で健やかに過ごす
• 身の回りのことに積極的に取り組もうとする

教育（5領域に対応）のねらい

• 体全体を使った運動遊びを友だちと一緒に思い切り楽しむ
• 梅雨の自然に触れて遊ぶことを楽しむ
• 異年齢児と関わりながら、ルールのある遊びや活動を楽しむ
• 様々な素材を使い、作る楽しさを味わう

養護のねらい①の具体的な月案

ねらい

梅雨の特徴を知り、快適で健やかに過ごす

養護・内容

• 梅雨時期の特徴を理解する。（生命の保持）
• 汗をかいたら、水分補給や着替え、シャワーを浴びるなどし、快適に過ごす。（生命の保持）

養護・予想される子どもの姿

• 梅雨時期について、保育者から話を聞いたり実際の湿度や天気を体感しながら、特徴を知る。
• 水分補給・着替えなど、汗をかいた時の対処法を自ら行おうとする。

養護・環境構成/保育者の配慮

• 梅雨時期の特徴について分かりやすく楽しく理解ができるよう、絵本や紙芝居を用意し、この時期に気をつけることも一緒に伝えていく。
• 子ども達が水分補給や着替えがしやすいように、取りやすい位置に水筒の配置をしたり、広めの着替えスペースを確保したり、環境を整える。

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養護のねらい②の具体的な月案

ねらい

身の回りのことに積極的に取り組もうとする

養護・内容

• 生活の流れが分かり、片付け・手洗いなど自ら進んで行う。（生命の保持）
• 身の回りのことが自分一人ででき、達成感を味わう。（生命の保持・情緒の安定）

養護・予想される子どもの姿

• 自分から身の回りのことをする子どももいれば、保育者の声かけによって始める子どもや、保育者にやってほしいと甘える子どももいる。
• 身の回りのことを最後まで自分で取り組み、できた時は嬉しそうな満足した表情を見せる。

養護・環境構成/保育者の配慮

• 何をすれば良いか分からない時は、次の行動の見通しが持てるような声をかけ、自分から取り組もうとする姿勢を大いに認めながら見守る。
• 保育者と子どもとの間に信頼関係が築けてきたことで、十分甘えることができるようになったと捉え、優しく愛情深く接する。
• 次への自信へと繋げていけるよう、できた時の嬉しい気持ちに保育者も共感し、言葉で丁寧に伝えていく。

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教育のねらい①の具体的な月案

ねらい

体全体を使った運動遊びを友だちと一緒に思い切り楽しむ

教育・内容

• 体を思い切り動かし、開放感を味わう。（健康・表現）
• 友だちと一緒に工夫しながら、運動遊びを楽しむ。（健康・環境・表現・人間関係）

教育・予想される子どもの姿

• 梅雨時期により室内で遊ぶ機会が多くなる。
• 跳んだりくぐったり渡ったりと、様々な動きの運動遊びやアスレチックを楽しみ、体をたくさん動かす。
• 気の合う友だちと意見やアイデアを出し合いながら、運動遊びを一緒に楽しむ。

教育・環境構成/保育者の配慮

• 園内の広い場所を確保し、フープ・縄跳び・平均台・マット・大型積み木など様々な運動用遊具を準備し、自由に取り組んで楽しめるようにする。
• 子どもなりの発想や、子ども同士のやり取りを大事にし、安全に留意しながらそっと見守る。
• 遊具や道具の安全点検を定期的に行う。

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教育のねらい②の具体的な月案

ねらい

梅雨の自然に触れて遊ぶことを楽しむ

教育・内容

• 雨・生き物・植物など、梅雨時期の戸外の身近な自然に親しみながら遊ぶ。

教育・予想される子どもの姿

• 雨の様子を観察したり、濡れた園庭で泥んこ遊びを楽しむ。
• カタツムリやアジサイなど、梅雨時期の動植物に積極的に触れながら遊ぶ。
• レインコートや長靴を履いて、雨の日の戸外の探索を楽しむ。

教育・環境構成/保育者の配慮

• 泥遊び・水たまり遊び・雨水を組んでみるなど、雨を楽しめる活動を考え、取り入れて楽しむ。
• 生き物はには虫かごを用意し、じっくり観察したり、お世話をする経験ができるようにする。命の大切さについても話す機会を設ける。

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教育のねらい③の具体的な月案

ねらい

異年齢児と関わりながら、ルールのある遊びや活動を楽しむ

教育・内容

• 異年齢児に興味・関心を持ち、関わりを楽しむ。（人間関係・言葉・表現）
• ルールのある遊びを通し、守ることで成り立つ楽しさを知る。（人間関係・言葉・環境）

教育・予想される子どもの姿

• 異年齢児の行動をよく観察し、真似したりしていつもとは違う遊び方も知り、満喫する。
• ルール通りに進まないことがあり、意見がぶつかり合ったりトラブルになる。

教育・環境構成/保育者の配慮

• 異年齢児クラスの保育者と連携し、関わる機会を定期的に作る。
• 始めは簡単で分かりやすいルールの遊びを用意し、一緒に遊びながら繰り返しルールを伝えていく。ルールを守ることで楽しい・面白い、という経験を積んでいけるようにする。

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教育のねらい④の具体的な月案

ねらい

様々な素材を使い、作る楽しさを味わう

教育・内容

• 様々な素材や道具に触れ、特徴や使い方を知る。（環境・表現）
• 自由に作って表現することを存分に楽しむ。（環境・表現）

教育・予想される子どもの姿

• 道具の使い方が分からない子どもがいる。
• 作った物を嬉しそうに保育者や友だちに見せる。

教育・環境構成/保育者の配慮

• 子どもの自由な発想や表現を大いに認めた声かけを行い、作り上げる楽しさを十分味わえるようにする。
• 様々な色・形・手触りの素材や、様々な用途の道具を十分な数分準備し、存分に満足いくまで作ることができるような環境を提供する。
• 道具の安全な使用方法を子ども達と一緒に確認し、安心して使用できるよう、そばで見守る。

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行事・遊び・食育・職員との連携・家族や地域との連携・自己評価の月案例

今月の行事

• 歯科検診
• 歯の健康週間
• プール開き
• ファミリーデー（父の日）
• 時の記念日
• 夏至
• 誕生会
• 身体測定
• 避難訓練

今月の遊び

• 泥んこ遊び
• 雨天での遊び
• 散歩
• 運動遊び
• リズム遊び
• 異年齢児交流
• ファミリーデー（父の日）の製作
• 時の記念日の製作
• 6月の歌「あめふり」「くじらのとけい」「ニャニュニョのてんきよほう」
• 6月の手遊び「こぶたがみちを」「三ツ矢サイダー」
• 絵本・紙芝居「おじさんのかさ」「あめふり」

食育

• 献立の食材に興味を持ち、図鑑などで調べたり考えたりする
• 食事中のマナーを知り、守ろうとする。

職員との連携

• 子ども一人一人の日々の様子や、子ども同士の関わりの状況について、保育者間で情報を共有し把握しておく。
• シャワーの手順や保育者の配置をしっかり確認し、安全でスムーズに行えるようにする。

家庭や地域との連携

• 送迎時に保護者と会話する機会を持ち、不安や疑問には丁寧に答え、信頼関係を築いていく。
• 歯磨きや虫歯予防について、家庭でも改めて確認する機会となるよう、歯科検診の様子や結果を伝える。虫歯や異常がある時は、必要な治療を受けてもらうようお願いする。
• シャワー・プール遊びに必要なものを伝え、用意してきてもらう。

自己評価

• 湿度が高く不快に感じる日が続いたが、空調の除湿運転を活用したり、着替えやシャワーで汗を流して、心地よく過ごせるよう配慮した。
• 雨の様子を見たり、戸外の植物・生き物に触れる機会を多く持つことができた。梅雨の特徴を子ども達なりに感じ取ることができた様子だった。
• 雨天により室内で過ごすことが多かったが、運動遊びを取り入れたり、素材や道具を揃えた工作コーナーを作るり、室内でも充実した活動が行えたと思う。

まとめ

６月、梅雨の特性を理解し快適に過ごす対策を、子ども達と共に考え行っていけるような働きかけができたでしょうか。

また、進級して２カ月が経ち伸び伸びと遊ぶ中で、ルールーを守ったり、友だちとのトラブルを自分たちで解決する力が育つような関わり方が行えたかどうか、振り返ってみましょう。

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