元園長監修【4歳児・8月】月案/週案の文例（ねらい・子どもの姿・養護・教育・ふりかえりの書き方）

暑さが厳しい8月、子どもたちは夏ならではの遊びを楽しみながら元気に過ごす時期です。
水遊びや涼しい環境を工夫しながら、暑い日も快適に過ごせるようにしましょう。それでは4歳8月の月案文例を解説していきます。

最初に月案作成のポイントをご紹介します。
ただ、いち早く例文をご確認したいという方は「こちらのリンク」を押してください。

元園長が教える月案・週案の重要ポイント

大前提、月案を作る上でどんなことが重要なのか？

実際に保育士さんたちの数々の月案をチェックしてきた元園長先生に、重要ポイントを伺いました。

この3つが、年齢・時期関わりなく月案を作成する上で意識してほしい点です。

要するに、「保育園での活動を通して、子どもたちにどんな姿になってもらいたいのか」を考えると良いということですね。

4歳児・8月の月案のポイント

次に、「4歳児・8月」ならではの月案のポイントを紹介します。

８月、厳しい暑さが続きます。すすんで水分補給をしながら、夏の健康に気をつけて生活できるよう、声かけや配慮を考え、月案に取り入れてみましょう。

また、夏ならではの活動や行事に、子ども達が解放的な気持ちで楽しく参加できるよう、保育者自身も思い切り楽しむ姿を示し、盛り上がる雰囲気作りをしていきたいですね。

それではここから、具体的な月案の例文をまとめていきます。

《 STEP1》 前月の子どもの姿を思い出す

• 水の危険性を改めて知り、安全に気をつけながら水遊びを楽しもうとしていた。。
• 水遊びを取り入れた生活に慣れ、身の回りのことに見通しを立てて行おうとする姿が見られた。
• 夏野菜の世話を行い、生長を喜びながら収穫を楽しんでいた。収穫した野菜が給食の献立に加わり、嬉しそうに味わうと共に、食べ物への感謝の気持ちも言葉にしていた。
• 友だち同士で意見を出し合い、時には意見が合わないこともありながらも、工夫しながら行事の準備を進めていた。

《 STEP2》 今月のねらいを決める

養護のねらい

• 生活リズムを整え、安定した気持ちで健やかに過ごす
• 夏の生活に慣れ見通しを持ち、自信を持って行動する

教育（5領域に対応）のねらい

• プール遊びを楽しみながら、全身をのびのびと動かして遊ぶ
• 夏の行事や交流を通して、自分なりの表現を楽しむ
• 夏の自然に触れながら、興味・関心を深める
• 少人数や異年齢の関わりを楽しみ、一緒に遊ぶ喜びを味わう

養護のねらい①の具体的な月案

ねらい

生活リズムを整え、安定した気持ちで健やかに過ごす

養護・内容

• 生活リズムを整えながら、快適に過ごす。（生命の保持・情緒の安定）
• 必要な休息や午睡をとり、心身共に安定して過ごす。（情緒の安定）

養護・予想される子どもの姿

• 長期休み明けは、疲れた様子だったり、園での生活リズムが乱れたりする。
• 暑さや水遊びで体力を消耗し、休息や午睡時間が延びる。

養護・環境構成/保育者の配慮

• お盆休み明けなど長期休みからの登園時には特に健康観察をよく行い、体調の把握に努める。
• 子どもの様子を見ながら活動時間と休息時間のバランスをとり、疲れが溜まったり体調を崩さないよう配慮する。
• 心身共にゆったりと休息がとれるよう、涼しく落ち着いて過ごせる場所を確保する。

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養護のねらい②の具体的な月案

ねらい

夏の生活に慣れ見通しを持ち、自信を持って行動する

養護・内容

• 水遊びを取り入れた生活の流れに慣れ、次の行動の見通しを立てる。（生命の保持・情緒の安定）
• 生活に必要な身の回りのことが分かり、自信を持って取り組む。（生命の保持・情緒の安定）

養護・予想される子どもの姿

• 水遊びの準備や後始末を、保育者の促しが無くても自ら行おうとする。
• 活動前に自らトイレを済ませておいたり、片付けの手伝いを積極的に行う。

養護・環境構成/保育者の配慮

• 着替えや後始末の際の子ども達の動線を確認し、荷物の配置や着替えスペースの広さを考え、水遊びの準備がスムーズに行えるよう、より良い環境へと整えていく。
• 意欲的な姿を大いにほめ、認める声かけを行い、自信へと繋げていく。

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教育のねらい①の具体的な月案

ねらい

プール遊びを楽しみながら、全身をのびのびと動かして遊ぶ

教育・内容

• 約束事やルールを守り、安全にプール遊びを楽しむ。（人間関係・環境）
• 水中で様々な動きをしながら遊び、運動機能を高める。（健康・環境）

教育・予想される子どもの姿

• プール遊びを安全に楽しむために、約束事やルールを自ら守ろうとする。
• フープくぐりや宝探し、バタ足やワニ歩きなど、水中で思い切り体を動かして遊ぶ。

教育・環境構成/保育者の配慮

• プール遊びでの決まり事をみんなで確認し、一人一人が気持ちよく安全に楽しめるようにする。
• 水中で様々な遊びを試したり楽しめるよう、いろいろな道具や玩具・素材を用意しておく。

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教育のねらい②の具体的な月案

ねらい

夏の行事や交流を通して、自分なりの表現を楽しむ

教育・内容

• 盆踊りやおみこし担ぎを通して、体を動かしたり声を出して表現することを楽しむ。（環境・表現）
• イメージしたものを自分なりに製作して楽しむ。（環境・表現）

教育・予想される子どもの姿

• 夏祭りを心待ちにしながら、準備や製作活動を楽しむ。
• 製作活動に意欲的な子どももいれば、興味が湧かず消極的な子どももいる。

教育・環境構成/保育者の配慮

• 盆踊りの曲をかけながらおみこしの製作を進めたり、夏祭りに向けて気持ちが盛り上がるような雰囲気づくりをする。
• 子ども一人一人のアイデアや表現を大いに認めて汲み取り、自分の自由な表現を受け入れてもらえるという満足感や、友だち同士で関わって作り上げる楽しさを味わえる経験ができるようにする。
• 気分が乗らない子には無理強いせず、気持ちを聞きながら一緒にできることを見つけ、楽しめるよう配慮する。

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教育のねらい③の具体的な月案

ねらい

夏の自然に触れながら、興味・関心を深める

教育・内容

• 夏の自然現象・生き物・植物に興味・関心を持って関わる。（環境・表現）

教育・予想される子どもの姿

• 戸外で夏の植物や昆虫を探し、触れたり観察して楽しむ。
• 暑い気温を肌で感じたり、にわか雨や雷を観察したり、夏の気候に興味を持つ。

教育・環境構成/保育者の配慮

• 夏の自然の事象を子ども達と一緒に楽しみながら体験し、感じたことを言葉にして共感する。
• 夏の自然に出会える公園や場所をあらかじめリサーチしておき、訪れて楽しむ機会を作る。

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教育のねらい④の具体的な月案

ねらい

少人数や異年齢の関わりを楽しみ、一緒に遊ぶ喜びを味わう

教育・内容

• 異年齢児とやり取りを楽しみながら遊ぶことを楽しむ。（人間関係・言葉）
• 少人数の活動の中、協力し合ったり譲り合ったりする経験を持つ。

教育・予想される子どもの姿

• 異年齢児と一日を通して一緒に過ごし、様々な刺激を受ける。
• 年下の子ども達に対し思いやりの気持ちを持ったり、譲ったり、優しく接する。

教育・環境構成/保育者の配慮

• 他クラスの保育者と連携し、お盆休み期間に少人数でできる遊びを行ったり、異年齢児と交流を持つ機会を作る。
• 子ども同士のやり取りの時間を大切にし、必要以上に介入せず温かく見守る姿勢をとる。

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行事・遊び・食育・職員との連携・家族や地域との連携・自己評価の月案例

今月の行事

• 夏祭り
• 山の日
• お盆
• 誕生会
• 身体測定
• 避難訓練

今月の遊び

• 泥んこ遊び
• プール遊び
• 散歩
• 運動遊び
• 盆踊り
• 夏の自然に触れる
• 夏祭りの製作
• 山の日の製作
• 8月の歌「やまびこごっこ」「トマト」「みなみのしまのハメハメハ王」
• 8月の手遊び「アイスクリーム」「すいちゅうメガネ」
• 絵本・紙芝居「すいかくんがね」「めっきらもっきらどおんどん」

食育

• 楽しい雰囲気の中、マナーを守って食べる。
• 夏野菜の種類を知り、簡単な調理活動をして親しみを持つ。

職員との連携

• 一人一人の体調の変化を見逃さないよう、職員間で声を掛け合って毎日確認し、異常がある場合は早急に対応できるようにする。
• 子どもの成長した姿や頑張って取り組んでいることなどを保育者間で伝え合い、さらなる成長に繋がる関わりや働きかけについて話し合い、行っていけるようにする。

家庭や地域との連携

• 夏の暑さや長期休みの疲れで体調を崩しやすい時期なので、送迎時に健康状態や生活リズムについて密に連絡を取り合い、把握しておく。
• プールの準備に忘れ物が無いよう、毎日チェックしてきてもらうようお願いする。

自己評価

• お盆休み明けのリズムの乱れや、暑さによる疲れが見られた。子どもの様子をよく見ながら、活動時間と休息時間のバランスをとり、疲れが溜まったり体調を崩さないよう配慮していった。
• 見通しを立てて自ら水遊びの準備を行う姿に成長を感じた。意欲的な姿勢を認め、大いにほめる声かけができた。
• プール遊びでは、フープくぐりやワニ歩きなど、自分なりに新しい動きや遊びに挑戦し、できた時の達成感を保育者や友だちと共有し、喜び合うことができた。
• 異年齢児との交流や少人数での活動の機会を通して、同クラス以外の友達とのやり取りの楽しさや、いつもと違う遊びの新鮮さを存分に味わえた様子だった。

まとめ

8月は夏祭りやお盆休み、プール遊びなど、子どもたちが楽しみにしている活動・行事がたくさんありました。それらを通して、夏ならではの体験を一人一人が豊かに味わうことができたでしょうか。

また、異年齢児との交流では、年上の子ども達からの学びや、年下の子ども達へ優しく関わるなどの成長が見られたでしょうか。

8月の経験を今後の保育にどのように生かしていけるか、振り返ってみましょう。

4歳・ほかの月の月案